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  • 株式会社コンカン

【代表の人物像&体験談!】「食べ物の好き嫌いが『社会不安障害』と関連する!」~偏食に伴う「課題」と「メリット」~

今日は、concan代表が思う「食べ物の好き嫌いが、"人"にどう影響するのか」をアメリカの論文から紐解きます。


食べ物の好き嫌いが激しい『子供』を持った"親"は、「成長と共に改善するだろう」と期待するものです。

しかし、そうとは限らないようです。

一部の『若者』は「成人期」の初めまで 好き嫌いの多い食事を続け、人によっては『10品目未満』の食品しか食べず、野菜や食物繊維を取らずに「身体的健康」に影響が現れてしまうことがあるそうです。更に そのような場合、「メンタルヘルス関連」の"悩み"を抱える"リスク"も高い可能性のあることを示唆する研究結果が報告されています。





この研究は、米ボーリング・グリーン州立大学の「Lauren Dial氏」(現在の所属は、米カリフォルニア州立大学)らが『大学生』を対象に行った調査結果が報告されました。


「Dial氏」らは、米国中西部の『大学の学生488人』を対象とする横断的な調査によって、「食べ物の好き嫌いの激しさと食事摂取量、社会不安障害、生活の質」(QOL)などとの関連について検討しました。その結果、『190人』(38.9%)の学生が「好き嫌いが激しい」と判定されました。好き嫌いが激しい学生の『65.2%』は、『10品目未満』の食品しか摂取していなかった事が分かったのです。また、野菜や食物繊維の摂取量が、好き嫌いが激しくない学生よりも有意に少なかったのです。


更に、好き嫌いが激しい学生は「社会不安障害」の評価スケール(social phobia scale;SPS)のスコアが、好き嫌いが激しくない学生よりも有意に高かったのです。

「社会不安障害」は、普段の行動を他者に観察されたり、恥ずかしい思いをすることを極端に恐れるという「メンタルヘルス」の不調。ライアソン大学(カナダ)の「Martin Antony氏」は、「食事の好き嫌いの激しい人で、かつ、自分が食べるところを人に見られることを気にしている人は、将来的に特定の「社会的状況」を避けるようになるかも知れない」と解説しています。


本研究では、この他に、食べ物の好き嫌いが激しいほど『QOL』が低いという、負の「相関関係」も明らかにしています。論文の筆頭著者である「Dial氏」は、「大学生は、おそらく 彼らの人生で 初めて、何を いつ 食べるかを自分自身で決め始める時期にあたる。その点で、大学生を対象とする食事調査は興味深い」と述べた上で、「好き嫌いの激しい大学生の多くが、レストランに出かけたり 友人と食事をしたりする時に、自分が食べるものの選択に苦労している現状が 明らかになった」と研究を総括しています。


一例を挙げると、ある『19歳の男子学生』は、「自分の好き嫌いが激しい為に 食事時間の半分を、水を飲むことに費やすことがある」と語っています。また 複数の学生が、「友人と食事をする際、食べられるものがあるか不安なので"スナック"を持ち歩く」と回答しています。ただ、食べ物の好き嫌いの理由が『味』や『食感』などに起因するのか、それだけではなく、「メンタルヘルス的な問題」も関与しているのか、その場合の関与の程度などは 個人個人で異なると述べています。


「Antony氏」によると、メンタルヘルス的な問題が強いケースでは、「特定の食品により嫌悪感が引き起こされたり、食事中に 手が震えるなどの症状が現れることがある」といっています。これらの症状が 当てはまる場合は、「回避制限性摂食障害」(ARFID)と呼ばれるタイプの「摂食障害」に該当する可能性があるのです。


「Antony氏」は、「若年成人の食べ物の好き嫌いの激しさと『ARFID』との関連について研究を深めることで、このような人の食事関連の"悩み"がより深刻になる前に、最善の介入方法を示すことが出来るようになるのではないか」と述べています。


◎と言うことで…

「食べ物の好き嫌いが『社会不安障害』と関連する!」と題して書いてきましたが、最後に、偏食に伴う「課題」と「メリット」について紹介します。


【偏食に伴う課題】

一番は、食べられる食品を見つけるのが困難なことです。

他の人から提供された食事を食べる時に、食べられるものを見つけることが難しいと、調査結果に記されています。

「外食や友人宅では、食べものの『選択肢』が少ない」。

また、複数の学生が 旅行中の食事について、同じ文脈で語っています。「韓国に行ったとき、食べるものを見つけることが信じられないほど困難だった」。

「食べ物を避ける、叉は 食事をしない。」「特定の食品を避けるように努力する、叉は 食事を食べないように努力している」と語っています。


「以前は 友達と外食していたが、好き嫌いのせいで、食事で過ごす場面の半分は水を飲むだけだった」。また、「一緒に食べる人との付き合いの困難だ」という人もいます。


好き嫌いの激しい大学生の一部は、食品以外にも食事にまつわる『不快感』や『気苦労』を報告しています。

「私が食品を避けたり食事を摂らない為に、両親は非常に不満を感じているだろう」。「ガールフレンドの家族と一緒に食事をするとき、彼らのコメントへの応対に苦しむことがある」。


調査結果によると、一部の大学生は、食事の計画を入念に立てる必要を感じています。「家族や友人の家で食事をする時は、食べたいものがあるかどうか分からないので、"おやつ"を持っていく必要がある」。「別の食事を頼む必要があったり、レストランを選ぶのに苦労したり、食事を注文するのに過度の時間を費やしたりする」。


偏食に伴う無視できない"デメリット"として、「何も食べられない懇親会に出席しなければならないとき、人々の評価が気になる」といった心理的負担や、数名ではあるが、嫌いな食べ物を食べることに関連する「生理学的課題」、例えば『嚥下(えんか)困難』、『吐き気』を生ずるなどの回答も得ています。



【偏食に伴うメリット】

一方、好き嫌いのあることに伴う"メリット"もあります。

最も一般的に言及された"メリット"は、食品の『選択肢』の範囲が限られているため、食品 叉は レストランを簡単に選択できることなのです。「好き嫌いが多いが為に、嫌悪感を感じることは殆どない」。


回答者の4分の1は、偏食に伴う制限の為により健康的な食事の選択が可能になったと述べています。好き嫌いの強いことは、摂取する食品の『量と質』の双方に影響を与えているとの回答も多くありました。

一部の大学生は、好き嫌いする為に『食中毒』を避けられると語っています。家族や友人が汚染された食品や不適切に調理された食品を食べて病気になったが、自身は何もなかったとの回答が複数みられました。

とくに外食時に出費が減るという"メリット"も、複数の大学生が挙げています。「初めてレッドロブスターに行ったとき、選択できる食べ物は安い食べ物だった」など…。


報告書では、以上の「定量的」・「定性的」分析に基づき、「好き嫌いのある大学生は、そうでない大学生に比べて『社会不安障害』のレベルが高く、QOLの低下にも関連していた」とまとめています。そして「大学生活に順応するのが困難な学生に対する支援に際しては、偏食の評価も必要」と述べています。また、「社会不安障害」のレベルが高い場合は、単に味覚や食感の好みによる偏食ではなく、「メンタルヘルス」上の問題に起因する摂食障害である回避制限性摂食障害とオーバーラップする可能性もあることに触れ、今後も研究が必要なテーマであるとしています。


しかし このアメリカの研究報告書は、一つの「贅沢病」のような気もします。アフリカでは 今も「飢餓」で食べれない人たちも 大勢いるのに…。

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