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  • 株式会社コンカン

【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】~「リライト編」~「第22回:増田石油 株式会社」

更新日:2021年4月14日

福岡に、「石油販売」を軸に新規事業を幾つも立ち上げている、可能性を秘めた会社があります。

第22回は、「いつも今より新しい」をコンセプトに、福岡市(創業長崎)に本社を置く、堅実経営で知られ、60年間赤字なしの「増田石油 株式会社」です。

創業からもうすぐ「100年」を迎える歴史ある企業で、現在 社長を務める「増田 成泰社長」は、4代目社長に当たります。増田石油は、社名の通り、石油を販売(サービスステーション・LPGなど)する会社ですが、それ以外にもTSUTAYA・コメダ珈琲のフランチャイズ事業や、太陽光発電による電力販売事業、ビジネスホテルやフィットネス事業など多角経営で知られています。2018年の売上高は、241億円を誇る九州を代表する優良企業です。

元々は、創業者・増田茂吉氏が長崎で魚函(トロ箱)の製造や製氷など、漁業周辺事業を始めたのが始まりです。後に、漁船向けの燃料の販売へと転身し、石油事業の礎を築きました。以後、石油販売業を軸にして、漁業や建築など様々な事業にチャレンジし、今では先に述べた通り、様々な事業を行っています。




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●では、増田石油の「イケてるC.I.」の一部を紹介します。

【企業理念】

『わたしたちは、「生活創造企業」をめざし、多様な事業活動の展開をとおして地域社会に貢献します。』

わたしたちは、顧客第一をモットーに、常に市場の動向に目を向け、質の高い商品・サービスを提供します。

わたしたちは、人間性尊重の立場で、 一人ひとりの個性を重んじ、能力の開発と、ゆとりある生活の実現をめざします。


【コンセプト】

「いつも今より新しい」

可能性を信じ、未来を見つめています。

NEXT CHALLENGE


20世紀中頃より始まったモータリゼーションという時代の潮流の中で、増田石油株式会社は事業を拡大し、安全で安定的なエネルギーを供給してまいりました。

21世紀が到来した現在、私たちをとりまく社会的環境は大きく変化し、エネルギーの価値観や供給形態も大きく変化しようとしています。

増田石油株式会社を中核としたマスダグループは、今後のさらなる飛躍を目指し、さまざまなエネルギーの安定供給はもちろん、快適な暮らしを創造するさまざまな分野にチャレンジ。

高度化、多様化する社会のニーズにすばやく対応するサービスと地域に密着した事業活動を展開してまいります。


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【若手なりの成長の理由分析】

まず、C.I.が非常に分かり易く、「生活創造企業」という言葉が、増田石油を上手く表現していると思いました。また、コーポレートサイトが"シンプル"で複数事業があるにも関わらず、かなり見易いと思いました。

特に、社風を表したコンセプト「いつも今より新しい」が素敵で、企業としての「真面目さ」「誠実さ」「堅実さ」が感じられます。

では もう少し、若手なりに成長の理由を分析します。仮説ですが、大きく"3点"です。


■1点目は…

「モーターゼネレーションの波に乗り、社会インフラである石油を販売した点です。」

*約100年前から石油販売を開始し、今では 福岡県、鹿児島県、長崎県を中心に佐賀県、熊本県にも一部展開しています。特に創業の地である長崎県や、早くから事業を展開してきた鹿児島県、福岡県では、何十年と お付き合いのある企業が多数存在します。100年近く続く会社の先人たちが、お客様との関係を大切にしてきたことが、今の増田石油の強みです。

*様々な産業に必要な石油の販売を柱に、その利益を不動産に投資したり、LPGなど、その他のインフラ事業に広げた点です。


■2点目は…

「増田社長自身が、石油業界最大手のエクソンモービル本社でインターン生として働いた経験があることです。」

元々 海外志向が強かった増田社長は、グローバルに幅広く展開しているという理由で大手電機メーカーの東芝に入社しました。

その後は、社長の長男として、増田石油の次期社長となることを決心します。そして、直ぐに増田石油に入社するのではなく、アメリカのジョージ・ワシントン大の大学院でMBA(経営学修士)を取得するため留学されています。この時に、偶々 大学の近くに、石油業界最大手の「エクソンモービル本社」があり、インターン生として働くことに。後に、社長になることを自分自身で分かっている中で、業界最大手の企業を見ることができる、これほど ラッキーな経験はないはずです。増田社長自身、ここで多くのことを学んだと述べられています。この経験があるからこそ、理想を常に高いところに置くことができるのはないでしょうか。


