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concanトピックス特別編【何故 電通 "鬼十則"は、時代から見放されたのか?】~副題:"鬼十則"の表現が問題ではない、視点が問題なのだ!~

今日は 特別編として、広告業界に多大な影響を与えた「電通 "鬼十則"の本質」について書いてみます。

私は、広告・事業プロデュース業界 30年間の殆どの仕事を、大手広告代理店の「電通さん」として来ました。 制作会社出身の私は、業界の基礎を社内よりも、仕事を通して「電通さん」から学びました。かなり成長させて頂きました。 本当に感謝してますし、たくさんの思い出もあります。 所謂「I Love dentsu」という奴です。


仕事的には、福岡→海外→大阪→東京→福岡と、殆どの仕事を「電通さん」の黒子に徹し、あらゆるプロジェクトに参加しました。企画して、決まったプロジェクトの基本計画、実施計画から、本番に向けた推進、本番で使うマニュアルの制作、そして本番と、一貫して行って来ました。最後は、事業プロデュース会社に転職しましたので、競合になる事もありましたが…

様々な仕事の精神支柱が「鬼十則」だったと思います。 表現的に過激な部分もありますが、電通の社員さんは 基本 皆さん「紳士」でした。

世界の電通と言われて久しいですが、この電通さんの基礎を創られた四代目社長 吉田秀雄氏が、1951年(S.26)に書かれた「電通 鬼十則」は、電通マンの「行動規範」として広く知られています。

ーーー 【吉田秀雄】 1903.11.9~1963.1.27 福岡県北九州市(小倉)出身

では、まず「鬼十則」の中身から紹介します。 【電通鬼十則!】 ■一、仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。 ■二、仕事とは、先手々と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。 ■三、大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。 ■四、難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。 ■五、取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは…。 ■六、周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。 ■七、計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。 ■八、自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらない。 ■九、頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。 ■十、摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。 ーーー ●次に、ここから本題に入ります。 電通さんは、就職先として 依然 人気の大企業ですが、2016年末の「新入社員の過労自殺事件」で批判の対象になり、やり玉に挙げられたのが"企業体質"を象徴する「鬼十則」でした。

しかし この「鬼十則」は、古い価値観だから"ダメだ"と言われた訳ではありません。 では、何が"ダメ"なのか、結論から言うと… ●企業トップの「自己実現欲求」を叶える為のハウツーになっているから問題なのです。 その違いにこそ、新時代の再編を生き抜くヒントがあります。

総合商社と同様に、学生の就職先として人気を集める業界ナンバーワンの「電通さん」は、1960年代後半から70年代に掛けて、人気企業トップ10を飾るようになってからは、総合商社同様にランキングの常連でした。 そんな「電通さん」も、2016年末の新入社員の過労自殺事件を受け、労働基準法違反により起訴され、2017年に有罪判決を下されました。 その過程で、常態的になっていた「長時間労働」に加え、「企業体質」も批判の対象となりました。

その企業体質の槍玉に挙げられたのが「鬼十則」です。 「鬼十則」は、電通の「中興の祖」と呼ばれた第4代社長・吉田秀雄氏が1951年に作った電通社員の「行動規範」とも言うべきもので、事件当時、電通さんの社員手帳「Dennote」にも記載されていました。 *電通は、2016年12月9日、従業員の行動規範とされてきた「鬼十則」について、2017年度から従業員向け手帳への掲載を止める事を発表しました。 *電通:有休取得50%以上目標に『鬼十則』に別れを告げました。

電通「鬼十則」は、電通社員としての仕事への取り組み姿勢として「自ら創るべきで、与えられるべきでない」「周囲を引きずり回せ」などと説いたものですが、中には「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは…」と過激な表現の項目もあり、このような表現は 時代錯誤であり、過重労働を是とする社風に繋がっていると批判に晒されました。

当然、これを擁護する論調も極めて多くありました。 例えば、「これは表現が、今の時代には過激なだけであり、ここで唱えていることは普遍的な価値意識であり、ビジネスで“勝つ”為には、重要な金言であり、優れた理念である」というような論調でありました。 ここで「鬼十則」に書かれた一語一句の是非については書きません。

私には、少なくとも そこには、長時間労働の賛美や、プライベート軽視の姿勢は見えません。ビジネスで勝っていく為の姿勢としては、普遍的な内容のように感じます。

しかし、それでも私は「鬼十則」は、時代から見放されたと思っています。 それは「共感」が求めらる時代に… 「私は、何故 ここに存在するのか?」を突き詰めていません。 何故ならば そこには、社会に対して、あるいは顧客に対して、どのような「価値」を創り、「提供」していくのかが、全く示されいません。 「鬼十則」は、いかに自分たちが「勝っていくか」しか述べられていないのです。

