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  • 株式会社コンカン

【若手社員の成長期!】第112回:「名著『君たちはどう生きるか』から、人生を学ぼう!」~副題:この時代だからこそ、『自分の人生がどう在りたいのか』を考えてみよう!~

最近は時間があれば読書をするように意識しています。色々なジャンルの本を読んでいますが、意識していることの一つが、時代が変わろうとも今でも残り続ける「名著」を読んでみることです。何故なら その時々の時代に関係なく、生きる上で 不変的に大事なことが書かれているからです。その中で、今回読んだ本が、名著「君たちはどう生きるか」です。今日は 振り返りを含めて、記事にまとめてみます。



そもそも…

①【何故、読もうと思ったのか?】

●「歴史的名著から、不変の真理を学ぶ!」

~自分自身と向き合い、自分の生き方に置き換える!~

*「君たちはどう生きるか」は、1937年に出版された本です。元々 語りづがれてきた名著ですが、2018年に漫画版として再出版され、約260万部を突破する大ヒットとなりました。「池上 彰氏」、「宮崎 駿氏」、「糸井 重里氏」など、そうそうたるメンバーが絶賛したことでも、話題になりました。内容は タイトルの通り、若者に向けて人間の"真理"について書かれた本です。私も 20代後半になり、自分の人生の"テーマ"を決める時期に差し掛かっていると思います。そこで このような名著を通して、自分自身との向き合い方の"ヒント"を得るために、この本を読んでみることにしました。

(著者は「吉野 源三郎氏」。東京大学卒業後、岩波書店に入社後、雑誌「世界」の初代編集長を務め、「岩波少年文庫」の創設にも尽力。1981年、82歳で死去。)


ーーー

では…

②【今記事の、内容(要点)!】

■1.この本の著者について

●「著者は、昭和を代表する進歩的知識人『吉野 源三郎氏』!」

~今でも多くの人が支持する人気作家!~

*「吉野 源三郎氏」は、1899年 東京に生まれ、東京大学哲学科を卒業後、編集者、評論家、作家、翻訳家として戦争前後に活躍しました。戦後は、反戦への思いを熱く秘めた多くの作品を出版し、その作風は多くの支持を集めました。新潮社「日本少国民文庫」の編集主任を務め、同文庫の最終配本として1937年に『君たちはどう生きるか』を出版しました。その活躍から、昭和を代表する進歩的知識人とも言われました。また「岩波少年文庫」の創設にも尽力したことで有名です。1981年、82歳で死去。


■2.この本のあらすじについて!

●中学生の男子「コペルくん」と、親戚のニート「叔父さん」の2人で繰り広げられる、悩める若者へ送るストーリー!

~子供・大人関係なく、人生の大事なことが書かれている!~

*物語の舞台は1937年、約80年前の東京です。主な登場人物は、中学生の男子(主人公)の「コペルくん」と、親戚のニートの叔父さんの2人です。いじめ問題や親友との約束、貧しい家庭の友達との接し方といった、中学生らしい悩みに苦しむ「コペルくん」に、叔父さんがノートを通じてアドバイスをしていくストーリーです。

そのノートは、作品の中で 「計6回登場」し、このノートの内容が、著者が若者にも伝えたいことになります。その内容は…

〇1.「ものの見方」

〇2.「真実の経験」

〇3.「人間の結びつき」

〇4.「人間であるからには」

〇5.「偉大な人間とはどんな人か」

〇6.「人間の悩みと、過ちと、偉大さ」

どれも勉強になる内容でしたが、今回は 特に重要なポイントと言われてる「〇1. ものの見方」、 「〇5.偉大な人間とはどんな人か」、

「〇6.人間の悩みと、過ちと、偉大さ」の"3つ"に絞って書きます。


■3.ポイント「〇1. ものの見方」についての解説!

●「自分は世の中の一部でしかないという視点を持て!」

~人のために尽くすなら、自分中心の考え方を捨てることが第一歩だ!~

*「コペルくん」はある日、叔父さんと銀座のデパートの屋上に立っていました。東京の街を見下ろし、数えきれない人たちが色んな方向に歩いている様子を見て、ふと理科の授業で習った「すべての物質は細かい分子の集まり」ということを思い出します。「人間もまるで分子みたいだ」これを聞いた叔父さんは、「コペルくん」にノートを書きます。

その内容は、「俯瞰的に自分を捉えられたのは凄い。まるでコペルニクスみたいな視点の切り替えだ」と。コペルニクスは、ずっと地球を中心に宇宙が動いているという天動説が常識とされていた中で、宇宙全体を俯瞰的に捉えて、実は 宇宙の中で地球が動いていると地動説を唱えた学者として有名です。今でこそ 当たり前の説ですが、当時はキリスト教に反する危険思想として弾圧され、地動説に味方する人まで迫害されました。自分たちが住む場所が中心ではないという考えは、長い間 受け入れられなかったのです。このように人間は、すぐに自分が中心だと思ってしまう生き物なのです。そして 特に損得に関わることになると、自分都合の判断から離れて考えられなくなります。「見返りを求めず世のため、人のために尽くせる人間になるためには、まず 自分が中心という考え方を捨てることが第一歩」ということを、このノートでは教えてくれています。


■4.ポイント「〇5.偉大な人間とはどんな人か」についての解説!

