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  • 株式会社コンカン

【代表の人物像&体験談!】「ジョハリの窓とは?」~副題:自己の深堀りは、他者との「対話」で磨かれる!~

今日は、concan代表の私が「自己理解を深めるためのツールである『ジョハリの窓』」について紹介します。


ビジネスを進める上では、人間関係やコミュニケーションを円滑にすることが重要です。そのためにも自分自身を開示すると伴に、他者の意見にも しっかりと耳を傾け、自己を成長させていくことが求められます。


「自己分析」・「自己開発」に役立つツールは、世の中にたくさんありますが、その代表格である「ジョハリの窓」というものがあります。多くの企業の研修にも活用されています。

そこで 今回は、この「ジョハリの窓」について、深堀りしたいと思います。



■1.【ジョハリの窓とは?】

「ジョハリの窓」(Johari Window)とは、自己分析をおこなう際に使用する『心理学モデル』のひとつです。

「自分から見た自分」と「他人から見た自分」の情報を切り分けて分析することで、『自己理解』をおこなうものです。


1955年にアメリカの心理学者「ジョセフ・ルフト」と「ハリ・インガム」が『対人関係における気づきのグラフモデル』を発表しました。これが後に、この2人の名前を組み合わせた「ジョハリの窓」と呼ばれるようになりました。


ジョハリの窓は、「自分をどのように公開するのか?」あるいは「自分をどのように隠すのか?」という、他者とのコミュニケーションの円滑化において 重要な考え方に基づき、提案されました。自分自身をどれだけ表現しているか、を知ることで客観的に見た自分の姿を理解できるのです。

「ジョハリの窓」によって『強固な信頼関係』がつくられます。


「ジョハリの窓」を理解することで、チーム内の信頼関係をより強固にできます。

例えば、自分では恥ずかしいと思っていることを勇気を振り絞って相手に話すとします。すると、思いのほか共感されたり 同情されたりするといった経験は、誰しも一回はあるはずです。相手の"弱み"を知ると、自分の"弱み"もさらけ出したくなります。


「今まで隠していた自分」がオープンになったことで相手との距離が近くなり、信頼関係がいっそう強くなるのです。

社内のチームワークや人間関係においても同じことがいえます。「ジョハリの窓」への理解が、更なるチームワークの向上へと繋がるのです。



■2.【ジョハリの"4つ"の窓!】

ジョハリの窓は、自分の特性や自己理解において「4つの窓」に分類されます。それぞれの特徴は、以下のとおりです。


◆1.「開放の窓!」

英語で、『open self』と訳される「開放の窓」。

自分も他人も知っている自己のことです。『相手から〇〇と思われているかも知れない』という他人からの目、『自分にはこんな一面があるかも知れない』という自分の主観が一致している状態です。「開放の窓」が大きくなることで、相手に対する親近感や信頼感が高まり、コミュニケーションは円滑化します。


◆2.「秘密の窓」

英語で、『hidden self』と訳される「秘密の窓」。

自分だけが知っていて、他人にはまだ知られていない自己のことです。分かり易い例として『トラウマ』や『コンプレックス』が挙げられます。「秘密の窓」は小さいほど良いとされ、「秘密の窓」が大きいということは『隠し事が多い』ともいえるため、中々 相手に打ち明けて 話せません。「秘密の窓」を小さくして『在りのままの自分』を見せることで、「開放の窓」が大きくなり、コミュニケーションが円滑になります。


◆3.「盲点の窓」

英語で、『blind self』と訳される「盲点の窓」。

他人は知っているが、自分では気づいていない自己のことです。分かり易い例として『思わぬ長所』や『思わぬ指摘』などが挙げられます。ときどき「盲点だった…」という"言葉"を使うように、相手に言われてはじめて気づくケースが多いです。


