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【代表の人物像&体験談!】「マニュアルは必要だが『マニュアル人間』はいらない」

今日は、concan代表が思う「マニュアル」の重要性と、近年 日本で『マニュアル人間』が否定される"ワケ"を歴史的観点から深堀してみます。 ~副題:日本で「マニュアル人間」が否定されるワケとは?~






●まず、「マニュアル」の本来の意味から紹介します。

「マニュアル」とは、『ルール化・標準化された仕事の手順・方法や決まり事が、文書化・視覚化して纏められたモノ』で、その記載内容通りに業務を実行すれば、「仕事」に慣れていない未熟な人でも、その業務の目標に到達できるというものです。このことは、本来とても素晴らしいことです。

やるべきことを、『的確・忠実に実行できる』ことは、組織にとっても 個人にとっても満足できることだと思います。


しかし『マニュアル人間』と言われると、何故か その当人の能力が低いと多くの人は判断してしまいます。

所謂 『マニュアル人間』は、「マニュアルに書いてあることしか出来ない」「機転が利かない」「独創性がない」「人間味が感じられない」といった否定的な意味が含まれています。

この"言葉"が使われる時には、「マニュアル」の存在が"ダメなもの"であることが前提となっています。

要するに、世間一般では、「マニュアル」は、圧倒的に"ネガティブなイメージ"で認識されています。

今日は、この当たりを探ってみます。



●次に「マニュアル」が、いつ日本に入って来たか紹介します。

【スマイル0円が、日本の「マニュアル」のスタート!】 「マニュアル」という概念が、日本に入ってきたのは、ファストフードの"代表格"ともいえる「マクドナルド」からだと言われています。 1971年(昭和46年)、東京・銀座の三越1階に 日本第1号店をオープンした「マクドナルド」は、調理方法から接客に至るまで、手順やサービス内容を事細かに"定義"した「マニュアル」を持ち込みました。 「マクドナルド」のシステムが画期的だったのは、『食品でありながら、工業製品と同様の発想で、高品質と低コストを両立させた点』でした。「合理的な生産と消費」という、これまでにないシステムに出会った日本のサービス業界は、こぞって「マニュアル」によるスタッフ教育を取り入れるようになりました。「マクドナルド」は、ハンバーガーを日本の日常食にしただけでなく、『スマイル0円』という表示に象徴される、徹底した「マニュアル化」という"文化"も齎したのです。 「マニュアル」通りに動けば、誰でも一定レベルの仕事をこなす事ができます。経営者にとっては、人材育成がし易くなる上に、品質やサービスの均一化が図れるのです。従業員にとっても、作業の手順で迷ったり、悩むこともなく、短時間で仕事を覚えられます。 いつ、どこの店舗に行っても、同じ味のものを食べられて、同じサービスを受けられるという、消費者にとっての"メリット"もあるのです。 こうして 見ると、「マニュアル」が齎すものは、良い事ばかりのように思えますが、いつの間にか「マニュアル」には"マイナスイメージ"が付きまとい、まるで"悪者"のような扱いをされるようになってしまいました。 ファストフードやコンビニの接客態度のことを、よく「マニュアル対応」や「マニュアル的接客」と言ったりします。この"言葉"からは、「ただ、『いらっしゃいませ』を言えばいい訳じゃないだろう」「全然 心がこもってないよ」といったような店員の形式的な接客態度に不満を持った人たちの声が感じられます。 「マニュアル」に書かれているから、形だけ『いらっしゃいませ』や『ありがとうございます』と言っているように感じられるのです。お弁当を買った人には、温めが必要か、お箸を入れるか どうかを機械的に聞いています。 そこには、接客する人の『意思や感情』は、何も入っていません。マクドナルドの「マニュアル」で、「質の高い接客」の象徴のはずだった『スマイル0円』は、こんなマニュアル的接客が増えたせいで、今では「マニュアル化」のマイナス面を説明する際に、『ネタ的』に使われる"言葉"に成り下がってしまいました。 みなさん 最近 こんな経験ありませんか? スーパーで、買い物をして、レジで清算する時に、店員から「袋は入りますか?」と、よく聞かれたこと。 こちらは、荷物は、何もなく 手ぶらだったとしても聞かれます。 この時 思わず、心の中で、「いやいや、手ぶらなんですけど。見れば分かるでしょう?」という経験。 勿論 こちらは、「マイバック」を持っていないので、レジ袋は貰います。 しかし これは「マニュアル」の存在 そのものが悪い訳ではありません。働く人の『思考を停止させる』ような「マニュアル」の内容が悪いのです。あるいは、その企業や組織の「マニュアル」の使い方が下手なだけだと思います。 そして、残念なことに、世の中の多くの企業や経営者、そして それを使う側の従業員が「マニュアル」に"負のイメージ"を抱いていて、「マニュアル」の価値をチープなものにしてしまっています。 因みに、「マニュアル」導入の先駆者である「マクドナルド」は、人材育成に 非常に力を注いでいます。社内に「ハンバーガー大学」という教育部門を設け、社員は そこで『マネジメントスキル』や『リーダーシップ、コミュニケーション』などを学んでいます。その充実した「カリキュラム」によって、仕事面だけでなく、人間的な面でも成長できるシステムが整っています。 マクドナルドの「マニュアル」は、『ただ ハンバーガーを売る為のもの』ではなく、同社の そうした「企業姿勢」も盛り込まれた重要な『接客ツール』だと言われています。 ●ここで、「マニュアル」の歴史について触れて於きます。 【「マニュアル」は、いつから"悪者"になったのか?】 昔から、国や地域、時代ごとに、『行動規範や規則、何んらかの説明書き』など、「マニュアル」的な要素のものは有ったと思いますが、現代に通じる「マニュアル」の基礎ができたのは、今から約140年前、19世紀末のアメリカでした。「経営学の元祖」といわれる『フレデリック・ウィンズロー・テイラー』が提唱した『科学的管理法』が、「マニュアル」の"原点"と言われています。 この『科学的管理法』を導入した工場の生産性は、グンと向上し、生産現場に近代化を齎しました。一方で、厳格に仕事を管理するやり方だった為、現場の労働者から反発を買い、「人間の個性や心理といった人間性を軽視している」とか、「人間を機械と 同一視している」という批判の声も数多く上がったそうです。やがて、「人権侵害に繋がる問題」として、大きな反対運動にまで発展しています。 今で言うところの『マニュアル人間化』の否定です。言ってみれば、「マニュアル」の原型は、誕生した時から 既に偏見を持たれ、否定され、"悪者"扱いされる『宿命』にあったわけです。そして、日本に「マニュアル」が入ってくると、そこに「お家文化」や「ご近所文化」、「鎖国意識」といった、保守的な秘匿文化ともいえる『日本特有の要素』が、掛け合わさって、「マニュアル」に対する"ネガティブ"なイメージが、余計に深くなってしまったのだそうです。 ◎と言うことで… 日本で「マニュアル人間」が否定されるワケについて書いてきましたが、本来、「マニュアル」は"悪者"ではありません。 そもそも「仕事が遅い」と言われてしまう人の殆どは、「能力がなくて仕事が遅い」訳ではなく、どうしていいか分からずに悩んだり、迷ったり、上手くいかずに やり直したりすることで、結果として仕事が遅くなっているだけなのです。 そこで、「悩む」「迷う」「やり直す」という『仕事』の生産性を邪魔する"三要素"をなくし、「探究する」「新しい発想を生み出す」「創意工夫をする」といった、頭の中の空き容量で行うことの為に、時間を増やすのが、本来の「マニュアル」の役割なのです。