●「立派そうな人間」でなく、経験から語れる「立派な人間」になろう!

~偉大な人間になるには経験を積むことだ!~

*「コペルくん」のクラスに浦川くんという貧しい家庭の友達がいました。浦川くんは、弁当がいつも油揚ばかりだったため、クラスメイトの山口に「アブラゲ」と呼ばれ馬鹿にされていました。更に いじめがエスカレートしたある日、ついに ガッチンという友達が猛抗議します。山口に殴り掛かったガッチンを見ていた他の友達も、追随して飛び出していったその時、「もうやめて!」と、イジメられていた浦川くんが喧嘩を止めるのです。

一連の騒動を見た「コペルくん」は、ガッチンと浦川くんの行動・勇気に衝撃を受けます。そして、その話を聞いた叔父さんからノートが届きました。その内容は、「立派な人ってどんな人かな?叔父さんが その定義を教えても、いくら本を読んでも分からないだろう。実際に体験してみないと本当の意味が分からない事が、世の中には沢山あるんだ」ということでした。例えば「水」が、"水素"と"酸素"からできていることを教えることはできても、汲んできた井戸の水の味、喉越し、飲んでどんな気持ちになるのかを人に教えることはできません。だから 実際に経験して、考えて、その時 感じた気持ちを味わって、それを忘れないでほしいという意味で書かれていました。

つまり、「学校で教わる世間で立派と思われる行いを、ただ 覚えるだけでは『立派そうな人』になるだけで、本当に深みのある人間『立派な人間』にはなれない」ということが、このノートからのメッセージです。


■5.ポイント「〇6.人間の悩みと、過ちと、偉大さ」についての解説!

●「周りに流されず、自分の心に従って行動しよう!」

~大事なことは、「自分がどうしたいのか」だ!~

*ある日、「コペルくん」はガッチンを裏切ってしまいます。ガッチンが悪い奴らにボコボコにされ、更に他の友達もみんなやられてしまいます。そして「コペルくん」は、そんな場面になったら「絶対に俺が守る」と約束していたにも関わらず、どうしても怖くて隠れてしまったのです。結果 今までの友達と疎遠になり、仲直りしたいけど、どうすればいいのか分からない状態になりました。

そんな悩みを抱えていた「コペルくん」にノートが届きます。その内容は、「友達が君のことをどう思うかなんて関係ない。余計なことを考えず、シンプルに君は今どうすべきだと思う?」と書かれていました。「コペルくん」は、自分でコントロールできない人の気持ちの事ばかり考えていたんです。そして、「コペルくん」は気が付きます。「絶交されようが、殴られようが、とにかく僕が今できることは謝ることしかない」と。大人になっても「どう思われているんだろう」と考えることはあります。しかし

そんなことは、全て相手の課題で、考えてもどうしようもないということです。大切なのは、「先ず 今、自分ができること、したいことは何かを考えることに集中すること。そして、自分の道を信じて行動すること」です。頭の中だけに閉じ込めているものに意味はありません。自分の道を信じて行動した結果、失敗することもあるかも知れません。

でも 結果がどうであったとしても、自分を信じて行動した自分を好きになれる、という想いが このノートには込められています。


ーーー

◎と言うことで…

③【私なりの考え!】

●「『自分の人生がどう在りたいのか』を、真剣に考えてみる!」

~社会の荒波に流されないようにする!~

*ここまで「君たちはどう生きるか」について書いてきました。この本の特徴は、「コペルくん」自身が悩みにぶつかり、そして考え、行動し、どうにか乗り越えていく過程を、読者も 一緒に自分ごととして考えてみることです。そして それを通じて、読者自身に気づきを与えてくれる本になっています。つまり この本には、決して 人生を豊かに生きる為の「答え」は書いてありません。あくまで ストーリーの中で、大事なポイントが出てくる程度です。つまり 我ながらこの本の1番のメッセージを考えてみると、「自分の人生がどう在りたいのか、自分で考えてみること」ということだと思います。

私も30歳近くなりますが、ここ10年間は色々な選択ができ、恵まれた時を過ごせたと感じています。裏を返すと、自分を持っていないと社会の荒波に流されやすい時代でもあります。その典型的なものが、ITの発達です。インターネットに繋ぐと、SNSで他人の成功や充実感が可視化され、自分自身への焦りや劣等感を感じ易く、ある意味 生き難い時代とも言えます。

今こそ、どの時代にも大切にされている普遍の内容が書かれた、この様な本に向き合い「自分の人生ってどう在りたいんだろう?」と、真剣に考えてみることから始めないといけません。長くなりましたが、以上です。

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