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  • 株式会社コンカン

【若手社員の成長期!】第102回:ネガティブなイメージで使われる『不安』とは、本当に悪いことなのか?」〜「不安」を味方にして、仕事に生かそう!〜

「皆さんは、普段の仕事に「不安」を抱くことは多いですか?」

当の私は、ビビりな性格もあり、よく「不安」になっています。今までに何度も「不安」な性格を改善したいと思っていたこともありますが、性格ということもあり、 変えることはできませんでした。しかし 最近はと言うと、「不安」な性格だからこそ、気づけたことも沢山あり、"ポジティブ"に捉えられています。一般的に「不安」と言うと、あまり良いイメージはありません。しかし そもそも、「不安」という心情は本当に悪いことなのでしょうか。今日は、この「不安」という心情について調べてみます。



そもそも… 【「不安」とは?】 「不安」とは… ●「日常生活の中で、漠然とした特定できない曖昧な脅威を察知した時に、自我の危機から訪れる不確定性と無力感を伴う心理的状態」のことです。 簡単に言うと「心配に思ったり、恐怖を感じたりすること」です。例えば 「明日の取引は成功するだろうか。」「明後日の試合で勝てるだろうか。」「スピーチをうまくできるだろうか。」などです。皆さんも何度も経験したことのある感情であり、世間一般的には、どちらかと言うと"ネガティブ"なイメージで使われることが殆どです。 ーーー では、ここから本題に入ります。 【「不安」は、本当に悪いことなのか?】 結論から言うと…

●「『不安』は決して悪いものではありません。」

最近の研究によって、学術的に「不安」にも様々な"メリット"があることが証明されています。例えば ポジティブな気分の時より、ネガティブな気分の時の方が、対人場面で用心深く相手の気持ちを配慮し、礼儀正しく 丁寧に接するため、対人関係が上手く行きやすいということも、心理学の実験で証明されています。