■3点目は…

「永続を第一に、『安定と挑戦』の社風を活かし、石油販売以外の事業をおこなっている点です。」

*時代の変化に合わせ事業を整理し、様々な事業にトライ&エラーしなが、堅実経営で多角的に事業を拡大している点です。既に撤退した事業もありますが、失敗を恐れず時代のニーズに真剣に向き合おうとする姿勢が凄いと思います。会社として新しいものにチャレンジしていくことへの違和感や抵抗が少なく、変化をいとわない気質が育まれ、そのDNAが社内に残っているのだと思います。

*2019年には、女性専用のフィットネス事業に参入しパーソナルジムを天神北にオープンしました。これには、女性活躍社会の動きが加速する中で、事業を通じて女性の健康促進の一端を担っていきたいという考えあります。



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◎ということで…

「増田石油」が、成長できた理由を一言でいうと、インフラ事業を基盤に据えつつも、新規事業へ次々に進出するという両極端の姿勢をお持ちだと思います。

しかし インフラ事業も、今後の人口減などを考慮すると、厳しくなるのは明確です。例えば、この20年間で、ガソリン需要は、人口減やエコカーの普及で年2~3%ずつ減少を続けており、2030年には2~3割減少するとの試算もあります。

また 石油元売り大手は、「JXTGホールディングス」、「出光興産+昭和シェル連合」、「コスモエネルギーホールディングス」の3社に集約されました。これは、国が制定した「エネルギー供給構造高度化法」の存在があります。これが意味することは、今後 国の方針として、地方のエネルギー関連の中小企業にとっては、厳しい時代がやってくるということです。

(※「エネルギー供給構造高度化法」=電気やガス、石油事業者といったエネルギー供給事業者に対して、太陽光、風力等の再生可能エネルギー源、原子力等の非化石エネルギー源の利用や化石エネルギー原料の有効な利用を促進する為に必要な措置を講じる法律。)


また、エネルギー関連事業の難しさとして、原油価格といった外部環境の要因に、経営が大きく左右され易いことです。そこで、「増田石油さん」としては、本当の意味で「石油会社」のイメージから「生活創造企業」へと、イメージチェンジする必要があると思います。

個人的には…

現在 新規事業については、「TSUTAYA」や「セブンイレブン」などといったFC展開を軸にされていますが、今後 益々 石油業界が厳しくなることを想定すると、今の内に別会社を作るなどして、他に頼らない、自力での新規ビジネスを立ち上げた方が良い気がしました。特に、石油を販売されている実績から、顧客リストを基にガス関連器具や業務用厨房、冷暖房機器、ご家庭用水回り商品などの販売、もっと言うとリフォームやリノベーション事業などもできる気がしました。

生意気を言って、すみません。


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◎最後に若手なりに、C.I.について一言いわせて頂くとしたら…

「石油事業」で成長されてきたことを考えると致し方ないかもしれませんが、今後、大きく業態を変えられるのであれば、「社名変更」も視野に入れる必要があると思います。「増田石油」と聞けば、一般生活者からすると「石油会社」としか写らないとからです。

*勿論、100周年を機に、変更される事を検討されているかと思いますが。

その上で、今後 様々な事業を行う中で、それらの事業が向かう方向が"バラバラ"にならないように、様々な事業を展開しつつも、企業の軸となる「創り上げたい世界観」を企業理念として、しっかり言語化する必要があると思いました。

また、企業理念に基づいた行動指針の先にある「行動規範」の記載が無かったので、そこまで落とせると更に強い組織になると思います。

*あくまで、コーポレートサイトに記載が無かったので、こういう表現をさせて頂きました。


出来れば、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。

*concanが考えるC.I.とは?

生意気ばかり言って、すみませんでした。。。

長くなりましたが、以上です。

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