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  • 株式会社コンカン

【代表の人物像&体験談!】「経験を"成長"に繋げる『7・2・1の法則』とは?」~副題:部下が自然に動くようになる 「仕事の割り振り方」「仕事の任せ方」!~

今日は、concan代表の私が「人が経験から学び、成長する法則」について紹介します。





まず 最初に、「7・2・1の法則」の概念を紹介します。

「7・2・1の法則」とは、人が成長するために「何から、どのくらいの割合で学びを得るのか」を示した法則です。

人は、7割を「仕事上の経験」、2割を「上司や先輩からの助言やフィードバック」、残りの1割を「研修などのトレーニング」から学ぶと言われています。

そこで 今回は、この法則を基に、部下の"経験"を成長に繋がるための「仕事の任せ方」の"コツ"について紹介します。


では、本題に入る前に、そもそも「成長するとは 何か?を"定義"します。

「成長」とは、GlOBIS 知見録によると、「得た知識や技術、経験によって自信と信頼を持つことです。」それらが、他者に認められた時、成長したと強く実感することが出来ます。

成長とは、新たなステージへ進むための武器であり、挑戦する心を忘れないことです。


大切なのは、一人ひとりが 自分なりの"言葉"で定義することです。具体的には、各々がこれまでの仕事の中で「いちばん成長できた経験」を挙げ、他者と共有します。そして、そうした自他の様々な「経験エピソード」を踏まえた上で、「成長すること」の"本質"は何かを抽出し言語化します。そうすると、それぞれが「ああ、結局 成長するとは、大本は そういうことか」「多様な機会が成長に通じている」「どんな業務にも自分が成長できる芽は隠れている」という"気づき"が起こります。


一人ひとりが「成長」についての"本質"を自分の"言葉"で、自らの"脳"に植え付けることで、日々の苦しかったり、つまらなかったりする「仕事」の中にも、自分を成長させてくれる『要素』が何かしら発見できるという意識が生まれます。

■1【「成長」の"定義"の例】(20代の若手社会人)

●「成長とは、限界の幅が広がり、他に認められること」

●「成長は、自分に負荷を掛けて、それを乗り切った時に起きる」

●「成長とは、努力している時に、後から自然についてくるもの」

●「成長とは、物事を見る際の観点が増えること」

●「成長とは、受動から能動になること」

●「成長とは、継続して能力の"筋トレ"をすること」

●「成長とは、出来なかった事が自然と出来るようになること」

●「成長とは、自分に対する対価が増えること」

●「成長とは、自分の存在意義を実感すること」

●「成長とは、経験を積み重ねること」

●「成長とは、自分の中の多様性を増やすこと」

●「成長とは、昨日できなかったことが、今日できるようになること」

●「成長とは、課題を解決する力が大きくなること」

●「成長とは、振り返りながら 全力で走ること」


これらの"言葉"は、いずれも具体的な「成長経験」から引き出されたものです。重要な点は、「抽象」と「具体」の"2つ"の次元を往復して振り返ることで"納得感"のある力強い答えを導き出すことが出来ます。抽象だけの「思考」は脆弱になり、具体だけの「見聞」で終わっては広く応用展開が出来ません。「抽象」と「具体」の両輪で考えることが大切です。


■2【激変の今、更に学びの"質"を高める「7・2・1の法則」とは?】

「人は、何から学びを得るのでしょうか」という問いに対して、例えば「優秀な人から学ぶ、本から学ぶ、失敗から学ぶ...」など、回答は人様々です。経営コンサルタントである「マイケル・ロンバルドとロバート・アイチンガー」の研究によると、ビジネスに於いて 人は、「7割を仕事上の経験から学び」、「2割を先輩・上司からの助言やフィードバックから学び」、「残りの1割を研修などのトレーニングから学ぶ」と言われています。これは「7・2・1の法則」とも呼ばれ、企業に於いける研修などでもよく引用されています。

経験を積むと『自信』がつき、出来ることが どんどん増えていくので、「仕事上の経験が学びの7割を占めている」ことは、各々 合致する所だと思います。


一方で、「人の成長は7割が経験から」と言われると、「先輩からのアドバイスや研修は重要じゃないのか?」と思ってしまうかも知れませんが、そうではありません。学びにとっての一番の資源である「経験」に、人との関わりや研修による"気づき"などが加わることで、「経験」の"質"が高まり、個人の能力開発に繋がっていくのです。


部下の"成長"は「経験」「助言」「トレーニング」の三位一体で、前述したように、「経験」「助言」「トレーニング」という それぞれの『要素』は、「7・2・1」という割合の差こそありますが、どの『要素』が一番 大切かという観点ではありません。全ての『要素』が相互に作用し合うからこそ、社員の成長が促されます。「経験」だけでも、「助言」だけでも、「研修や読書」だけでも上手く成長を促すことは出来ません。