更には「不安」が相手の気持ちに対する"共感能力"と関係しているということも分かっています。つまり「不安」が強い人の方が、人の気持ちがよく分かるのです。このことは 感覚では理解できますが、最近になって、実験でも明らかになり始めました。例えば、アメリカの心理学者「チビ・エルハナニ氏」たちは、「対人不安」と「共感能力」の関係を調査する実験を行っています。「対人不安」とは、人に対して気を使い過ぎて、疲れてしまうような心理傾向のことです。その結果 「対人不安」の弱い人より 強い人の方が、他者の気持ちに対する共感性が高く、相手の表情からその内面を推測する能力も高いことが証明されています。「不安」が強いということは、用心深さに通じるのです。それが対人場面では、相手の心理状態に用心深く注意を払うといった心理傾向に繋がり、相手の気持ちがよく分かり、適切な対応が出来るのです。 それに対して、「不安」があまり無いと、用心深くならず、対人場面でも相手の心理状態に用心深く注意を払わずに接してしまい、相手の気持ちに関係なく、自分の都合で一方的に関わることになり易いです。例えば「不安」の強い人は、人に何か言うときも、「こんなことを言ったら、感じが悪いかもしれない」「こういう言い方をしたら、気分を害するかもしれない」「傷付けるようなことを言わないようにしなくては」「うっかりすると誤解されかねないから、言い方に気を付けないと」などと考え、言葉を慎重に選び、言い方にも気を使ってしまいます。 それに対して、あまり「不安」の無い人は、相手がどう受け止めるか、どんな気持ちになるか等を、あまり気にせずに、思うことをストレートにぶつけるなど、無神経な言動をしてしまう可能性が高いため、相手の気分を害したり、傷つけたりして、人間関係をこじらせてしまいがちとなります。実は「不安な方が、人と上手くいく」ということの背景には、このような心理メカニズムが働いているのです。 ーーー そもそも… 【「不安」が強いという日本人の特性!】 ここで、日本人の特性から調べてみます。 最近の研究では、人間の持つ心理的性質の多くに遺伝要因が強く関係していることが分かってきています。例えば、何かと"クヨクヨ"気に病みがちな神経症傾向には、遺伝要因が強く関係していることが、双生児を用いた行動遺伝学的研究により明らかにされています。 また 「不安」の度数を国単位で実験が行われたことがあります。その結果 なんと、日本人は 不安傾向の強さと関連するとみなされる「セロトニントランスポーター遺伝子」を持つ人が、非常に多いことも分かっています。反対に 日本人には、新奇性を求める傾向と関連するとされる「ドーパミン受容体遺伝子」を持つ人が、殆ど いないことも分かっています。こうして見ると、いつも自己肯定し楽観的 且つ 積極的に見える欧米人と違って、日本人は何かと「不安」になりがちですが、その背景には遺伝的な基礎土台があるとも言えるのです。 この結果、無理して「不安」が強く自己肯定感を持ちにくい自分を変えようとするのではなく、元々の素質を生かすことを考えた方が良いということも事実です。この様に、例えば 日本製品の信頼性の高さ、日本の電車の運行時間の正確さは、まさに「不安」が強いという特性によって成り立っているのです。世界のトレンドになっているポジティブ信仰に惑わされ、日本人が持つ「不安」を排除してしまうと、仕事が適当になり、手抜きが横行し、製品の質が低下してしまう恐れがあるとも言えるのです。 ーーー ◎と言うことで… ここまで見てみると、日本人の「不安」から来る、人に気を使う心理傾向が、日本という国に治安の良い社会を齎したとも言えます。今の自分を中々 肯定しづらい日本人は、自己肯定感を測定すると、不安がなく、楽観的で自分を押し出す文化を持つ国々の人たちと比べて、低くなるのも当然なのです。だが、そうした特性の長所を自覚し、自分を肯定しきれず、不安になりがちな特性を生かすことで、人間関係が良好になります。そして 仕事での失敗もしなくなっていけば、そこから 徐々に「自己肯定感」が高まっていくのです。「自己肯定感」というのは、自己暗示などの小手先のテクニックで高まるものではないということです。当たり前ですが、無理矢理高めた「自己肯定感」は すぐに無くなってしまいます。 つまり、大事な事は… ●「自己肯定感も大事だが、自信が持てず、不安がちな自分の特性を生かすこと」です。 そうしている内に、いつの間にか「自己肯定感」は適度に高まっていくのだと思います。それは「自己肯定感」のことなど忘れて、先ずは目の前の仕事や人間関係に没頭するということです。その際に、不安がちな自分を否定せず、そうした特性の良さを自覚し、そのことをを生かすように心がけることだと思います。 最後に… 【短期的に「不安」を解消する4つの方法!】 最後に、目の前の「不安」に対する、短期的な目線で適切な"4つ"の方法について書きます。 ■1.「あらゆる情報を遮断する!」 *人は、気分の良いときは物事の良い面が見えやすく、気分の悪いときには物事の悪い面が見えやすくなる心理現象「気分一致効果」に左右されています。つまり その時の気分や感情に見合った情報や事柄に目を向け易いということです。これは、情報を集めることによって「不安」を解決しようとすると、余計に不安が募る可能性があるということを意味しています。そんな状況を防ぐためには、情報を遮断するのが有効です。 ■2.「物事をフラットに見る!」 *「不安」な時は、物事を悪い方向へと考える癖があります。しかし 物事は悪い面と良い面の両方を併せ持つことをしっかりと理解し、良い面にも目を向けられるよう努力することが大切です。先入観なしに、意識的に物事をフラットに見ることで、悪い面ばかり考え込むことを防ぎ、同時により客観的な判断ができるようになります。 ■3.「まずは行動してみる!」 *「不安」な時は、深く考えてしまう傾向にあります。それ自体は良いことでも、考え過ぎて実際の行動に移すまでに、多くの時間を要することにもなりえます。そんな時は 考え過ぎる前に、先ずは 第1歩を踏み出し、行動してみるスタンスも時には必要です。何故なら、どんなに考えても、動いてみないと結果は分からないからです。 ■4.「コントロールできるものだけに集中する!」 *人はコントロールできないことに目を向けがちです。例えば、他人をコントロールできません。同じように過去もコントロールできません。このように考えると、自分がコントロールできるのは、「自分の、未来」だけなのです。 長くなりましたが、以上です。

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