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【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】~「リライト編」~「第18回:株式会社 西部技研」

福岡に、世界の"空気"を自在にコントロールできる「大学発ベンチャー」の先駆け企業があります。 第18回は、創業1962年(設立1965年) 福岡県 古賀市に本社を置く、「省エネ・環境関連機器」の製造・販売をおこなっている「株式会社 西部技研(セイブギケン)」です。



B to B事業なので、あまり知られていませんが、「凄い技術」を持った世界を舞台に活動しているグローバル企業(海外売上70%)です。 従業員数 300名 売上高は、グループ全体で、約150億円を上げ、主な商品に「ハニカム積層体」というコア技術を核とした「全熱交換器」という聞き慣れない機械があります。 これは、病院や、商業施設 食品工場・薬品工場・リチュウム電池工場など、様々な建築物のエアコンの汚れた空気をキレイにして「ー90℃のドライルーム」などを実現させ、熱を保ちながら、外気と入れ替え、余った熱を他の用途に再利用する「省エネ・環境」に優しい 今後 益々 需要が見込める商品です。 国内シェアは、No.1で なんと7割もあります。 省エネルギーや環境保全への世界的な意識の高まりを追い風に、先進国に留まらず 環境規制が強まる中国などへの導入も広がっていて、今ではスウェーデン、米国、中国の子会社を拠点に世界的なネットワークを築いています。 *「ハニカム積層体」とは、ダンボールの板紙のようなものを何層にも重ねて作る構造体で、断面が「蜂の巣」に似ていることから、一般的に「ハニカム」と呼ばれている。 このハニカム積層体は、「空気抵抗が低く」「強度に優れ」「表面積が広い」という3つの特長を有している。 *「西部技研」は、あらゆる素材をこのハニカム状に加工でき、そのハニカムに、様々な機能剤を添着し、特別な機能を持たせることができる。

では、そんな「西部技研」の「イケてるC.I.」の一部を紹介します。 ーーー 【経営理念】 「独創と融合」 個々の独自性と創造性を尊重し、それらをあらゆる次元で発展的に融合させる事により、新しい価値を継続的に生み出していく。

【経営目的】 我社は創意工夫をもって空気と水を科学し、アメニティー空間を創造する。

【一般事業主行動計画】 次の世代をになう子供たちが健やかに生まれ育つ環境を作るために、国、地方自治体、企業、国民が一体となって対策を進めていくことを目的とした「次世代育成支援対策法」が平成15年に制定されました。その法律に基づき、従業員101人以上の企業には、仕事と子育ての両立を図るための「一般事業主行動計画」の策定・公表が義務付けられましたので、当社の一般事業主行動計画公表いたします。 今後は女性のみならず従業員全員が仕事と子育ての両立ができるように支援して行きたいと思います。

ーーー 【若手なりの成長の理由分析】 「西部技研さん」が、成長している理由は、なんと言っても、他社のマネではない"独自"の「技術力」と、それを支える「エンジニア集団」(理系集団)であることだと思います。なんだか、カッコイい企業だと思いますし、社員の方々は"誇り"を持って働かれているだろうなと想像しました。

また C.I.について、WEBサイトや関連記事を拝見して、その言葉からも、自社技術に自信を持ち、海外展開も視野に入れたグローバル企業としてのエンジニア企業であり続けるという気概みたいなことも感じることができました。理念から企業の在り方が想像できます。 では 若手なりに、もう少し成長の理由を仮説ですが、分析してみます。大きく"5つ"あります。

■1.「カリスマ創業者のベンチャースピリッツと、そのDNA!」(コアテクノロジー) *創業者の「故 隈 利實氏(現社長の父)」は、昭和30年代後半 「九州大学工学部」の教員をしながら、「独自の発想と技術で、真似でない製品を生み出し、社会に貢献したい」という思いを実現する為に、企業からの委託研究をする「私設研究所」を九大箱崎キャンパスの前の小さな倉庫に立ち上げました。 その後 1965年に西部技研の前身となる「株式会社 西部技術研究所」を設立します。 1970年代に「ハニカム」の製造技術を確立させた後、省エネに対する社会機運を受けて、80年代に入ると吸湿性を持たせた「全熱交換器」「ハニカム吸着式除湿ローター」を次々と発表します。 その確かな品質と高い性能、環境保全への姿勢が、海外から認められ、高い評価を受けました。

今では、海外に… 〇1.スウェーデン→「セイブギケンDST社」 〇2.アメリカ→「SGアメリカ社」 〇3.中国→「SGチャイナ社」 に子会社を持ち、世界4極体制を確立しています。各子会社との緊密な連携で、世界 約50ヶ国に その販売網を広げています。 また 「西部技研」が、特許を保有 又は 申請中のものを合わせると、約250件にも及びます。まさに 日本の「モノづくり」の精神だと思います。