では、それぞれの『要素』を取り入れる為に、具体的にどのような取り組みを行うとよいのでしょうか。ここでは「7・2・1の法則」を、人材育成の一般的な手法である「OJT」「Off-JT」「自己啓発」の取り組みに当てはめながら紹介します。


まずは「OJT」です。「OJT」は、「部下・後輩の成長の為に、日常業務を通じて意図的・計画的・継続的に行う指導」と定義されています。「OJT」の基本的な流れは、以下4つのプロセスです。


◆1.「業務の量と質を選定する」

◆2.「業務の指示・依頼をする」

◆3.「業務遂行を支援する」

◆4.「内省を支援する」

上記から考えると、「7・2・1の法則」の「7」の部分である「仕事上の経験」と、「2」の部分である「上司や先輩からの助言やフィードバック」は、「業務の指示・依頼をする」「業務遂行を支援する」のプロセスから得ることが出来ます。


続いて「Off-JT」「自己啓発」です。この取り組みは、「7・2・1の法則」の残りの「1」の部分である「研修などのトレーニング」です。このように、様々な手法を組み合わせると、全ての『要素』をバランスよく取り入れることが出来るように、育成の取り組みを設計していくことが重要です。


■3【優れたリーダーが実践すべき 「仕事の割り振り方」「仕事の任せ方」!】

仕事上の「経験」が学びの7割を占めていることから、「経験」させて学ばせることが人材育成の"肝"であり、部下の成長に繋がることは間違いありません。 ここでは、実際に部下に「仕事」を経験させるに当たっての、「仕事の割り振り方」「仕事の任せ方」について紹介します。

◆1.「仕事の割り振り方」

誰しも「ついつい、仕事を回すことを優先して、スキルを既に持ち合わせている者や、経験者に仕事を割り振ってしまう...」こんな経験はあると思います。これは、短期的に成果を上げるという"視点"ではプラスかも知れませんが、経験者ばかりに仕事を割り振ると、「出来る人だけがより出来るようになり、出来ない人は出来きないまま」という状況をより加速させることになります。だからと言って、やみくもに「経験」の場を与えるのも非効率です。


では、「仕事」を割り振る際には、どのようなポイントを押さえおくとよいのでしょうか。


「仕事」を割り振る側のリーダーにとって重要なのは、「適切な人に適切な『仕事』を割り振ること」です。それを実現する為には、目指すべき"人材像"を設定し、それに向けた一人ひとりの課題を理解した上で、課題を克服する為にどのような知識・スキルを身に付けて欲しいのかを把握することが不可欠です。そして、その知識・スキルを身に付けて貰う為に、誰に どんな「仕事」を割り振るかを組み立てることが重要です。


また、「仕事」を割り振る前に、その「仕事」に対する対象者の理解度を確認することが重要です。対象者のレベルを把握し、適切に「仕事」を割り振ることが出来れば、大きな成長に繋がります。メンバーの状況を見て、時には敢えてハードルの高い「仕事」を"経験"させることも効果的です。


◆2.「仕事の任せ方」

また、割り振った「仕事」を任せる際の「任せ方」「任せる際の伝え方」も重要な『要素』です。"やらされ感"がある「仕事」と、"自らやる"と決めた「仕事」では、取り組み方に大きな違いが出てきます。


「仕事」を任せる際には、「何故 あなたに任せたいのか」「この『仕事』をすることのメリットは何か」といった説明を事前に行い、その「仕事」に対する意味・意義付けが重になります。更にに「仕事」を進める上で、つまずくであろうポイントを予め伝えます。そして、再び 意味・意義付けを行います。つまずくであろうポイントが部下に きちんと伝わると、その分だけ部下は「仕事」の難しい面を気にするようになります。そこで、もう一度 意味・意義を伝え直し、"視点"を上げるのです。端的に表すと、「難しい『仕事』ではあるが、それだけ やりがいもあるんだ」と伝えるイメージです。このような「任せ方」を通じて、部下は割り振られた「仕事」に対して"自らやる"と決める"感覚"が醸成されていきます。


この適切な「仕事」の任せ方を実践しているリーダーの下で働く部下は成長が早いという調査結果も出ています。どのような「仕事」をどのように任せるか、「仕事」の割り振り方と「仕事」の任せ方で、部下の学びへの意欲と成長スピードは大きく変わってくるのです。


■4【7割の経験が部下を成長させる!】

「7・2・1の法則」では、「仕事上の経験」「上司や先輩からの助言やフィードバック」「研修などのトレーニング」を三位一体で考えることが重要であることを紹介しましたが、「仕事上の経験」の部分が大きな割合を占めています。『OJT』と『Off-JT』、『自己啓発』をどう組み合わせるかをしっかり考えつつも、部下が思うように育ってくれないと思ったら、経験のさせ方、つまり「仕事の割り振り方」「仕事の任せ方」に一工夫を加えることが大切です。


