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  • 株式会社コンカン

【代表の人物像&体験談!】「ストーリーブランド戦略とは?」~副題:ストーリーブランディングが注目されている理由!~


今日は、concan代表の私が「今、注目を集めてる『ストーリーブランド戦略』」について紹介します。


現代社会において、『企業』や『消費者』は SNSなどの情報発信のメディアを持つことで、『企業』は『消費者』とコミュニケーションがより円滑にできる時代となっています。


そのため、『企業』と『消費者』の接触回数を増やし、効果的にコミュニケーションを行えば、『企業』のファンになってもらえる可能性が高まっています。

このような背景もあり、ストーリーブランド戦略は以前より効果的な戦略となっています。『消費者』が主役となるストーリーを展開する中で、『企業』の商品やサービスがどのように登場・活躍するかがストーリーブランド戦略のポイントとなります。


■1.【ブランドとは?】

そもそも ブランドとは、「生活者 一人ひとりの心の中にある商品や企業へのイメージのこと」です。

もう少し詳しく定義すると、ブランドとは、「生活者から見た独自の役割を築き、感情移入が伴ったモノやサービスのこと」です。ブランドは、生活者が心の中に持っているものでしたが、恣意的(しんいてき)にブランドを生み出すという意味で「ブランディング」という"言葉"が生まれました。


ブランドは、以下"4つ"の側面から説明することができます。

●「機能的便益」:商品そのものの良さのこと。

●「情緒的便益」:そのブランドに対して感じてる心理的状態のこと。

●「自己表現便益」:そのブランドを身に着ける、所持することで、顧客が自己表現をできる価値のこと。

●「社会的便益」:ブランドが顧客をある社会的集団に所属させる力のこと。


この"4つ"の便益は、どれも大切ですが、ブランディングをする際には「機能的側面」よりも その他の便益の方が顧客の高いロイヤルティを引き出すことができます。

そのため、「情緒的便益」の方がブランドの差別化には利用されているのが現状です。



■2.【ストーリーブランディングとは?】

ストーリーブランディングとは、ブランディングの「情緒的便益」に働きかけるマーケティング手法です。「商品の機能性に着眼するのではなく、商品に情緒性(感情)を付加することで顧客の感情を揺さぶるブランディング手法のこと」をいいます。


ストーリーブランディングが注目されている理由には、以下"5点"が挙げられます。

●ものが溢れるようになった。

●すぐに買えるようになった。

●機能の差がなくなった。

●デジタルマーケティングの市場が成長しているから。

●SNSの普及。


このように今までのマーケティングが「コモディティ化」(類似)することで、新しいマーケティングの手法を検討する必要が出てきました。分かり易く 他社と差別化ができ、そして SNSとも親和性の高い「ストーリーブランディング」が注目され始めた理由として挙げられます。



■3.【ストーリーブランド戦略を構成する"7つ"+αの要素!】

ストーリーブランド戦略は、「物語」(シナリオ)を活用するブランド戦略のことですが、これを使いこなすためには ストーリーブランドの「フレームワーク」を理解しておくことが重要です。


『消費者』は、その人 自身の「物語」の中で、主役として生きると定義し、その「物語」の中で、自社の商品やサービスに魅力を感じたり、自社のファンになってもらうという考え方が、ストーリーブランド戦略の"特徴"です。


「1.主役」「2.問題を特定する」「3.案内人の登場」(導き手)「4.計画を提示する」「5.行動喚起」(行動促進)「6.リスクを明示する」(失敗)「7.成功を手にする」の7つと、「+α.ビフォー・アフターを作る」の"要素"をフレームワークとして、自社と消費者の関係を明確に示していきます。