気づかないうちに相手を不快にさせていることもあるため、窓をできるだけ小さくしておくのが吉です。しかし、「盲点の窓」は『自分で気づいていないと小さくできない』という欠点があるため、人に聞いて 自分の盲点を探すことが大切です。


◆4.「未知の窓」

英語で、『unknown self』と訳される「未知の窓」。

文字どおり、自分と他人も知らない、誰からもまだ知られていない自己のことです。「盲点の窓」と「秘密の窓」を小さくして、「開放の窓」を大きくすると、「未知の窓」に気づけます。『まだ知らない自分』に気づくことで、自己成長のチャンスが訪れます。



■3.【企業でのコーチングやマネジメントへの活かし方!】

「ジョハリの窓」は、コーチングやマネジメントにも役立ちます。しかし、「実際に社内で活かすにはどうすればいいのか?…?」、具体的なジョハリの窓の活かし方には、以下のようなものがあります。


◆1.「チームの親密性を高めるために『自己開示』を積極的におこなう!」

〇「もっとチームが仲良くなれば…」

〇「もっとお互いに意見が言えれば、より良い商品やサービスがつくれるはずなのに…」

と頭を抱える方も少なくないと思います。チームの親密性を高めるためには、何よりも「自己開示」をおこなうことが重要です。ジョハリの窓で表すなら「秘密の窓を小さくする」ことになります。


「秘密の窓」が大きい人は、言いたいことが言えなかったり、思い込みで話を進めてしまうため、相手との「認識のズレ」が広がり易くなるのです。


<自己開示を積極的におこなう方法>

メンバーの自己開示を積極的にするためには、以下の"2つ"を意識してもらう必要があります。


●「5W1Hを意識したコミュニケーション」

まずは「5W1Hを意識したコミュニケーション」です。

*5W1Hとは、「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰と(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どうやって(How)」のこと。


会話の中で、この"6つ"を伝えることで、「自己開示」の情報量を増やせます。


●「自分への感情質問」

次に「自分への感情質問」です。これは自分の感情を相手に伝えるためのテクニックで、自分に対して「楽しかったことは?」「凄かったのは?」といった質問をすることで、感じたことを具体的に伝えられます。


◆2.「人間関係を円滑にするために『他人から評価される環境』をつくる」

組織のマネジメントにおいて、人間関係はとても重要です。その人間関係を円滑にするためには「他人から評価される環境」をつくることが有効です。ジョハリの窓でいうと「盲点の窓を小さくする」ということになります。


「盲点の窓」が大きい人は、知らぬ間に相手を傷つけていたり、不快感を与えたりしてしまいます。そこで「自分が他人からどう見られているのか?」を明確にすることで、チームとしての一体感が生まれるのです。


◆3.「新しい自分に気づくために『チャレンジができる環境』をつくる」

メンバーの自主性や問題解決能力を高めるために用いられるコーチングです。その効果を発揮するためには「気づき」が欠かせません。新しい自分に気づくためには「チャレンジできる環境づくり」が重要です。


ジョハリの窓でいうと「未知の窓を大きくする」ということになります。自分も他人も、誰にも分からない自己は、「新しいこと」への挑戦で明確になるケースも多いのです。

メンバーが新規事業に関わり易い工夫をしたり、他の業務に携われる機会を増やしたりと、チャレンジし易い環境をつくることが必要です。



■4.【ジョハリの窓のやり方!】

「ジョハリの窓」を行うためには、第3者からの「自分に関する情報」が必要です。そこで、第3者には 自分をよく知る人物の協力が必要です。お互いに相手をよく知っている『5~10人程度』が最適です。


これまで 知られていなかった自己を開示したり、他者に関して知らなかった内面を知るため、信頼できるメンバーで行うのが重要です。「ジョハリの窓」のやり方は、大きく以下の"3つ"に分けられます。


