今日は、concan代表の私が「コーチング」について、深堀りします。
今、ビジネス界で注目されている「コーチング」。
特に、"意思決定"の機会が多い経営者やマネージャー職の人は、「コーチング」を活用することで どのような効果を見込めるのか関心が高いと思います。
そこで 今回は、「コーチング」の"意義"と、なぜ"今"必要とされているのかを紹介します。
近年、「副業解禁」や「リモートワーク推奨」によって働き方の自由化が進んでいます。「働き方改革」が進み、自由に成れば成るほど、選択肢は増えていく中で、"意思決定"の機会も増えています。どのように働き、どのように生きていくのか。
このような「自分だけが答えを持っている問い」に向き合うのは難しいことです。自分一人で考えて納得のいく"決断"をするのは、とても難易度が高く、迷ってしまう人も多いと思います。
そこで、"今"注目されているのが「コーチング」です。
コーチと話すことで、自らの『思考』を整理し、自分で考えきれていなかった"盲点"を指摘して貰うことで、更に考えを深めていけます。対話を通して、「自分と向き合い」、「腹落ちした状態」で"決断"を下すことが出来るのが、「コーチング」の効果なのです。特に最近では、"意思決定"の機会が多い経営者や事業責任者の間で、「コーチング」を受ける人が増えています。理想なのは、人が 何か大きな"意思決定"をする際には「コーチング」を受けて"内省"してから決断し、行動を起こすことで納得感が得られます。また、自身のメンテナンスの「場」としても有効です。
コーチは、人の存在を100%認めてくれます。
人の話を"全身全霊"で受け止めてくれるので、安心して話せる存在です。その結果、コーチとの対話の中で"内省"を深めていくことができ、より納得度が高い選択ができます。
これが、アドバイザーやコンサルだと、そのアドバイスが 正しいと"頭"では理解できても、中々 納得感が低いことがあると思います。こんなときこそ、「コーチング」によって多面的に事象を捉えながら"内省"を深めた上で、自分自身で"意思決定"していくことが重要です。納得感は、モノ事を進めるための"熱量"になります。逆に、正しくても納得感がなければ、足が止まってしまうこともあります。一つひとつの"決断"を、より納得度の高いものにするために、「コーチング」が必要とされているのです。
しかし、"意思決定"のタイミングだけで活用すればいい訳ではありません。「コーチング」は、自分の中で『迷い』や『悩み』が生まれた時に受ければいいものと思われるかも知れませんが、本来は 一回きりで終わるようなものではありません。
継続して受けていくものなのです。
「コーチング」の本来の目的は、「理想の自分」(目標達成)に近づく、到達するためのものです。定期的な「コーチング」によって、自分が目指している、取り組んでいることの"意義"を見失わずに、納得感を持って進んでいくための調整をするような機会てもあるのです。
こうした「ライフプラン」や「キャリアプラン」の自由度が高まる"今"の時代こそ、"内省"する力が必要です。
いわゆる「生き方」の選択肢が増えた時代だからこそ、「コーチング」が必要なのです。
もう少し、「コーチング」について深堀りします。
■1【コーチングとは?】
そもそも、「コーチング」とは 何なのか、「コーチング」とは、相手との"対話"(問い)を通して 『その人、自身の中にある"気持ち"や"潜在的な能力"』を信じ、その能力に気づかせ、成長していく、目標を達成していく過程を支援する人材開発の一つです。
教師と生徒のような上下関係で、教えることによって成長を促すのではなく、横の対等なパートナーシップの関係で、飽くまで『その人、自身が持つ考えや視点』に気づかせることで、"自発的な成長"を導いていくことが"特徴"です。
対象者の「自己実現」や「目標達成」を促すために有効な方法だと言われています。
「コーチング」のメリットとしては…
●「能動的な行動や、内発的動機が育まれる」
●「自ら考え行動していく力が得られる」
●「自分自身で選択することによって高いモチベーションが保たれる」
