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  • 株式会社コンカン

【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】「第61回:株式会社 Fast Fitness Japan」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。街を歩いていると、よく見るようになった「フィットネスクラブ」を運営する企業です。

第61回は、フィットネス業界のプロがみな「失敗する」と言った「無茶な業態」で、急成長した「株式会社 Fast Fitness Japan」です。





【企業概要】

*「株式会社 Fast Fitness Japan」は、フィットネスクラブ「ANYTIME FITNESS」を国内に「800店舗」を構える企業です。売上「111億円(2020年)」、会員数「59万人以上」で 直近の1年間で140店舗以上を新たにオープンさせていて、まさに 破竹の勢いで成長している企業と言えます。元々は、アメリカで生まれた企業ですが、2010年に あくまで『フランチャイズ』という形で日本に初進出しました。1番の"特徴"は 名前の通り「24時間営業」ですが、それ以外にも 様々なオートメーション技術を導入していることです。


【社長ヒストリー】

*「株式会社 Fast Fitness Japan」の現社長である「土屋 敦之氏」(53歳)は、新卒で野村不動産に入社しました。しかし 最初の3年間は全く成果が出せず、現場の管理業務ばかりしていたそうです。その後 自ら志願して営業職になり、営業所長まで上り詰めた"苦労人"です。入社から10年経った時に、偶々 商業施設部門で「フィットネスクラブ事業」を立ち上げるということで社内公募があり、そこで 初めて「フィットネスクラブ」に携わることになりました。因みに この時の応募理由は、「募集要項で『店舗責任者になれる』というキャッチフレーズに惹かれただけ」だったそうです。


そんな中で 野村不動産を「ひとつの区切りかな」と思って辞めてしまった頃に、団塊の世代が リタイヤを迎え、メタボという"言葉"が流行し始め、フィットネス業界自体が新たに中高年をターゲットとする時代になっていました。女性向けフィットネスクラブ等も台頭してきていました。「フィットネス業界が大きく変わり始めているな」と思っていた時に、日本で「ANYTIME FITNESS」を立ち上げる動きがスタートして、「土屋 敦之氏」にも"声"が掛かりました。野村不動産を辞めて1年ほど経った時でした。

アメリカの「ANYTIME FITNESS」を利用している客層を見て、日本のフィットネスクラブとは全く違った若年層向けのビジネスモデルで「日本で展開すればチャンスがある」と感じたそうです。しかし 多くの人に「日本では絶対に無理だ!」「24 時間なんて誰が来るの?」「悪い事は言わないから、止めた方がいいよ!」など、会う人 ほぼ 全員に、ネガティブなこと言われ続けたそうです。何故なら「フィットネス事業」は一昔前から存在していたからです。一時は「やはり無理なのだろうか…」と不安に思うことも時にはありました。

それでも 肌感覚で、日本のフィットネス業界に疑問を持っていた「土屋 敦之氏」は、「エニタイムの企業理念を、日本でも実現したい!」「フィットネスを日常的でスタンダードなカルチャーにすることが出来れば、私たちの暮らしは、もっと豊かになる!」という"強い想い"を持って、今日に至ったそうです。「土屋 敦之氏」は、「株式会社 Fast Fitness Japan」の成功理由を一言でいうと、「皆んなが反対したから!」とまで、言われています。


ーーー

それでは ここで、フィットネス業界でガリバー的な存在となりつつある「株式会社 Fast Fitness Japan」の、"イケてるC.I."の一部を紹介します。

【企業理念】

●「ヘルシアプレイスをすべての人々へ!」

この理念を日本でも実現するために、株式会社 Fast Fitness Japanは、

いろいろなカタチで、積極的に社会に関わっていきたいと考えています。

〇会員へのヘルシアプレイス 安全・安心・清潔・快適を追究

〇社員へのヘルシアプレイス 活発な対話と公正なチャンス

〇株主へのヘルシアプレイス 社会に役立つ企業であり続ける

〇社会へのヘルシアプレイス 今日よりも、ちょっといい明日を創る


【行動指針】

〇「誇り」と「謙虚さ」を常に忘れない。

〇「変化」より「進化・深化」を考える。

〇「対価」ではなく「真価」を追求する。

〇「時代」を見つめ「次代」を創造する。



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【フィットネス業界の同プレイヤーの状況!】

ここから 若手なりに「株式会社 Fast Fitness Japan」の成長理由を上げていく前に、現在の「フィットネス業界」について 見て於ます。

「ANYTIME FITNESS」と他社と比較すると、その"凄さ"が一目瞭然です。

◆「売上高規模ランキング(2020年)」(店舗名/売上高)

