top of page
  • 株式会社コンカン

【イケてる企業のC.I.を切る】「第15回:株式会社 リンクイット」

福岡に、厳しいアパレル業界に於いて、独自路線で戦っている会社があります。

第15回は、社員さん 曰わく福岡に居ながら東京並みの仕事が出来るという「レディース アパレルブランド」『Bou Jeloud(ブージュルード)』を展開している会社で、ここ数年はEC事業の強化と地域に根ざしたモノづくりに注力している「株式会社 リンクイット」です。 リンクイットは、アパレル業界の異端児と言われている「森 健太郎社長」が率いる会社で、社員の95%が女性の会社です。




創業は2000年、売上高は約60億円(過去最高は97億円)・全国で70店舗を運営する福岡を代表する「アパレル総合会社」です。 では、「リンクイット」の「イケてるC.I.」の一部を紹介します。 ーーー 【LINK ITの企業理念】 私たちは、楽しさと驚きを創造します。 私たちは、新たなことに挑戦し進化し続けます。 私たちは、縁と絆に感謝しそれを活かします。 【Our brand/ブランドメッセージ】 「Bou Jeloud」 Bou Jeloud(ブージュルード)は、モロッコの古都にある美しい門の名前。 それは、世界一のメディナ(迷路)への入り口。 一歩足を踏み入れれば、そこではさまざまな文化が交差して、自然と人の手が織りなすコントラストが旅人を魅了する。 さぁ、あなたならではの楽しみを、歓びを、幸福を、Bou Jeloud をくぐり抜けて探しに出かけよう。 胸の高鳴る旅路の先に、新しい感性や新しいスタイルとの出会いが待っているから。 そして、ちょっぴり新しい自分との出会いが待っているから。 *WEBサイトには、各ブランドストーリーの記載もあります。 ーーー 【成長の理由分析】 この「イケてる企業のC.I.を切る!」を書き始めて15社を越える企業を探る内に、見えて来たことがあります。 それは イケてる企業の社長は、必ず、挫折なり失敗を沢山され、それを乗り越えた事で見える世界があると言うことです。 だからこそ 謙虚に「モノ事」を捉える事が出来るのだと思います。 リンクイットさんが成長された理由は色々ありますが… やはり一番の理由は、「森社長」が、会社立ち上げ時に、幹部社員が離脱し、会社が危機の時に「負けん気」と「"運"を引き寄せた感性」だと思います。 この危機を乗り切った事で、失礼ながら人間として大きく成長されたのだと思います。 その経験から 女性社員が95%で、女性がイキイキ働けないと生き残れないという考えから、結婚・出産しても帰って来易い環境を整え、女性が幹部になれる会社を創り上げられた点です。 *森社長曰わく、会社を上手く回す秘訣は、奥さんの話を紳士に聞くことだそうです。 では… 仮説ですが、メインブランド「Bou Jeloud(ブージュルード)」の成長理由を"3つ"上げてみます。 ■1つ目は… 『ターゲットをショッピングモールに来場する30~40代女性に絞った点。』 *旅をテーマとしたブランドで、お手頃価格で、伸びる素材のプリントワンピースがメイン商品で持ち運びし易い点です。 *現在のデザインの主流は、ナチュラル系ですが、敢えてエレガント系(上品、優雅)な着こなしを団塊ジュニア層にぶつけている点です。なぜなら エレガント系は百貨店でしか取り扱っておらず、郊外では取り扱っている店が少ないのです。 そこを狙い スーパーに行ったついでに立ち寄れる店をコンセプトに単価設定を1万前後にする事で、主婦が家族に"罪悪感"なく買えるようにしています。 ■2つ目は… 『元々、貿易業からスタートした会社で海外との直接取引が出来き「コスト削減」を可能にした点。』 *海外との直接のやり取りで、トレンドとなるファッション情報を見聞きし、デザインに活かしている点です。 ■3つ目は… 『リアル店舗ならではの「お客さん」との繋がりを大切にしている点。』 *社員(店員)教育に力を入れ、接客力に磨きを掛け店舗を特別な場所にしている点です。 *買って貰わなくても話が出来る雰囲気づくりを徹底されています。 ーーー ◎と言うことで… やはり中小企業の成長は「社長」次第だと痛感しています。 また、アパレル業界全体は、今後かなり厳しい時代に入ります。 リンクイットさんが生き残る為には、「東急ハンズ」や「中川政七商店」のようにリアル店舗と通販が融合する為の「顧客データの管理」と「デジタルマーケティング」のクオリティと、新業態の開発が"鍵"になると思います。 またC.I.について一言いわせて頂くとしたら、森社長の想いを理解した上で「企業理念」と「経営理念」の整理がまだ不十分だと感じています。 WEBサイト内に企業としての「存在意義」の記載が無かったので、一度お話を聞かせて頂きたいと思いました。 *concanの考えるC.I.は… ◆企業理念(不変の想い=成し遂げたい想い)→◆コーポレートメッセージ(企業理念を短くしたもの)→◆事業ビジョン(売上・数値目標)→◆経営理念(左記を達成する為の指針&社員への約束)→◆行動指針(社員がとるべき行動)→◆行動規範(左記を達成する為の具体的な詳細行動) 参考までに照らし合わせて貰えるとありがたいです。 ーーー ◎最後に、「アパレル業界」の現状と将来性について書かせて頂きます。 【アパレル業界の現状】 ◆低コスト思考が根強くなっている。 ◆消費者の思考は二極化している。 *低コスト思考を持つ人が増えている中で、反対にセレクトの一点物や高級なブランド品を求める人もいて、消費者の思考は二極化しています。 ◆全体的に消費者の支出が減っている。 ◆店舗よりネット通販の買い物が増えている。 *アパレル業界は苦境に陥っています。 いまや女性は、『憧れのモデルが着る高いブランド服』は求めず、等身大の服を求めるようになっています。 さらに言えば、最近は、限られたおカネを本当に遣いたいものだけに遣う人が増えました。 所謂 「服は、どうでもいい」の考えが増えています。 アパレルの市場を支えていた女性が、景気の悪化(デフレ時代)もあって、社会に出て共働き化が進んだ事で、彼女たちは、働いたり、普段の生活をするための服しか買わなくなったと言われています。彼女たちは『着飾る文化』から離れ、服は『ファッション』から『生活用品』に変わりました。 ーーー 【アパレル業界の将来性】 大前提として、「服」はファッションや個性の表現の前に、「生活必需品」である為、これから起こる少子高齢化と人口減少で、業界規模、市場規模が縮小しても無くなることはなく、需要の確保や海外進出などが求められます。 また、業界間競争は激化する為、他社にない「独自の強み」や「付加価値」が必要になります。

閲覧数:6回
bottom of page