◆1.「主役」

ストーリーブランド戦略で特に意識しておくべきことは、「主役」は自社や自社商品ではなく、『消費者』であるということです。


『消費者』が「主役」のストーリーの中で、自社の商品やサービスが魅力的に登場するという設定で組み立て行くことを念頭に置きます。


◆2.「問題を特定する」

ストーリーブランド戦略では、次に「主役」の『消費者』の課題である「悪役」と呼ばれるものを特定します。


その『消費者』はどうして課題を解決できないのかという「内的問題」を特定することが特に重要とされています。


<問題の種類>

ストーリーブランド戦略の問題には、「悪役」と「内的問題」に加えて 2種類の問題の特定が必要となります。


●まず、「内的問題」を誘発するものには、周りの環境や背景などの「外的問題」があります。また、『消費者』が「なぜ、それを課題だと思うか?」という「哲学的問題」といった点を、特定する必要もあります。


◆3.「案内人の登場」(導き手)

自社は『消費者』を「主役」として、その物語の「案内人」となるべく、登場することがストーリーブランド戦略には重要となってきます。


「案内人」と認識してもらうためには、『消費者』の課題に共感することが大切になるので、ウェブなどで共感の意識をしっかり発信することが必要です。


また、「案内人」が 何者なのかが明確でなければ信頼も得られません。プロフェッショナルであれば信頼も増します。そのために、しっかりと経歴やプロフィールを明示することも大切です。


◆4.「計画を提示する」

ストーリーブランド戦略で、自社が「案内人」となった後に必要なことがあります。


それは、自社の商品やサービスをもって、どのような「計画」で『消費者』の課題を解決するのかということを明確にしなければならないということです。


<計画の種類>

ストーリーブランド戦略における「計画」の提示には、「課題の計画」と「約束の計画」という2種類があります。


「課題の計画」とは、自社の商品やサービスを提供する手順を示すことで、「約束の計画」は、『消費者』の不安を軽減することを目指すことです。

例えば、自社の商品やサービスを通してどのような結果が出るのかといったことや、その結果が出なければ"全額返金"すると示すことなどです。「計画」を明確にすることで、『消費者』の信頼が得られます。


◆5.「行動を促す」(行動促進)

たとえ自社の商品が素晴らしいものでも、「行動」を促さない限り『消費者』は「行動」しません。


『消費者』が それを欲しいとしても、「行動」を促されなければ購買にまで辿り着かないというのがストーリーブランド戦略の考え方です。


<行動の種類>


ストーリーブランド戦略における「行動」の種類には、直接的な「行動計画」と「間接的な行動計画」があります。


「直接的な行動計画」とは、すぐに購買に進めるための仕組みで、例えば、いつまでに購入すると半額や送料無料となるものや、先着数名に限定プレゼントなどが挙げられます。

また、「間接的な行動計画」とは、何度も見込み客にアプローチして信頼関係をより強固にし、購買のハードルを下げることです。 例えば、メルマガやライン、ダイレクトメール、クーポンなどがあり、現代では SNS中心に実施されるものが多くあります。


◆6.「リスクを明示する」(失敗)

ストーリーブランド戦略のフレームワークの6項目が、自社の商品やサービスを利用しなければ、どのような「リスク」があるのかということを『消費者』に伝えることです。


これを示すことで、自社商品のサービスへの価値が高まっていきます。なぜなら、自身が「主役」の物語であれば、悲しい結末を避けようとするからです。


◆7.「成功を手にする」

自社の商品やサービスを購入することで、「主役」がどのように「成功」を手にしていくのかを、しっかり伝えていくことが必要です。


ストーリーブランド戦略では、自社の商品やサービスの価値を測定してもらおうとはしません。その代わりに、キャッチーな"言葉"にすることで見込み客に価値が伝わり易くなるため、興味を持ってもらえます。


◆+α.「ビフォー・アフターを作る」

ストーリーブランド戦略では、「主役」の「ビフォー・アフター」をあらかじめ自社で作っておき、理想像を明確することが必要です。

アフターである変化後に、「主役」はどんな風になりたいかという理想像をしっかり作ることで、「主役」の未来が明確になります。


一方で、ビフォーである変化前は、変化後の反対の状況を伝えることで、「主役」をどのように変化させていくかという自社のミッションが出来上がってきます。

また、自社のミッションを明確に自覚し、しっかり「主役」へ伝えていくことも重要です。


◎と言うことで…

「ストーリーブランド戦略とは?」と題して書いてきましたが、ここで おさらいとして ベストセラー「ストーリーブランド戦略」(著者:ドナルド・ミラー)の要約を紹介します。

