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  • 株式会社コンカン

【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】「第64回:株式会社 ユーグレナ」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。「ミドリムシ」で日本初の挑戦を行っている『社会企業』です。

第64回は、「サステナビリティ・ファースト」で事業を推進する いい会社「株式会社 ユーグレナ」です。





【企業概要】

*「ユーグレナ」は、「微細藻類ユーグレナ」を活用した食品や化粧品の製造販売と、バイオ燃料の研究開発やソーシャルビジネスを行ってる会社です。「微細藻類ユーグレナ」とは、簡単に言うと「ミドリムシ」のことです。「微細藻類ユーグレナ」は、体長わずか0.05mmほどの"藻"の一種です。この「微細藻類ユーグレナ」の凄さは「植物」と「動物」の両方の性質を持っていることです。その為、植物と同じように光合成をしますし、光を求めて動物のように自由自在に動くこともできます。「微細藻類ユーグレナ」は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など、人間が生きていく為に必要な"59種類"もの栄養素を備えています。

「ユーグレナ」では、この「微細藻類ユーグレナ」を用いた食品を製造していますが、この事業に至った"きっかけ"は創業者の「出雲社長」が、東京大学時代にバングラデシュを訪れたことに始まります。バングラデシュは当時、世界最貧国の地とも言われ、「出雲社長」は貧困や栄養失調で苦しむ現地の人々を目の当たりにします。大学に戻って、このような世界の栄養失調問題を解決できるような素材を探したところ、見つけ出したのが「微細藻類ユーグレナ」でした。「微細藻類ユーグレナ」は、その豊富な栄養素から、食料問題解決の大きな可能性を持っていました。

しかし「微細藻類ユーグレナ」は、当時から世界中の研究者が研究をしていましたが、誰も大量培養に成功していませんでした。何故なら、非常に栄養素が豊富であるが故に、色々な ばい菌や細菌にすぐ食べられてしまうため、純粋に「微細藻類ユーグレナ」だけを大量に培養するのが非常に難しかったのです。そんな中、世界で初めて食用の「微細藻類ユーグレナ」の屋外大量培養に成功し、大量に供給できる"道"を切り拓きました。


しかし 創業から3年経った2008年、倒産の危機に立たされます。何故なら そもそも「微細藻類ユーグレナ」の凄さを誰からも理解して貰えなかったからです。当時「出雲社長」は出資者や提携先を探し、奔走していました。事業計画書を携え、企業を訪問するものの相手にされず、その数は なんと「500社」にも上ったそうです。大学生の時に「世界から栄養失調をなくす」という"志"を立て、一旦は三菱東京UFJ銀行に就職するも、わずか1年で退職し、「微細藻類ユーグレナ」で事業を成功させると"夢"に掛けてきました。しかし、その"夢"が潰えようとしていたのです。


そんな時に、転機が訪れます。「501社目」に訪問した「伊藤忠商事」から、出資と提携が決まったのです。

「伊藤忠商事」は、「まだ 取引先がないのは、自分たちにはチャンスだ」と言ってくれました。「出雲社長」は 資料を作る際、相手の性格や重視する点に合わせることを心がけているそうです。例えば、企画を審査する相手が数字にうるさい人であれば、数字を正確に説明することが求められます。その場合 エクセルで将来の売上、利益、経費などをシミュレーションし、データを中心に訴えていたそうです。一方、相手が情熱を大事にする人だったら、ビジュアルを中心とした資料で事業に掛ける熱意を見せていました。まさに、「伊藤忠商事」の取締役がそんなタイプだったのです。「伊藤忠商事」の取締役は、「ベンチャー企業の経営計画とか、そんな計数を見たってしょうがない。ベンチャー企業なんて 来年なくなっているほうが普通。それよりも、なんで『ミドリムシ』(微細藻類ユーグレナ)をやりたいのかを説明して欲しい」と言われたそうです。この時に、とにかく「微細藻類ユーグレナ」に掛ける情熱を語ったそうです。プレゼン後、「ぜひ一緒にやりましょう」と一言で、出資が決

まりました。

「伊藤忠商事」の出資決定後、取引先数は飛躍的に拡大し、今では 日立製作所、新日本石油と立て続けに大手企業からの出資が決まりました。


現在では、売上「150億円」迄に成長しました。その甲斐もあり、今では創業の"きっかけ"となったバングラデシュでは、「ユーグレナ」の売上の一部を活動に充てる「ユーグレナGENKIプログラム」で、「微細藻類ユーグレナ」入りのクッキーを小学校に無償で提供したり、農家の生計向上の支援や難民への食料支援などの取り組みも行っています。


因みに、私が「ユーグレナ」を知った"きっかけ"は、美容関係で働く私の彼女が、偶々「ユーグレナ」が開発したサプリ「グリーンPOT」を私に勧めてきたからです。「グリーンPOT」は、「微細藻類ユーグレナ」が入った普段の食生活・運動・スキンケアなどを助ける万能サプリです。最初は 全く信じず 飲んでみると、想像以上に効果が凄く、私自身も「微細藻類ユーグレナ」のパワーを感じています。