■2.「3代目 隅社長の経営方針を決めた米国出向!」(米国ニチメン担当との出会い) *隅社長は、福岡大学を卒業後、1987年に新入社員として「西部技研」に入社し、工場勤務や営業勤務を経て、1990年に米国ニチメン社に業務研修の為に出向します。 これは、商社である「ニチメン」と共に、西部技研の商品を売る為の研修です。 営業経験も乏しいのに いきなり他社、しかも 当時9大総合商社の一つであった大企業のニューヨーク本店で勤務する事になり、案の定 強烈なカルチャーショックを受けたそうです。しかし、ここで 仕事について、出向先の皆さんに一から教えて貰う事になりました。 このアメリカ生活の中で、「自分の会社での立場、立ち振る舞い」、「将来の話」「経営者目線」「企業のあるべき姿(C.I.)など、様々な教えを受けて自分なりの「経営の方向性」を掴まれたと思います。

帰国後、カリスマ創業者(父)が、1997年に癌で亡くなられ、会社の存続が危うくなった時に、創業者と二人三脚で歩まれて来た お母さまが2代目社長として会社をまとめていかれました。

現社長は、3代目として 2002年に社長に就任し、父の死後、創業メンバーとの関係を会長(母)のサポートを受けながら、父の経営スタイル「ワンマン経営」から、自分が思う「チームワーク経営」へと、方向転換されています。それが、今の経営理念である「独創と融合」になったと思います。



■3.「独自技術を活かした海外展開と、業態変更!」(B to C 事業へのシフトチェンジ) *福岡県は、2017年に 西部技研を「グリーンアジア国際戦略特区の指定法人」に指定しました。特区を活用して設備投資を実施する企業としては、60社目で 同特区による設備投資累計額は、1,720億円となっいます。 「西部技研」は、環境貢献性の高い空調機器製造を手掛け、欧米や中国などへ 販売網を広げるグローバルな地場老舗メーカーに成長しました。

また 2018年には、本社 隣地に取得していた約5,000㎡の敷地に、約7億円を投じて研究開発の新拠点「西部技研イノベーションセンター」を開設しました。この施設は「研究・開発機能」を集約し、様々な製品のシミュレーションが行える空間や、試験設備を備えています。そして、外部向けに「省エネドライルーム」を はじめとする技術を紹介、発信する拠点としても活用しています。 この拠点を通じ、更なるCO2削減や、省エネ性能の高い空調機器の製造を目指しています。


■4.従業員の意見を尊重する社風(風通しの良い風土創り) *実は、以前の「西武技研」は 部品の販売のみしか行なっていませんでした。それは、完成品を作って販売をすると付加価値が10倍になりますが、それを実現しようとすると工場設備への投資や、様々な人材を採用する必要があり リスクが大きかったからです。ところが、まだ会社に染まっていない中途社員から「ずっと部品を売っていても安定はするが成長はない。次の成長のために新しいことをやっていきたい。完成品にチャレンジしたい」そんな提案があったそうです。丁度 カリスマ経営者であった「 隈 利實氏(現社長の父)」が亡くなったばかりで、新しい成長の きっかけが必要な時でもありました。隅社長は、社員のこの言葉に後押しされ実際に完成品の販売を始め、結果的に大きく成長することになりました。この時を振り返り「新しい西部技研が動き出した瞬間」と言われています。それからは、徹底的に社員の意見を尊重する文化を作られています。

このような環境なので、社員さんも主体性を持って積極的に仕事に取り組まれているのだと思います。 そして、これこそ経営理念でもある「独創と融合」であり、個々が持つ独自性と創造性を尊重しつつ、それらをあらゆる次元で発展的に融合させることで新しい価値を継続的に生み出して行かれてるのだと思います!


■5.「海外展開を見据えた外国人社員の働き方改革!」(ダイバーシティ経営) *海外市場展開で売上の大幅拡大を図る為に「外国人社員の技術・スキル」を活かす組織風土への変換が急務となり、これに取り組まれます。 事業拡大に伴い本社にも、外国人社員が必要となり中国人、韓国人を中心に採用活動をスタートしましたが、新卒の外国人社員が定着し難い企業風土であったことで反省が生まれます。 そこで、ダイバーシティ経営を取り入れ、外国人社員も定着し、それぞれが、同じ方向性に沿って互いに貢献し協力し合う風土へ変容しています。考え方や文化が違う「外国人社員」と協力しながら、多様性や価値観の違いを受け入れチームとして力を発揮する社風が生まれました。

また、新卒で入社した「外国人社員」に戦力として育って貰う為には、「研修制度」や「適切な評価システム」、「働き易い職場環境」の整備が不可欠となり、全社的な改革に取り組みまれました。 経営計画の策定に並行して「ワークスタイル」の改革も推進しています。 「企業理念」と「経営の方向性」を明示化することから始め、創立50周年時には、10年後のビジョンを具体化した「新経営5ヶ年計画」を策定。その中で「100年企業」を目指すことを目標にされました。 以前より、「企業理念」に基づいた「行動規範」は設定されていましたが、難しい言葉が並んでいた為、社員から「分かり難い」との声が上がり、この経営計画の策定に合わせ、社員が理解し易い具体的な行動指針となる「新ワークスタイル八か条」が制定されました。