これは広告代理店の地位を高めたい、そして、その広告業界の中で、圧倒的な業績を出して「電通」の地位を盤石のものとしたい、という企業トップが「自己実現欲求」を達成する為に、社員に求める行動「手段」=何をどのようにするか? 所謂「HOW」や「WHAT」を提示したものに過ぎないからです。 これは、古い価値観だから「時代から見放された」と言っている訳ではありません。

これは単なるハウツーでしかないから問題なのです。 しかも、企業トップの「自己実現欲求」を叶える為に、社員を動かす「HOW」や「WHAT」を金科玉条にしたことが問題なのです。

現在 広告代理店は、かつての商社不要論と同様に、その存在価値を問われる時代になりました。 既に広告主は、GoogleやFacebookといった「プラットフォーマー」との直接取引が可能となっていて、その間の「川中」に立っている広告代理店が提供できる価値は、もはや不明確になって来ました。

世の中に、自社の価値は何なのか?それを自ら考え、答えを提示できる「広告代理店」は、果たしてどれくらい存在するでしょうか? これは、広告業界に限った話ではありませんが。 自社が提供できる価値は 何か? 過去の企業トップが指し示した「HOW」や「WHAT」にしがみつくのではなく、自らの存在価値について、自ら考え、答えを提示できない企業は、今の時代 もはや消え去る運命にあるのかも知れません。 *しかし「I Love dentsu」としては、電通さんには頑張って貰いたいと思っています。

ーーー ◎と言うことで… 今の時代、電通「鬼十則」が通用しないのは、中身の文言というより、取り組み方や視点・目線にあります。 自らの存在価値とは 何か?というのは、別の言い方をすれば 「私は、何故 ここに存在するのか?」ということです。つまり、「WHY」を突き詰めることです。 優れた企業トップや組織に共通する思考や行動様式があります。 それが、ゴールデンサークルの中心から… ●「WHY/なぜ」→「HOW/どうやって」→「WHAT/何を」の順で思考・行動することです。 それが成功に繋がっていると言われています。 *米国のマーケティングコンサルタント「サイモン・シネック」が2009年に著した『Start with Why: How Great Leaders Inspire Everyone to Take Action』に詳しく記載されています。

ーーー 一方、一般の人たちは… ●「WHY/なぜ」について考えることはなく、ほとんどが「WHAT/何を」するかだけに留まり、良くても「HOW/どうやって」までしか考えられていないと言われています。

そして、この「WHY/なぜ」とは「信念」や「価値意識」と同義であり、組織で言えば、文字通り「その組織が存在する理由」と言うことです。 まずは、「HOW」や「WHAT」だけの金科玉条を捨て去って、企業が存在する理由は、何なのか? 自分自身が存在する理由は何なのか?「WHY」を自らに投げかけることが、これからの時代 重要になります。

いかに「WHY」に対する答えを見極め、企業や個人の「存在価値」を見定め、定義した「存在価値」のもと、組織を動かし、自己を高めていくかが問われています。

ーーー ◎最後に… 上記の考え方は、「企業(組織)や個(社員)のアイデンティティ」=「存在価値」を創ること同じです。 企業は、取り組む事業を通して、企業が目指す不変的な想い、成し遂げるゴール 所謂 「企業の存在価値」を明確にする事が求められています。 これが C.I.=Corporate Idetity(コーポレート アイデンティテイ)です。このC.I.は「企業のあるべき姿」と「進むべき道」を明確に言語化し、社内外に浸透させることです。

しかし、個(社員)で見ると… 現在 多くの日本人は、「組織人」としての立場を優先して生きています。 その結果、「自分は、何ができるのか? 何のために、どう生きたいのか? 何故ここにいるのか?」など、自分を見失い将来に大きな不安を抱えたビジネスパーソンが増えてしまいました。 「人生100年時代」の到来は、自ら考え、自らの足で歩み続ける「生涯ビジネスパーソン」の活躍すべき時代です。 その為には 皆が、自ら自分自身を見つめ直し自らの"存在価値"を見出す「個人のアイデンティティ」を確立させることが不可欠です。これは、企業も、街づくりも同様です。

こんな時代背景と、時代の変化に合わせ、時代が必要としているモノ事の「根幹」=「よりどころ」を言語化する会社がconcanなのです。

【個のアイデンティティ/生き方論】 「生き方論」…H.I.(Human Identity)を確立させること。 自己分析を徹底的におこない、自分を見つめ直した上で、自己のアイデンティティを見つけること。 *「H.I.の確立=個人として何を成し遂げるのか」 ●どんな人間になるのか? ●どんな仕事の仕方をするのか? ●何を持って幸せとするのか? これからの時代 この「個のアイデンティティ」を確立させることが、全ての人に求められます。

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