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それでは、今 最も注目されいている『社会企業』「株式会社 ユーグレナ」の、"イケてるC.I."の一部を紹介します。

【ユーグレナ・フィロソフィー】

●Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)


【タグライン】

●「いきる、たのしむ、サステナブる。」

「サステナブル」は、日本語でいえば「持続可能な」。

その"言葉"は、日々 生活する上でどこか遠い話、大変そう、めんどくさいと感じてしまいがちです。

でも、「サステナブル」は、もっと身近なものでいいはず。今日のその食事も、あの会話も。

生活に溶け込めば、「サステナブル」が増えていく。

「サステナブル」は、これからの生き方。

だからこそ、その日常は楽しくあるべき。

単なる概念に満足せず、サステナビリティについて考えながら、具体的に行動していく。

そのひとつひとつの積み重ねが、新しい未来をつくっていく。


【行動指針(ユーグリズム)】

●1. 多様性をちからに(Diversity empowers our business.)素材、事業、研究、仲間。

違いに感謝し、出会いをちからにして、未来へ進む。


●2. まず一歩(Just practice!)日々 進化、日々 挑戦。

自らが変わり、周囲を、明日を、変えていく。


●3. すべてのユーグリーのために(One for all, all for ‘euglee’.)目指す未来を共有する人すべてが「ユーグリー」。

わたしたちは、ユーグリーの笑顔と健康のために行動する。


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【若手なりの成長理由 分析】

ここからは、若手なりに「株式会社 ユーグレナ」の成長理由を、仮説ですが "3つ"上げさせて頂きます。

先ず、結論からいうと…

◆1.「ユーグレナに含まれる豊富な栄養素!」

◆2.「バイオ燃料の原料としても使える点!」

◆3.「出雲社長の理念への強い想い!」

の"3つ"です。それでは、1つずつ見ていきます。


◆1.「ユーグレナに含まれる豊富な栄養素!」

*前述した通り「微細藻類ユーグレナ」には豊富な栄養素が含まれています。「植物」だと植物の栄養素であるビタミンなどが中心になりますし、「肉」だとタンパク質が中心になり、バランス良く栄養を取るにはどうしても、「肉」と「野菜」の両方を摂る必要があります。しかし、「微細藻類ユーグレナ」は植物でありながら 自ら動くことが出来る「動物」でもあるため、両方の栄養素を持っています。豊富な栄養素を"1つ"の素材で取れるということが、1番の魅力です。

また「微細藻類ユーグレナ」には、「パラミロン」という素材が含まれています。パラミロンとは、「微細藻類ユーグレナ」しか保有していない独特の食物繊維の一種で、多くの研究がされている中で、多くの機能性があるという研究成果が出ています。例えば プリン体の吸収を抑制したり、コレステロールの排出効果があったり、或いは 免疫バランスの調整作用や、がん抑制の効果があるかも知れないなど、今 最も注目されている素材です。

更に「微細藻類ユーグレナ」の凄さは、どんな食べ物にも配合できるという点です。例えば、私たちが よく食べるヨーグルトに混ぜることが人気となっています。他にも 色んな 用途に合わせて使えることも、大きな強みです。

2020年には、福岡市に本社を置く「キューサイ」を買収しました。しかも 買収する側の方が売上が小さいという珍しい形です。今度は このユーグレナ商品を直販で、一般商品者に届けることに注力しています。


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◆2.「バイオ燃料の原料としても使える点!」

*実は「微細藻類ユーグレナ」は食料だけでなく、その油脂は「バイオ燃料」の原料としても利用が期待されています。石油などの化石燃料は地中にあった燃料を燃やす為に、大気中の二酸化炭素が増えることになりますが、「微細藻類ユーグレナ」は大気中の二酸化炭素を光合成に利用して増殖しますので、ユーグレナ油脂をバイオ燃料の原料として使う場合、空気中の二酸化炭素を増やさないという利点があり、環境負荷が低いとされています。しかも「サトウキビ」や「トウモロコシ」といった、他のバイオ燃料の原料と違い、本来食料であるものを燃料に使用せずに済みます。今では、この環境に配慮した燃料を使ったジェット機が世界中の空を飛ぶことを目指しています。


*バイオ燃料を使った商業フライトが当たり前な海外では、21ヶ国で 20万回以上の航行の実績あります。しかし 現在、日本でバイオ燃料を使った商業フライトは、実は まだ0件です。国内大手航空会社もテストとしてバイオ燃料を使ったフライト自体は行っていますが、お客さまを乗せた飛行機にバイオ燃料を使った例は0件です。海外であれば 大規模農業を活かして、トウモロコシを原料としたバイオ燃料として供給しています。しかし 日本にバイオ燃料を供給する人が誰もいないのです。「ユーグレナ」は、「微細藻類ユーグレナ」を使って 日本初のバイオ燃料を提供できる企業になるかも知れません。