■1位:コナミスポーツ/590億円

■2位:セントラルスポーツ/360億円

■3位:ルネサンス/302億円

■4位:ライザップ/436億円

■5位:カーブス/250億円

■6位:ティップネス/206億円

■7位:ANYTIME FITNESS/111億円


売上高で見ると、「ANYTIME FITNESS」が一番小さくなっています。しかし この中で最も稼ぐ力があるのが「ANYTIME FITNESS」なのです。

では、「ANYTIME FITNESS」の「稼ぐ力」の"凄さ"を見てみます。

◆「営業利益高 規模ランキング(2020年)」(店舗名/営業利益高/営業利益率)

■1位:コナミスポーツ/-59億円/赤字

■2位:セントラル/8億円/営業利益2.2%

■3位:ファストフィットネスジャパン/22億円/営業利益率19.8%

■4位:カーブス/11億円/営業利益率4.4%

※他 3社は非公開

この中で、売上高が最も小さい「ANYTIME FITNESS」が、営業利益では 他の企業を上回る形となっているのです。

また「フィットネス業界」全体で見ると、現在は 日本でも健康意識の高まりからジムに通う人が増え、筋トレもブームになっています。しかし フィットネス参加率は「5%」に留まっていて、海外先進国と比べるとかなり低い数字になっています。例えば 米国では、フィットネス参加率が「20%」であることを鑑みても、まだまだ 日本でも成長余地のある業界だと言えます。