この本では、「人々が買うのは、最高の商品ではなく、一番 わかりやすい商品だ!」と述べ、商品の売れるストーリーの作り方を、わかりやすく解説しています。


■1.【ストーリーブランド戦略の要約!】(まとめ)

●記憶に残りやすい「ストーリーの型」がある。

●ストーリーの力を使えば、芸術作品をヒットさせたり、商品を売り込んだりできる。

●人の記憶に残るストーリーの「7要素」は以下。

◇「1.主人公」→「2.問題」→「3.導き手」→「4.計画」→「5.行動促進」→「6.失敗」→「7.成功」



■2.【物語が持つ力の偉大さ!】

物語が持つ力を使えば、以下の効果が得られます。


<物語の力が持つ効果の例>

●映画がヒットする。

●商品が売れる。

●プレゼンに勝てる。


物語の力を利用できるのは、映画監督や小説家だけではありません。「情報を的確に伝えたい」というニーズを持つ全ての人が、物語の持つ力を利用することができ、利用すべきだと述べています。

読者のサービスを利用するメリットを顧客に理解してもらいたいときなどにも、物語は効果を発揮します。



■3.【物語に欠かせない7つの基本要素!】

たいていの物語は、次のように要約できます。


<7つの基本要素を含んだ物語の型>

●何らかの目的を持つ主人公が、それを達成する前に、問題に出くわす。

●主人公が絶望の淵に立たされた時、導き手が現れて、計画を授け、行動を促す。

●その行動により、主人公は失敗を回避して、成功に至る。

ほとんどの映画では、何らかの形で この構造が登場しています。


物語の7つの基本要素は、"音楽"のコードのようなものです。この要素を使って生み出すことができる物語は無限にあります。ギターを弾くとき、7つの和音でいくらでも曲を作れるのと同じです。 一方、そのコードから あまりにもかけ離れた曲は、"音楽"ではなく 雑音になってしまう危険性があります。


■4.【実例:映画『スターウォーズ』における7要素!】

映画「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる野望」で、主人公のルーク・スカイウォーカーは育ての親である叔父夫婦を帝国軍に殺されるという悲劇に見舞われます。これによって、物語が動き出します。


ルークがジェダイの騎士になるための旅が始まり、ルークが帝国の宇宙要塞であるデス・スターを破壊したことによって、反乱軍が生き延びて戦いを続けます。


導き手として登場するのは、かつて ルークの父の師匠だった元ジェダイの騎士、オビ=ワン・ケノービです。


<「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる野望」の7つの基本要素>

◆1.「主人公」:ルーク・スカイウォーカー。

◆2.「問題」:帝国軍を倒さねばならない。

◆3.「導き手」:オビ=ワン・ケノービ。

◆4.「計画」:フォースを信じる。

◆5.「行動促進」:帝国軍を倒す。

◆6.「失敗」:反乱軍が壊滅する。

◆7.「成功」:反乱軍は壊滅を免れる。



■5.【物語の力をセールスに利用するために!】

物語の力を「モノを売ること」に応用するにはどうすれば良いでしょうか?