【新ワークスタイル八か条】 ◆1.「自身が担当している仕事の客観的価値を知る。」 ◆2.「時として残業もするが、まずは定時内の仕事の密度を上げる事に全力を尽くす。」 ◆3.「自分だけでなく、周囲も定時で帰れるよう気を配る。」 ◆4.「仕事のアウトプット(成果)の量と質を向上させる。」 ◆5.「常に時間(スケジュール、期限、納期)を意識する。」 ◆6.「自身の成果を上司や周囲にアピールする。」 ◆7.「仕事とプライベートがリンクする部分を意識的に作る。」 ◆8.「増えた余暇時間で自己啓発の為の勉強をする。」


ーーー ◎と言うことで… 「西部技研さん」が成長し続けている理由は、先にも述べましたが、グローバルな視野を持ち、唯一無二の「技術力」を兼ね備えていることに尽きると思います。 福岡に このような企業がありことに驚きました。こだわりを持って、"モノづくり"されている姿は、カッコイいと感じました。

また 世界では、年間 数百万人が空気汚染で亡くなっています。中国での大気汚染による健康被害も深刻になっています。 まさに「西部技研」では、中国・江蘇省の工場で有害ガス処理装置の生産能力を6割増やし、子会社の移転で空いたスペースを活用して組み立てラインを導入しました。これには中国では有害物質の排出抑制が厳格化しており、処理装置の需要が今後増えると判断したからです。 今 日本が世界に誇れる省エネ・環境に優しい「エコ技術」は、世界から 益々 必要とされます。そのトップ技術を持っている「西部技研」の将来は、明るいと思います。

また、今回の「新型コロナウイルス」の観点からも見ても、益々 求められる企業ではないでしょか。 ただ、「西武技研」が凄いのは、コロナ前からDXによる業務改善を重要経営課題の一つに掲げて推進して来たことです。 それが、今回のコロナ騒動で、テレワーク(在宅勤務)の実施や、オンラインでの会議やミーティングの普及等で、一気に加速しました。 その一方で、DXの推進のみならず、マネジメントに関するより大きな課題も顕在化させ、経営会議メンバーを中心に協議を重ね、「ポストコロナを睨んだ全社共有課題」として取り纏めました。それは「働き方」「採用と教育」「人事評価」「会議体とコミュニケーション」「事業展開と営業手法」「経営層の育成」「グローバル連結経営」といった多岐な項目に渡っています。 実際に、このコロナを機に、「西部技研」の売上が大き伸びているそうですが、それはコロナの影響という ただの外部要因だけではなく、「西部技研」自体が常に進化しようする内部的要因も大きくあるのだと思います。 今後、「SDGs」に代表されるように、環境技術が益々求められて来ます。日本は世界からも環教技術については、高い評価を得ていていますが、その分野でも西部技研が中核を担って行くのだと思います。


また 今後、世界で市場を獲得する為には、技術集団だからこそ「クリエイティブ」の力が 是非物で、必要になると思います。 世界企業が持っている力を「BTCモデル」と表現されます。 *BTC→Bussiness・Technoloqy・Creative *BTCモデル企業→アップル・ダイソン・BMW・資生堂・ユニクロなど。

この「BTCモデル」を日本で提唱しているのが、Takram 代表で、デザインエンジニアである「田川 欣哉氏」です。 彼は、東京生の熊本育ちで、東京大学卒後、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでデザインを学び、客員教授もされています。

彼が唱える「デザインとは?」 ビジネスとテクノロジーを理解して、クリエイティブの力を加えること。BTCモデルを活かすタイミングは、「0の所と100所の2つあり⇒生まれる時と、広げる時」だと言われています。 また、デザインとエンジニアを結び付け、デザインエンジニアの領域を確立された方でもあります。


ーーー ●最後に、若手になりにC.I.について一言いわせて頂くとしたら… 創立50周年の時に徹底的に改革され完成度が高いことは大前提として、もう少し 一般の人にも分かり易く表現できたら、益々 共感を得られるものになると思いました。 例えば、「経営目的」の言葉の中に、「アメニティ空間」とありますが、もっと具体的に、西部技研ではどのような空間を「アメニティ空間」と呼ぶのかと言ったことを、もう少し誰にでも分かるように言語化するといったことです。 もの凄い技術を お持ちの会社だとは分かりますが、そのことを 一般消費者に上手く伝わると、もっと魅力ある企業になるのだと感じました。

出来れば、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。 *concanが考えるC.I.とは? https://www.concan.co.jp/post/topics-ci 生意気ばかり言って、すみませんでした。。。 長くなりましたが、以上です。

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