まとめると、「7・2・1の法則」は、人材育成に於いて役立つ『要素』を表す法則ですが、7割を表す「経験」のみを重視すればよいという訳ではありません。残りの3割である助言・研修による成長が阻害されてしまうだけではなく、「経験」の質・量を高める為にも、それぞれの『要素』をバランスよく人材育成に当てはめていくことが大切です。


◎と言うことで…

「経験を"成長"に繋げる『7・2・1の法則』とは?」と題して書いてきましたが、最後に、「成長する人と成長しない人のたった一つの違い、『問いを立てる力』の重要性」について紹介します。


日本の教育は長らく、問題を解く力が大切だという考えが支配的でした。人から与えられた問題、あるいは 既にある問題をいかに早く、正確に解くか。スピードと正確性に優れた人が『優秀』だと規定してきました。実際、経済が成長する局面では「課題解決能力」の高い人が活躍するのは理に適っていました。組織が成長する過程では、課題が次々に生まれてきます。それを遅滞なく、的確に解ける人は貴重であり、厚遇もされました。あらゆる組織に於いて、与えられた課題を解く能力の高い人が評価され、出世した時代であったように思います。


ところが、この20年で時代は大きく変わりました。

「少子高齢化」、「技術の進化」、「市場の成熟」といった様々な要因によって、これまでと同じように与えられた課題を解くだけでは、正解に辿り着けなくなってしまったのです。


例えば、自動車メーカー。従来なら「安全で燃費の良いクルマを出来るだけ効率的に大量に生産するにはどうすればいいのか」という明確な「問い」があり、社員が一丸となって、その答えを探すことが会社の"使命"でした。


ところが、今は状況がまるで違います。

気候変動をはじめとした「環境保護」の観点が重視され始めると、ガソリンに代わる燃料を模索せざるを得ず、水素なのか、電気なのか、そこには 明確な答えがまだ出ていません。

はたまた インターネットやAI(人工知能)といった情報技術の急速な発展に伴い、「コネクテッドカー」が注目を浴び始めると、テクノロジー系の会社が自動車製造に参入し始めてきました。これまでとは全く異なる次元の課題に向き合わざるを得なくなっています。


これらの「問い」には正解がありません。そして、そもそも解かれるべき問題は何なのかさえ、時代の変化のスピードと共に見極めることが難しくなってきています。唯一できるのは、次々と仮説を立てて試していくことだけです。「失敗」することもあるかも知れません。しかし、かつて 松下幸之助氏が言ったように、「成功する人は、あ諦めない人」なのだとすると、そして、諦めるまで自分を奮い立たせるものが「内なる問い」なのだとすれば――。やはり、「内なる問い」と「外向きの問い」が一致している必要があります。


同じことは、企業だけでなく 個人にも言えます。

「次はこれを解いて。その次はこれ」といった具合に、これまでの社会や組織では基本的に、問題は誰かから与えられることが前提でした。

しかし 今の時代は、社会や組織を率いている人でさえ、次にどのような問題を解けばいいのか分からなくなっています。右肩上がりの成長路線だった時代とは異なり、既往路線を踏襲した先には未来がないからです。年齢や経験を重ねていることが、時代の先を読む際に邪魔をすることもあります。

個人も「今、どんな問いを解くべきか」を考え、「どんな問いを解きたいか」を自らに「問い」、提案し行動する姿勢が求められています。


変化は早く、ドラスティックです。次にどんな問題を解くべきなのか、常に先を読んで動き続けなくてはならないのです。

だからこそ、自分で主体的に動き、自律的に「問い」を立てる力が、ますます大事になってきます。見方を変えれば、この力を養い個の力を鍛えれば、成長する機会は 次々と巡ってくるのです。


ソーシャル・ネットワークなどが発達する現代社会では、会社や組織といった既存の枠組みを超えて急速に個が有機的に繋がり始めています。組織から個人へのパワーシフトは進んでいきます。「問い」を立てる力を持つ個人と、そうでない人では、成長に大きな差が生まれていきます。だからこそ、「問い」を立てる力は これからの時代を生きるビジネスパーソンにとって、誰もが備えるべき必須の"素養"になると思います。


これからは、「生み出すのではなく、解き放つ」イメージです。

この「問い」に対して…

「私には、問いを立てる力などない」「自分がやりたいことが分からない」といった意見がありますが…。

「問い」とは、決して新しく生み出すものではありません。自分の中に既に存在するものです。

小学生や幼児のころを思い出すと、「何時間も熱中し続けていられるこが、あったと思います」

人間には誰しも、心の底から好きなものが存在します。しかし、中学、高校、大学と教育を受ける過程で、多くの人は 大好きなことを考える時間がなくなり、自分が好きだと思っていたことも忘れてしまいます。だから、各々が「それが 何だったかを思い出せばいいのです。

このワクワクやドキドキを忘れないことが大切なのです。誰しも本来、そのことを考え出せたら楽しくて仕方ないような好きなことが、あるいは 夜も眠れないほど憤りを感じる「社会課題」が、あるはずなのです。それをいかに思い出し、自分の力を解き放てるかが"鍵"になります。

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