私自身 かって 大手広告代理店の役員から「ミスター マニュアル」と言われていましたので、「マニュアル」の重要性は充分 理解しています。本来「マニュアル」は、「マニュアル」に使われるのでなく、使う方に回るべきなのです。



●最後に、今後求められる『人材』について書いて終わります。上記で「マニュアル」の理想について書いてきましたが、現実は 少し違っています。 1990年代初頭までの、所謂 高度経済成長期、バブル経済などと言われた時代は、機械産業を中心とした工業化社会でした。その工業化社会の中にあって、私たちは、「マニュアル」によって機械の使い方などを覚えることが重要とされてきました。そして、その「マニュアル」などを正しく実践することによって、モノやサービスを生み出し、価値を提供してきました。 そういった時代背景の中で、『人への教育、訓練』などに於いては、いち早く「マニュアル」を理解し、記憶するかといった能力を育成していくことが重要視されていたと思います。 そういった工業化社会では、何の疑問を持たない人であったり、言われたことを一生懸命に、他の人よりも早く、正確に実行する能力を持った人であったり、そういった人が、最も望まれた人材像だったように思います。 このような時代背景、環境の中にあっては、物事を記憶すること、そして、その記憶したことを間違いなく実行することを中心とした「本人に考えさせない教育」と言えるような『人材育成』が、長い間 続いてきたように思います。 しかし 現代の情報化社会、グローバル社会、サービス化社会などと言われる『社会環境』の中では、「自分は『マニュアル』通りに忠実に動く機械ではない」と考え、実行、実践する人が求められています。 例えば、お客と接客する際には、その企業、組織として大事にしている『理念、価値観』などを盛り込んだ「マニュアル」が必須となっています。 ただ、「マニュアル」に則って杓子定規に実行したからといって、目の前のお客が満足、感動するかと言えば、そうではないからです。 今後は、「マニュアル」などに従うだけではなく、「マニュアル」を創ることが出来る『人材』、つまり 全体を把握して「マニュアル」を前提としながら、目の前の人が喜ぶこと、役に立つようなことを、自ら考え、行動、実践し、「マニュアル」などをレベルアップすることが出来るような『臨機応変に動ける人材』を育成していくことが、企業や組織に求められています。長くなりましたが以上です。

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