物語の7つの構成要素が、それぞれセールスとどう結びつくかを考えてみましょう。


7つの要素をセールスに活かすならば、以下のようになります。


<物語の7つの基本要素をセールスへ応用する>

◆1.「主人公」:商品やサービスではなく消費者を主人公にする。

◆2.「問題」:消費者が求めているのは(外的問題ではなく)内的問題の解決策である。

◆3.「導き手」:消費者が求めているのは(もう1人の主人公ではなく)、導き手である。

◆4.「計画」:消費者が信頼するのは計画を提示する導き手である。

◆5.「行動促進」:行動を流されない限り、消費者は行動しない。

◆6.「失敗」:人間は悲しい結末を避けようとする。

◆7.「成功」:商品やサービスの価値を推測してもらおうとせず、必ず言葉にして伝える。


大切なのは、「消費者が考えていること」を十分に理解し、かつ「売り手は何をすべきなのか」を考えることです。


以下に、「消費者」と「売り手」の特徴をそれぞれを箇条書きにしています。


<消費者が考えていること>

●自分が主人公でいたい。

●違う自分になりたい。

●優れた導き手と出会いたい。

●信頼できる相手から商品を買いたい。


<売り手がやるべきこと>

●情報を整理して伝える(余計なことを言わない)。

●消費者を主人公にする(自分が主人公になろうとしない)。

●自分に導き手としての資格があることを示す。

●消費者に推察してもらおうとしない。



■6.【実例:Appleの強みとなっている3つの柱!】

ブランド戦略の"本質"は、何度も繰り返せる、簡潔で、「消費者」の関心を引く"メッセージ"を作り、商品やサービスを人々の意識に浸透させることです。

ブランド戦略の"本質"を理解し、成功している企業の例としてAppleがあります。


Appleが急成長を遂げるようになったのは、スティーブ・ジョブズが物語を通して 情報を選別するようになった後です。


一度 Appleを追い出されたジョブズは、ピクサーという物語作りの天才集団と共に働く 期間を通じて、物語こそ 全てだと考えるようになりました。

ピクサーの経営に携わったジョブズが Appleに戻ると、Appleは顧客中心主義になりました。


Appleが発するメッセージは、説得力のある簡潔なものになり、また 商品そのものにフォーカスしなくなりました。

「消費者は皆、それぞれが主人公であり、自分自身の物語から力を得ている」とジョブズが理解したためです。


Appleが打ち出したのは、次の3つの柱でした。

<Appleの強みとなっている3つの柱>

◆1.「消費者がどのようなイメージで見られたいのかを知る」

◆2.「消費者が自分自身の隠れた素質を引き出す目標を定義する」

◆3.「消費者が自らを表現するために使える道具を提供する」


大切なのは「消費者の物語におけるアップルの役割は 何であるか」を定めたことこそ、アップルの成長に欠かせない要因だったと言うことです。



■7.【恐怖や嫌悪が人を動かす!】

物語には人の感情を変化させ、行動を起こさせる力があります。数ある感情の中でも、「恐怖」「嫌悪」というネガティブな感情は、特に強く行動を促します。

ここでは、ネガティブな感情にまつわる重要な2つの研究結果について説明します。



■8.【プロスペクト理論!】

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは、1979年に購入に関する意思決定についての理論を発表しました。


「プロスペクト理論」と呼ばれるこの説によれば、人は利益を得る選択よりも、損失を回避する選択をする傾向があると述べています。


言い換えれば「10,000円を得る喜び」よりも「10,000円を失う苦しみ」の方が大きいということです。

つまり購入の意思決定において、損失回避は 潜在的利益よりも強い動機付けになるのです。



■9.【恐怖訴求の4段階!】

ドミニク・インファンテ、アンドリュー・ランサー、ディアナ・ウォマックは共著「ビルディング・コミニケーション・セオリー」において、恐怖訴求という 4段階の手順を提案しています。


<恐怖訴求の4段階>

◆1.第1段階では、脅威にさらされていることを読み手に知らせる必要がある。

例えば「全家屋の約30%には シロアリの痕跡が見つかります」


◆2.第2段階では、脅威にさらされている以上、行動を取るべきだと読み手に知らせる。

例えば「ご自宅をシロアリから守るための対策をとりましょう」


◆3.第3段階では、その危険から読み手を守る特定の行動喚起について知らせる。

例えば「当社ではシロアリ駆除を行っております」


◆4.第4段階では、行動をとるよう具体的に促す。

例えば「シロアリ駆除のお見積もりについて、今すぐお電話ください。」



※ということで、「ストーリーブランド戦略」は、人の心を響かせる戦略です。自社の商品やサービスを心に響かせることで、自社のファンになる可能性も高まります。

また、誰に何をどのように伝えるかが明確であれば、自社のメッセージはブレることなく『消費者』の心に響いていきます。

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