しかも 「微細藻類ユーグレナ」の凄さは、細胞分裂によって増えていく生き物ということです。大体 1日で2倍に増えていくため、何日か掛けて増やし、それをまた 大規模な設備に移して もっと増やして、ということを繰り返すことが出来ます。つまり「微細藻類ユーグレナ」がゼロにならない限りは また 増やすことが可能で、枯渇はしないことになります。


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◆3.「出雲社長の理念への強い想い!」

*バイオ燃料事業も行っている「ユーグレナ」は、株主や消費者に「食品にフォーカスすべきだ」という声をよく貰うそうです。しかし 決してヘルスケア事業を軽視して、バイオ燃料事業のために経営している訳ではありません。「ユーグレナ」の「フィロソフィー」は「サステナビリティ・ファースト」であり、これは「人と地球を健康にする」ということです。その観点からみると、バイオ燃料事業も、このフィロソフィーを達成するために、大きな可能性があるのです。

また 今後は、ミレニアル世代と呼ばれる世代が、5年から10年後には消費の中心を占めていきます。その時は、商品の選別基準が、単なる安さや質から「会社の取り組み」「会社の理念」へと移行しているという傾向になります。そのような中で、例えば 普通の「ヘルスケア食品」を扱いつつ、「バイオ燃料」を作っている企業は、他に絶対 存在しないのです。「ユーグレナ」が バイオ燃料事業に取り組むことで、環境や気候変動に対して取り組んでいる会社だというブランディングが出来ます。「ユーグレナ」は 今後 消費のニーズが変わっていく中で、単に商品・機能性だけではなく、ブランドとしての差別化を実現することを目指しているのです。

〇「マーケティング4.0」の概念=これからは、ただ良い製品を認知して貰うだけでなく、会社自体のファンになって貰い、顧客自らその会社の製品の推奨をして貰うこと。


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◎と言うことで…

「ユーグレナさん」を調べましたが、「出雲社長」の印象は「かなり頭のいい人でありながら、情熱も すごい人」ということです。そんな「出雲社長」が、いつも若い人に伝えていることがあります。

それは…

〇「余計なことを ぐちゃぐちゃ考えるな。おたまじゃくしの時の平泳ぎのイメージなんか意味ない。カエルになってみれば、考えることは山ほどある。まずは 飛び込んでみること。」

〇「もうかってるとか、他の人がやっている、あるいはやめたからといって 横並びではダメだ。正しいと思うことをやっていれば 共感してくれる人が現れる。」

の2つです。

「微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)」も、元々は「ゲテモノ」の類だったと思います。それは 今や市場に当たり前に流通し、ここ数年でかなりイメージが変わり始めました。「出雲社長」は、秀才な方というのは当然ですが、それ以上に「実行力」と「自分が信じたことを続けること」の方が大事だと、改めて 感じさせてくれます。


また 一つ、若手の私なりに「ユーグレナさん」にやって頂きたいサービスを上げるとしたら…

●「ユーグレナ レストラン」です。

どんな「微細藻類ユーグレナ」が健康に良いと言っても、中々 口にしようとはならないと思います。そこで「微細藻類ユーグレナ」が入った料理 そのものを提案することで、食べてみたくなると思いますし、話題にもなると思います。

また 企業のランチ向けに、例えば週に1回「健康の日」を創って、その日だけ「ユーグレナ入りの料理」を出したりすると、自然と口にする機会が増え、「微細藻類ユーグレナ」への印象も変わると思います。

本当に適当なことを言って、すみません。。。


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●それでは 最後に、C.I.について、若手なりに一言いわせて頂くと…

「ユーグレナさん」のC.I.について

調べてみると、2020年に革新されたばかりとのことです。それまでは、経営理念や企業ビジョンなど、個別具体的に言語化していたそうですが、敢えて「ユーグレナ・フィロソフィー」に統一し、「Sustainability

First(サステナビリティ・ファースト)」という、シンプルで少し抽象的な言葉にされたそうです。これは 長期的な目線で、「人と地球を健康にする」ためには、「微細藻類ユーグレナ」以外のアプローチも考えていらっしゃるからだと思います。ここに「ユーグレナさん」のベンチャー企業とは思えない、企業として"器"の大きさを感じました。

また 私が面白いと感じたのが、「タグライン」の「いきる、たのしむ、サステナブる。」という表現です。「生きる」「楽しむ」という日常の幸せを感じられる"言葉"と並列させて、「サステナブル」という"言葉"を配置することは、中々 出来ない発想だと思います。サステナブルが、「生きる」こと「楽しむ」ことと同等の身近なものと捉えて貰いたいという意図を感じました。


出来れば、あくまで参考程度にですが、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を、一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。

*concanが考えるC.I.とは?

本当に、若手が生意気ばかり言って、申し訳ございません。

長くなりましたが、以上です。

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