ーーー 【若手なりの成長理由 分析】 それでは ここからは、若手なりに「株式会社 Fast Fitness Japan」の成長理由を、仮説で "3つ"挙げさせて頂きます。 先ずは、結論から言うと… ◆1.「明確なターゲット設定と、それに基づく戦略!」 ◆2.「機械化による、低価格設定!」 ◆3.「本部もオーナーも儲かるシステム!」 の"3つ"です。それでは、1つずつ見ていきます。 ◆1.「明確なターゲット設定と、それに基づく戦略!」 *「ANYTIME FITNESS」は、「20~40代の仕事が忙しい男性客」をターゲットにしています。事実 会員のうちの8割が男性です。 今までのフォットネスクラブは… 〇比較的年齢層が高い女性に特化したジム 〇若い女性向けのホットヨガやピラティス 〇総合型のスポーツクラブ というのが一般的でした。実は 若い男性向けのスポーツジムというのが空白地帯になっていたのです。 *その為、「立地戦略」も従来のフィットネスクラブとは異なります。他のフィットネスクラブのターゲットは「女性層」なので、お店は基本的に郊外の住宅地にあります。それに対して「ANYTIME FITNESS」は、ターゲットは若い男性、つまり「ビジネスマン」です。その為 ビジネス街の駅前に出店し、サラリーマンの『お昼休み』や『仕事帰り』に通って貰うことを狙っています。しかも ビジネスマンには、引越し・転勤が伴います。だから「ANYTIME FITNESS」は、国内・国外関わらず、会員であれば 全店利用が出来ます。よって 退会の必要がなく、転勤先や出張先でも同じような環境でトレーニングが出来ます。 24時間営業の理由も、そこにあります。「夜間も運動するなんて返って不健康だ」という批判も多くあるそうですが、寧ろ 『朝早く』や『夜遅く』の方が利用者が増える傾向にあります。また 余談ですが、『介護』や『看護』などの人が利用し易いというのもあります。 ーーー ◆2.「機械化による、低価格設定!」 *店舗によって異なりますが「ANYTIME FITNESS」は、トレーニングジム使い放題で「月額1万円以下」というのが、人気の理由です。また 料金体系が一律で分かり易く、他のフィットネスクラブに観られるような、トレーニング回数や利用施設によって料金体系が異なるような複雑なプランは存在しません。それは「マシンジム特化型」というスタイルだから出来ることです。普通のフィットネスクラブにある、定番のプールを敢えて排除していて、比較的 狭い敷地に、ウエイトトレーニングやランニング用のマシンだけを設置しています。実は フィットネスクラブは、プールがないだけで、設備費と維持費を低く抑えられる上、水回りのトラブルなどに対応するスタッフを常駐させる必要がなく、初期投資とランニングコストのいずれも、大幅に削減できるのです。 *また 「ANYTIME FITNESS」には、夜間にはスタッフが駐在していません。利用者は個人のキーでいつでも入室できます。固定費となるスタッフの「人件費」を削減することで、月額料金を安くすることが出来ます。また「スタッフがいないので、知人のキーを借りれば、誰でも利用できるんじゃないか?」と聞かれることがあるそうです。これは、勿論 許されることではありませんが、そもそも ジム運営は、どれだけ多くの人が利用しようとも「固定費」が一定の為、損害を受けることがあまり無いのです。寧ろ それを防止する為に、様々な機械やスタッフを入れる方が、結果的にコストが掛かり、得策ではないのです。無駄を削ぎ落とした「"筋肉質"なビジネスモデル」と言われています。 ーーー ◆3.「本部もオーナーも儲かるシステム!」 * 「ANYTIME FITNESS」の店舗は、8割以上がフランチャイズ(FC)で運営されています。 「ANYTIME FITNESS」の大きな"特徴"が、FCオーナーが本部に支払う1店舗毎のロイヤリティが固定であるということです。つまり FCオーナーは、自身が運営する店舗の会員数が増えれば増えるほど儲かる仕組みなのです。実は 他業種も含め、FC契約の場合、売り上げに応じてロイヤリティも上乗せされるケースが少なくありません。会員数を増やす直接的なメリットは、本部ではなくFCオーナーが享受できるのです。 このように 本部にとっても、FCオーナーが儲かる実績を多く創ることで、本部が新たに店舗を出したい候補地を見つけた場合、何人ものFCオーナーが直ぐに手を挙げる体制が出来ているのです。爆速とも言える「ANYTIME FITNESS」の出店スピードの秘密は、FCオーナーと本部の両者が、「Win-Winの関係」を築ける契約が生み出す「好循環」にあります。 ーーー ◎と言うことで… 「株式会社 Fast Fitness Japanさん」を調べました、一言でいうと「逆転の発想」で成長された企業だと思います。一般のジムは、昼間に営業し、月会費は1万円以上。しかも 登録した1箇所のみにしか通うことが出来ません。「株式会社 Fast Fitness Japanさん」は、このような業界の「不」を突き、ありそうで無かったビジネスを構築されたのだと思います。それと同時に、全ての戦略に一貫性があることが伺えます。これは『言うは易し』ですが、実際に0から構築していくとなると、とても難しいことだと思います。 実は 最近は引越し先を選ぶ際に「近くに『ANYTIME FITNESS』があること」というのが条件の一つになっているそうです。私も以前 ジムに通っていましたが、料金アップをしない限り「平日利用不可」という条件だったので、殆ど行けなかったことを覚えています。もし 家の近くに、24時間営業の「ANYTIME FITNESS」があると、本当に助かると思います。更に 実は私の彼女も「ANYTIME FITNESS」に通っていますが、殆どが 夜遅くに行っています。そもそも 運動をしたいタイミングは、気まぐれでしかなく、決まった時間しか行けない普通の「フィットネスクラブ」は、かなりの機会損失に繋がっているのだと感じます。 ここで 若手の私が、勝手に「株式会社 Fast Fitness Japanさん」に一言いわせて頂くとしたら… ● 「アプリ上で『現在の混雑状況』や『データに基づいた混雑予想』が分かるシステム」があるといいなと思いました! もしかしたら 既にやられているかも知れませんが。。。私もジムに通った経験がありますが、混在時にいくと、全くマシンを使えずに、待ち時間だけが過ぎて行った覚えが何度もあります。寧ろ こういうシステムが無いのが不思議なくらいです。 また… ●「小中学生の運動能力向上を目的としたイベントを開催」するのも面白いと思いました。 短期的に売上向上には繋がらないと思いますが、ブランド認知と地域密着の視点から、将来的にお子さんがジム入会の検討を行う際に、「ANYTIME FITNESS」が選択肢に入ることが期待できると思います。例えば、お子さんを持つ会員さんをフィットネスイベントに招待することで、幼いころから運動することの楽しさを体に染み込ませ、「ANYTIME FITNESS」というブランドのファンになって貰うことを通して、地域密着型のフィットネスクラブとして成長できるチャンスだと思います。 ーーー ●それでは 最後に、C.I.について、若手なりに一言いわせて頂くと… 創業者の1番の想いでもあり、「株式会社 Fast Fitness Japanさん」に"今"も根付いている考えとして、「ジムに通うからといって、誰もがマッチョになる必要はないし、必ず健康でいなければいけないだなんて、私たちはまったく考えていません。ただ 昨日よりも、少しだけ気分がよくなればいいのです」というのが存在します。実は この"想い"を表現したのが、現在の企業理念である「ヘルシアプレイスをすべての人々へ!」だそうです。分かり易く、 そして 敢えて押し付けのない表現をされている点が素晴らしいと感じました。何より この理念を大切にし、実践されている点が"凄い"です。"みんな"に運動をして貰う為に、知的障害者や高校生への無料バスサービスなど、多種多様な取り組みをされています。オートマチックで寒々とした印象でしたが、実は 情が深い企業だと感じました。 ただ 敢えて 一言いわせて頂くとしたら、「何故、「株式会社 Fast Fitness Japanさん」は、こんなにも"みんな"に運動をして欲しいのか?」の答えが気になりました。所謂 "みんな"が運動をする先にある世界観です。その点を言語化すると、より"共感"を得られると思いました。 もし 出来れば、あくまで参考程度にですが、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。 *concanが考えるC.I.とは? https://www.concan.co.jp/post/topics-ci 本当に、若手が生意気ばかり言って、申し訳ございません。 長くなりましたが、以上です。

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