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  • 株式会社コンカン

【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】~「リライト編」~「第15回:株式会社 ストーンマーケット」

福岡に、日本で「天然石アクセサリー」のジャンルを築いた会社があります。 第15回は、ド派手なセレブ生活で知られた中村社長自らが広告塔になり「パワーストーンで世界をひとつに。」というブランドコンセプトを掲げ、天然石アクセサリー分野を切り開いた「株式会社 ストーンマーケット」です。

ストーンマーケットは、会社設立1980年 店舗数111店舗 年商130億円を上げる福岡に本社を置く「天然石アクセサリー販売」で急成長した会社です。


ストーンマーケットの1号店は1994年、熊本市上通り町にオープンしました。この時は、既にバブル経済は崩壊し、東京とのタイムラグのある九州でさえ景気は低迷している時期でした。本来なら商売を始める時期としては不適当でしたが、中村社長は「景気が悪い時期こそチャンス」と、敢えて勝負に打って出たそうです。以来、破竹の勢いで成長し、ピーク時には150店舗まで拡大した会社です。

そんな中村社長の「石」との出会いは、米国のアリゾナ州にあります。社長が放浪の旅をしていた時に、耳にピアスをつけたネイティブ・アメリカンの子供たちに興味を持ったそうです。「地球のかけらである『石』をお守りとして身に付け、自然と共に生きる。」この発想にインスピレーションを感じ、「日本にこの文化を伝えたい」と持ち帰ったのが創業のきっかけだそうです。


ーーー それでは、そんなストーンマーケット「イケてるC.I.」の一部を紹介します。 【ブランドコンセプト】 「パワーストーンで世界をひとつに。」

【経営理念】 大地のスピリットが宿るパワーストーンは、ひと粒として同じものがない"地球のカケラ"です。 だからこそ、同じく地球のカケラである私たちを魅了し、癒し、助け、導き、勇気づけてくれます。 人の願いと夢が込められた石は時にお守りとなり生きる支えとなりやがて人の手から手へと受け継がれ新しい絆を創りだしていく。 この"パワーストーンのリレー"を 日本中に、そして、世界へとつなぐのが、私たちに与えられたミッションです。 パワーストーンが秘めたエネルギーは、人と人とをひとつにします。 そうして心と心を紡いでいけば、いつの日かきっと世界はひとつになる。 そんな輝かしい未来に向かって、私たちは一歩ずつ前進していきます。 パワーストーンで世界をひとつに。 World united with the stones. ストーンマーケット

ーーー 【若手なりの成長の理由分析と今後の展開】 先ず、C.I.については、中村社長のカリスマ性、全体の整理、理論武装、言葉のキレイさ、どれを取っても素晴らしいと感じました。特に、経営理念については、ストーリー性があり、分かり易い言葉で想いが「言語化」されていると思います。ここまで上手く表現されている中小企業は、中々 無いと思います。

では、さらに若手の私なりに急成長の理由を分析してみます。仮説ですが、大きく"3点"です。 ■1点目は… 「日本(アジア含む)に於ける『天然石アクセサリー』の新たな市場を創出した点」です。 *それまでは、高価な宝石を配したブランド品か、安価なイミテーションしかなかったアクセサリーの分野に、斬新なデザインでミドルクラスのアクセサリー市場を創り上げました。それまでは「石」=「怪しいもの」という印象が一般的で、大手企業が石分野に進出していませんでした。そこに、ストーンマーケットが「天然石アクセサリー」という分野を作り、市場を独占することで、利幅も大きく、一気に成長することに繋がりました。 *新分野を開拓する上での、新規出店にはかなりの戦略があります。まだ誰も知らない「天然石アクセサリー」を周知させるために、先ずは、敢えて「都市部」に出店を行いました。これにより、一般消費者との接触回数が増えることで、当たり前の存在になっていったのです。勿論 都市部は直ぐに飽きられるというデメリットもあります。それを見据えて、次は地方に出店を広げていきました。 *また、誕生石や御守り・お土産など、アクセサリー購買層でない「男性」を取り込みました。ストーンマーケットの成長と共に男性にもアクセサリーが浸していき、今では国内のみならず、海外のセレブやスポーツ選手、芸能人にまで広がっています。