◆1.「相手に対して感じていることを自由に記述する方法」

◆2.「性格、能力などの要素を複数項目決めておき、相手に該当すると思うものを選択する方法」

◆3.「既存のシートやWEBサイト、アプリなどを利用する方法」


上述した方法のうち、1と3の方法は 特に難しい手順などはありません。WEBサイトやアプリなどを利用する場合は、指示に従うだけで「ジョハリの窓」を完成させられます。

そこで 以下では、2の方法で「ジョハリの窓」を作成する際の手順を説明します。


まずは、紙面を"4つ"の格子状に区切った紙を準備し、手元に置きます。

*4つのスペースは、それぞれ「開放の窓」、「盲点の窓」、「秘密の窓」、「未知の窓」にあたります。


続いて、「性格」や「能力」などに関する"要素"(前向きで明るい、判断力がある、忍耐強いなど)の項目(10~50個のリスト)を、必要な種類、個数準備し、各参加者に 参加人数分配布します。


自分 および 他の参加者に関して、「性格」や「能力」などに関して 当てはまる項目に『〇』を付けていき、『〇』を付け終わったら該当の参加者に渡します。自分の手元に、自分が『〇』を付けた用紙 および 他の参加者が『〇』を付けた用紙が集まったら、集計を行います。


集計では、「開放の窓」、「盲点の窓」、「秘密の窓」、「未知の窓」それぞれに、以下の要素を当てはめていきます。


<ジョハリの窓の集計>

「自分が〇を付けた項目」⇔「自分が〇を付けていない項目」

●「他人が〇を付けた項目」⇒「開放の窓」⇔「盲点の窓」

●「他人が〇を付けていない項目」⇒「秘密の窓」⇔「未知の窓」


各参加者の集計が終わったら全員で結果を見せ合います。

なお、ジョハリの窓を行うにあたっては、「性格」や「能力」などに関する"要素"にネガティブなものや、人間性を否定するようなものは用いないことが重要です。


*「性格」に関して「暗い」ではなく「明るい」を用いるようにするなど。


また、こういった分析が苦手な人もいますし、コンプレックスに触れられることで多大なストレスを感じる人もいます。

そのため、参加したくない人を強制的に参加させようとするのも好ましくありません。


※「ジョハリの窓」を利用すると、「自身が認識している自分」と「他人が認識している自分」を把握できます。

両者の差を把握すれば、自身に対する新たな気づきが得られるので「自己分析」に効果的です。

分析結果を基に「自己開示」を進めていき、「開放の窓」の領域を広げるための心がけが重要です。




◎と言うことで…

「ジョハリの窓とは?」と題して書いてきましたが、ここで 自己の深堀りは、他者との「対話」で磨かれるという話を紹介します。


まずは、「会話」と「対話」の違いからです。

「会話」は、2人あるいは少人数で、友好的にお互いに話を進めることで、たわいのない日常の中でのやりと取りも含まれます。


一方、「対話」は「会話」のなかの一つで、2人がお互いに向かい合って 話すことで、関係性を築くためのコ ミュニケーションのことです。


人は、「対話」を通して、モノ事の「意味づけ」を行なっています。 相手の背後にある価値観や世界観、相手が置かれた文脈を共有していくことで、相手のことが 本当に理解できるようになるということです。


ただ、「対話」によって理解が深まるのは他者のことだけではありません。他者への理解を深めるのと同時に、自分自身についての理解も深めることができます。


「対話」から得られる効果は、「対話」の中で自己の理解を語り、他者の理解と対比することで、自分自身の考え方や立場を振り返ることができる点です。

「対話」は自己内省の機会にもなります。人々は「対話」を通して 他者を理解するのと同時に、自己理解を進めているのです。 「対話」には、「他者を理解することで、自己理解が深まる」ことと、「自己を理解することで、他者理解が深まる」ことの相乗効果があります。


「他者理解と自己理解の相乗効果」の起点となるのは、「お互いの差異を認識し、それを理解につなげる」というのがポイントです。これには「安心・安全」の担保が不可欠なのです。

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