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  • 株式会社コンカン

若手社員の成長期!】第113回:「『ABC理論』とは?!」~自己肯定感を下げてしまう、不合理な信念の正体とは?!~

みなさんは、自分が幸せだと感じていますか? また 幸せな人と、そうで無い人の違いは、何だと思いますか? 実は、このことについて、"論理療法"として研究した人がいます。この「理論」は、今では キャリアを考える現場でも使われていて、自分をより良い方向に導く為の"土台"となる「理論」として広く知れ渡っています。今日はこの「理論」について、深掘りしていこうと思います。




そもそも…

①【何故、調べようと思ったのか?】

●「解釈の仕方次第で、成長度合いが変わることを実感!」

~解釈の違いは、成長の度合いに比例する?!~

*同じ出来事が起きても、その出来事をポジティブに受け止める人と、ネガティブに受け取ってしまう人がいます。「この解釈の差は、一体

何なのだろうかと?」という疑問を持ったのが、今回 調べてみようと思った理由です。勿論 そこには、生まれつきの性格もあると思いますが、解釈の仕方は後天的にも変えることが出来ます。何故なら、私自身が 以前と比べて、どんな事もポジティブに受け止めるようになったと実感しているからです。そして このことが出来ると、「人生」の歯車がやっと噛み合ったように、一気に成長のスピードが加速し始めたように感じます。一方 一度 ネガティブな考えになってしまうと、自分だけでなく 周りの人にも影響を及ぼし、近づき難い人間としての"負のスパイラル"に陥ってしまいます。そこで 今日は、人間の「自己肯定感」の"土台"となる解釈の差に潜む、「メカニズム」をしっかり理解し、言語化することで、今後の「仕事」に活かしていこうと思います。


ーーー

では…

②【今記事の、内容(要点)!】

■1.「ABC理論」とは?

●「"信念"を変えるだけで、モノの見え方が異なる!」

~"出来事"では無く、"信念"が感情を揺さぶる!~

*「ABC理論」を、一言でいうと、「『信念』によって、直面した出来事の解釈が変化する」という行動療法の考え方です。「ABC理論」という名前の由来は、「Activating(出来事)」「Belief(信念)」「Consequence(結果)」の頭文字から来ています。人は「A⇒B⇒C」 の順番で出来事を処理していて、 同じ「A : 出来事」 が起こっても 「B:信念」 の違いで 「C: 結果」が変わることを示しています。「A:出来事』」とは、生活環境や人間関係などで起きる客観的な「状況・出来事」のことです。

「B:信念」とは、「思い込み・決めつけ・先入観・偏見・固定観念・価値観・解釈」といった、無意識で起こる主観的な"捉え方"のことです。「C:結果」とは、捉え方によって現れる 「感情・思考・行動」といった"反応"のことです。つまり「ABC理論」によると、人は出来事によって感情が揺さぶられるのではなく、出来事をどのように捉えるか、つまり「B:信念」によって感情が揺さぶられるということです。これは学業、仕事、スポーツ、人間関係の全てに活用できる考え方として広く認知されています。


■2.「ABC理論」の研究者と、"論理療法"について!

●「論理療法としても使われている『ABC理論』!」

~信念は、"体"の健康にまで影響を及ぼす?!~

*「ABC理論」は、アメリカの臨床心理学者「アルバート・エリス氏」によって1955年に創始され、ここから「論理療法」というものが当たり前になりました。そして、これを"土台"に「認知心理学」なども、学問として広まっていきます。例えば 精神疾患を患った人には、以前は薬などを利用して回復させるのが常識でした。しかし 今では、考え方を変えることによって、人間の内側から病気を回復させていくことも当たり前の療法となりました。

「ABC理論」を考案した「エリス氏」は、「B: 信念 」 には、以下の"2種類"あると考えました。

◆2種類の信念

〇1.「不合理な信念」 (irrational Belief : イラショナル・ビリーフ)

〇2.「合理的な信念」 (rational Belief : ラショナル・ビリーフ)

「不合理な信念」 とは、「目標達成を妨げる考え方」「事実に基づかない考え方」「論理的ではない考え方」「柔軟性のない断定的な考え方」のことで、この「不合理な信念」が辛い感情を生み出し、 うつ病や不安、無力感の原因になると考えられています。もし ネガティブな感情や思考に支配されるなら、「『不合理な信念』を 『合理的な信念』に変容させることで状況を克服できる」としたのが論理療法の考え方です。



■3.ABC理論の具体例について!

●「とある電車の中での出来事で考えてみる!」

~あなたは、こんな時 どのように捉えますか?!~

*例えば、自分の容姿にコンプレックスを持っているとします。ある日 電車に乗ると、見知らぬ人があなたを見て笑うという出来事がありました。

すると あなたは、「私の容姿を笑ったんだ・・・」と思い、惨めな感情が湧き起こりました。この一連の出来事を「ABC理論」に置き換えると、以下のようになります。

【A: 出来事】 見知らぬ人が私を見て笑った⇒【B : 捉え方】 私の容姿を笑ったに違いない⇒【C: 反応】笑われて惨めだ「自分の容姿を笑われたくない」 という無意識の目標を持っていて、 「私の容姿を笑ったに違いない」という 「B:捉え方」をしたからこそ、「笑われて惨めだ」 といった反応が現れたということです。「私の容姿を笑ったに違いない」という捉え方は、目標達成を妨げる憶測に過ぎず、断定的な思い込みです。このような捉え方が、辛い感情を生み出す 「不合理な信念」ということです。

実は 「ABC理論」が提唱される以前は、 起きた 「A : 出来事」は、そのまま 「C: 結果」に繋がると考えられていました。先ほどの例で言えば、「見知らぬ人が私を見て笑った」だから 「笑われて惨めだ」

というイメージです。その為「ABC理論」が創始される前は、 もしも 「笑われて惨めだ」 という 「C:反応」 が嫌なら、「見知らぬ人が私を見て笑った」という「A:出来事」 を回避することが必要だと考えられていたのです。しかし 当然、このような解決策は根本的な問題解決ではありません。何故なら、生活環境や行動、生き方が制限されてしまうからです。



■4.偏ったものの見方を変えるには?