■2点目は… 「中村社長自らが、広告塔になり、メディア露出した点」です。 *人気の芸能人との派手な付き合いをアピールし、話題を創り芸能人の影響力で、若者の購買意欲を刺激した点です。また 一時は、FACO(福岡アジアコレクション)などへのスポンサー活動なども行なっており、一気に周知されることになりました。 *この露出法については、賛否両論ありましたが… しかし 例えば、東南アジアの教育環境の恵まれていない地域に学校を建設したりと、国内外で様々な目立たない支援活動も多くされています。中村社長のメディア出演も、共感型演出であれば、ドンドン出られて復活をPRされるのもありな気がします。

■3点目は… 「当時難しかった『石』の仕入れを、海外を視野に入れることで可能にした点」です。 *本来、石が最も需要があるのは「工業用」です。一般的に、工業用の石は無いと世の中が困りますが、アクセサリー用の石は無くても困らず、大手企業が全く手をつけていませんでした。その為 日本では、アクセサリーとしての石の加工は難しかったのです。 そこで 中村社長は、視野を地球にまで広げ、海外で加工し日本で販売することにしました。創業初期から仕入れルート、製作まで自社で完結できる仕組みを整えることで、本来捨てられるはずの石を使ったビジネスで、収益構造を確立させたのです。

ーーー ◎と言うことで… 海外で見つけた「石」に魅力を感じた社長の"直観力"と、その「石」で日本で新しい分野を築き上げたことが全てだと思います。私も幾つかの企業分析をする中で、やはり 企業を大きくする社長には、みな「商売のセンス」があると感じています。それは、数字で測れるものではなく、なんと無く「これは行ける!」という、"直感力"です。中村社長からも、そのようなものを感じました。 しかし… 近年は、この天然石アクセサリーの市場は成熟期に入り、ライバル社(めのや/島根県)の出現や、後発組の台頭で、事業の先駆者である「ストーンマーケット」も 飲食事業からの撤退など、苦戦を強いられる厳しい時代になりました。市場の成熟は、競合激化とコストアップを生み出しました。 更に、今回の「新型コロナウイルス」の影響もあり、リアル店舗での集客が難しくなった今、業態変化は必須だと思います。 EC事業としては、後発にはなりますが、ネット販売に注力する時期だとも感じました。何よりストーンマーケットの強みとして、他にはないリアル店舗で獲得してきた100万人以上の会員を生かした集客が期待できることだと思います。複数チャネルを使い分け、顧客動向を販促に生かすことで、商品開発にも繋がると感じました。

また 個人的には、例えば、建築会社とコラボして、天然石を使った建築プロデュースなど、石を"核"とした別事業も考えられると思いました。恐らく、既にこのようなことも考えられていると思いますが。。。 雑貨や家具・インテリア、観葉植物 また 高級宝飾品とのコラボなど、これからの活動に期待しています。

ーーー ◎最後に、若手なりにC.I.について一言いわせて頂くとしたら… 次の事業戦略が固まったタイミングで一部リニューアルも必要な気がしました。 特に現状の「経営理念」は、全て社外向けの言葉となっていて、「企業理念」を実現する為の社員との約束である本来の「経営理念」が見当たらない事が気になりました。また、それに紐付く形で、社員さんが具体的に「とるべき行動」を示した「行動規範」まで落とし込めると、社員さんの判断軸ができ、より主体的で理想的な組織のあり方に近づいていくのだと思います。それは、店舗ビジネスという「接客」を必要とする今の業態に於いて、社員さんが理念や価値を深く理解することで、商品の新提案が顧客目線のものに変わり、商品価値以外の部分でも魅力ある企業に近づけるということだとも思いました。 *あくまでコーポレートサイトに記載が無かった為、こういう表現をさせて頂きました。

出来れば、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。 *concanが考えるC.I.とは? https://www.concan.co.jp/post/topics-ci

生意気を言って、すみませんでした。。。 長くなりましたが、以上です。

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