●「モノ事を多様な視点から捉えた思考ができるようになる」
■2【コーチングとティーチングの違い!】
これまでの"人材開発"といえば、「ティーチング」が一般的でした。「ティーチング」とは、『教える』ことですが、知識や経験の豊富な人材が教えることを通して 知識の習得を図り、成長を促します。
「ティーチング」は、学習プロセスが明確で 速く大勢の人に 提供できる反面、やり取りが 一方通行になり易く『自主性』や『自分で考える力』が育ち難いというデメリットがあります。このようなことから、「コーチング」と「ティーチング」は、適切に使い分けを行うことが大切になります。
◆「コーチングが有効なケース」
●「対象者にある程度の能力がある場合」
*「コーチング」を行う対象者に、一定以上の能力やスキルが備わっていると「コーチング」の効果は高まります。
例えば、全く営業の経験や知識がない人に対して、売り上げ拡大に向けて どのような取り組みをすればよいのかと問い掛けても、その人から考えを引き出すことは難しいと言えます。
しかし、ある程度の経験を持った人であれば、課題や対応策を考える土台があるため、能動的に引き出していく方法は有効的です。
●「緊急性は低いが重要度が高い内容を考える場合」
*「コーチング」は、これからのキャリアを どのように築いていきたいのか、どのようなチームマネジメントを行いたいのかなど、今後の大きな展望について考えていく時に実施すると効果的です。
重要なことである反面、緊急性が低いので普段は後回しにされてしまいがちですが、優先度は高い内容です。
このようなじっくりと時間を掛けて深く思慮する必要がある場合には、「コーチング」は役立ちます。
◆「ティーチングが有効なケース」
●「対象者のスキルや能力がまだ乏しい場合」
*具体的なスキルや知識を伝えたい場合は、「ティーチング」が効果的です。新卒や業務未経験など、キャリアの初期段階では、「ティーチング」によって教えることで 基礎的な力を身に付けて貰うという選択肢も有効だと言えます。
●「緊急性の高いタスクを担当している場合」
*「コーチング」は、気づきを与えながら 考えを引き出していく手法のため、一般的には 時間が長く掛かります。
そのため、緊急性の高い障害対応やクレーム対応などを担当している人に対しては、時間を掛けて「コーチング」をするのは避けるべきです。
緊急度が高いタスクについては、どのように対処すればいいのかなど、具体的な方法を教えることで、心理的な負荷も少なく、直ぐにタスクに取り組むことができます。
次に、「コーチャブル」について紹介します。
■3【コーチャブルとは?】
「コーチャブル」とは、コーチを受け入れる状態にある人のことを指します。
英語で「コーチャブル」(Coachable)と書きますが、コーチすることを意味する「Coach」と、〇〇可能なを意味する「able」が組み合わさった"言葉"です。
人によっては、コーチされることに"嫌悪感"を示したり、反発することもあります。こういった人たちは、コーチの"言葉"に耳を貸しません。
一方、「コーチャブル」な人たちは、自身の能力を最大限に引き出し、目標を達成したいと考えます。このため、自分のことを伸ばしてくれるコーチの"言葉"に聞き入り それを受け入れます。コーチとは、自分(対象者)が 成れると思っている人物に成れるように、聞きたくないことを聞かせ、見たくないものを見せてくれる人です。「コーチャブル」な人は、その"提言"を受け入れられる人なのです。
◎と言うことで…
「コーチング」は、対話を通じて対象者の成長を促しながら「自己実現」や「目標達成」を支援する手法です。
一方的に教える「ティーチング」とは異なり、双方向のコミュニケーションであることが"特徴的"です。対象者の"自主性"や"やる気"を引き出し、対象者自ら成長していくサイクルが生まれます。
対象者の状況や与えられた仕事内容によって、上手に「コーチング」と「ティーチング」を使い分けて対応していくことが人材開発を行う上で 最も重要になります。
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