●「過去を振り返り、思考の癖を言語化すること!」

~あなたの思考の癖は、過去の経験から出来ている!~

*「B: 捉え方」を生み出す原因になるものは、主に以下の"3つ"と言われています。

〇1.「育ってきた環境で培われたもの(社会・親・友達などの影響)」

〇2.「強い印象を受けた出来事の影響」

〇3.「自分でも気づかない表層下の思考」。

そのうち、「〇3.自分でも気づかない表層下の思考」は意識下にあるものなので、中々 見える化することが出来ませんが、「〇1.育ってきた環境で培われたもの(社会・親・友達などの影響)」「〇2.強い印象を受けた出来事の影響」に関しては、自分の感情が生み出された要因を整理することで、ある程度特定することが出来ると分かっています。そして この対処方法は、実は「過去を振り返ること」以外に無いとも言われています。自分の思考の癖を言語化し、その思考の癖は、過去のどの体験が原因となっているのかを一つずつ確認していくという事です。地味な作業ですが、未来を大きく変える大事な作業なのです。「ABC理論」に於いては、「B:信念」は、育つ環境などからも影響を受け、「15歳くらい」までに完成すると言われています。そして 社会に出てからも、周囲の人々の考えや社会的な常識と呼ばれる考えは、常に私たちの中に入ってきます。その結果 周りの人や社会に認めて貰えるように、その考えに従って無意識に行動するようになります。

因みに 思考の癖については、以下の10個のチェックリストと照らし合わせて、確認することもできます。しかし これは、自分の過去を客観的に振り返るための材料にしか過ぎません。

〇1.「白黒思考」

*良いか悪いかの2択。つまり グレーゾーンを嫌う「完璧主義」。曖昧な部分があるのが気持ち悪く、1から10までしっかりと整っていることが快感。


〇2.「マイナス思考」

*全てを悪い方向に捉えてしまう思考。つまり「ネガティブ思考」。上手くいっても偶然で自分の結果ではないと思う一方で、失敗すると「やっぱり」と思ってしまう思考。


〇3.「べき思考」

*自分の基準が全てだと思い込んでしまう思考。「~すべき」「~しなければならない」という思考が癖付いている。「こうあるべき」「こうしなければならない」と、物事に自分の価値をビタっと当てはめてしまい、その価値が違うものを悪とする思考。


〇4.「レッテル貼り思考」

*自分や他人にレッテルを貼ってしまう思考。つまり「私は〇〇な人間だから」「あの人とは〇〇だから」と、レッテルを貼り柔軟な思考ができない状態。


〇5.「他人→自分へ思考」

*自分には関係のないことに責任を感じ、課題の分離が出来ていない。他人が怒られたことを自分が怒られたかのようにと捉えてしまい、何故か悪気を感じる思考状態。


〇6.「過度な一般化思考」

*たった1つの物事で全てを判断する思考。1つの事で全てに当てはまると捉えてしまう思考状態。


〇7.「心の闇のフィルター思考」

*全体を見ずに、今ある現実を暗く捉える思考。実際は、そこまで暗くないのに、闇が少しでも見えると現実を暗く見てしまう思考状態。


〇8.「拡大・縮小視思考」

*短所や失敗したことは大きくとらえ、長所や成功したことは小さく見てしまう思考。自分自身への自信の無さからくる思考状態。


〇9.「結論飛躍思考」

*十分な根拠も無いのに、飛躍して結論を出してしまう思考。特に悲観的な結論を導きやすいのが特徴。


〇10.「感情的理由づけ思考」

*感情が全ての基準になっている思考。今がどういう状態かで、"判断"や"言っていること"が変わってしまう思考状態。



ーーー

◎と言うことで…

③【私なりの考え!】

●「『出来事』よりも『捉え方』を変えることが、幸福への近道!」

~人はモノ事を見たいように見ている!~

*私たちは、常に思い込みに支配されてしまいがちだと思います。しかし これらは決して客観的事実でなく、勘違い、誤解、勝手な解釈が殆どだということです。つまり 私たちは、「自分独自の色眼鏡で、見たいように見ている」ということです。後から 冷静に振り返ると、いかに思い込みやその場の感情で動かされているかに気づくことが出来ます。人生は何が起こるか誰も分かりません。そして これから何が起こるのかを正確に予想することも出来ません。しかし 起こった出来事に対して どのように対応するのか、認識するのかは私たちが選べます。結局は、起こった出来事に対してどのように捉えるのかで、「人生」の幸福度も変わってくるということです。また 同時に最も気を付けないといけないことは、自分が見ている世界を他の人も同じように見ていると決めつけてしまうことです。実は、そんな事は無く、モノの見え方は私たちの経験や価値観、その時の感情などによって左右されているという事だと思います。最近は、未来の予測が困難なVUCAの時代と言われる中で、幸福に関わる

様々な記事を見かけるようになりました。しかし どんな時代にであれ、「出来事」よりも「捉え方」を変えることが、幸福への近道ということには変わりないのだと思います。

長くなりましたが、以上です。

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