皆さん、1日の終わりに どっと疲れたにも関わらず、何をして疲れたのか自分でも思い出せない経験はありませんか? 私も 「仕事」に疲れた状況にも関わらず、1日を振り返ると「ところで、何をしたっけ?」と考えてしまうことがよくあります。これは「仕事量」が多いことが問題ではなく、"メリハリ"のない「仕事」をしていることが原因だからです。こういった実験結果を、ハーバード大学が公表している記事を見ました。まるで、私に言われているかの様な記事で、調べてみることに。ここには「『マルチタスク』の弊害」が隠れているということです。そこで 今日は、一生続くビジネスマン人生をより 有益にする為にも、この「マルチタスク」について書きます。

先ず…
【「マルチタスク」とは?】
●「マルチタスク」とは、同時並行で複数の作業を行なっていくことです。
*例えば 電話を受けながら、メールの処理をする。会議中に議論に参加しながら、議事録を作成するなど、2つ以上の作業を行っていれば、それは 全て「マルチタスク」です。一方「マルチタスク」の対義語に、「シングルタスク」があり、これは一つの作業に集中することです。
そもそも…
【実は「マルチタスク」は存在しない?!】
*世間では、よく「マルチタスク」は有効か否かという議論が行われています。しかし そもそも、「マルチタスク」というものは存在しないのです。一般的に想像される「マルチタスク」というのは、実は 次々とタスクを切り替える「タスク・スイッチング」でしかありません。タスクの切り替えに必要な時間は、僅か「0.1秒」程度である為、本人は その切り替わりに 中々 気づけません。しかし 「タスク・スイッチング」を繰り返すと、あらゆる 弊害に悩まされることが分かっています。そもそも 人間の"脳"は、一度に複数の事柄に注意を向けることが出来ない構造になっているからです。
では、次に…
【「マルチタスク」の弊害!】を紹介します。
*「マルチタスク」が齎す弊害の代表例は「集中力の低下」です。タスクの切り替えに「0.1秒」も掛からないと言っても、"脳"は その度に負担を強いられています。その結果 集中力が、どんどん低下していってしまうのです。また 注意が散漫した状態が続くと、ある知識を別の状況に応用する柔軟性が低下し、"脳"の記憶力や情報処理能力が低下するとも言われています。実際に、ハーバード大学が実施した研究の結果、タスクを切り替えれば切り替えるほど、生産性が低くなることが分かっています。
では このような弊害があるにも関わらず、私たちは何故「マルチタスク」を止められないのか?
それは、「常に膨大な量の情報に囲まれているから」です。現代だと 例えばSNS・LINE・メール・電話など、生活が便利過ぎるが故に 様々な情報が、常に人間を襲ってきます。しかも 外部からの刺激が入ったとき、その善し悪しに関わらず、"脳"はアドレナリンを放出する為、人はどうしても新しいものに目を向けたくなってしまうのです。したがって、先ずは 注意を引く原因を減らすことから始める必要があります。
逆に…
【「シングルタスク」のメリット!】
当たり前ですが…
●「フロー状態になれること」です。
*私たちは、目の前の作業に完全に集中することを「フロー状態」と言います。「フロー状態」に入り易いタイミングは人によって異なり、スポーツや音楽、料理や読書をしている最中など、その人の関心事によっても変わってきます。「フロー状態」に入れば、人は普段よりも はるかに高い能力を発揮できるようになります。逆に「タスク・スイッチング」は、「フロー状態」の機会を根こそぎ奪ってしまうのです。タスクを次々と切り替えるというのは、すなわち 注意力が散漫している状態であり、フロー状態とは正反対の状態だと心得ることが大切です。「シングルタスク」は、思考の中にある邪念や外部からの刺激を排除し、集中力を維持することに役立ちます。「一度に1つの作業に集中して、生産性を上げる」を原則とする「シングルタスク」を習慣化すれば、「仕事」の質自体が上がってきます。
それでは…
【「シングルタスク」の極意!】
●「A・B・C 同時」よりも、「一点集中×3」が重要ということです。つまり どんなことも優先順位をつけて、一つずつ終わらせていくことです。
*例えば 忙しい時は歩きながら、メールチェックをしたくなります。しかし 打ち終わってから歩いたほうが早く駅に着きます。更に 転倒や事故のリスクも考えると、尚更 歩きスマホは効率が良いとは言えません。「マルチタスク」には、全く メリットがなく、AからBへ、BからCへと行ったりきたりする行動自体、最も効率が悪いのです。何故なら、先ず Aという活動を止めるのにエネルギーが必要ですし、AからBへと切り替える時間、BからCに行くか、Aに戻るかという判断にも"脳"は労力を割かないといけません。そして、切り替えが頻繁になるほど、ストレスホルモンの分泌は増えていきます。
つまり A・B・C を同時に進めるのではなく、いかに「一点集中×3」で終わらせるかが重要なのです。一点集中で、1つずつ「仕事」を片付けていく計画を立て、労力を割り当てることこそが、実は より戦略的な「マルチタスク」といえるのです。
最後に…
【「シングルタスク」に導く時間術!】
◆1.「優先順位を付けること!」
*成果に直結する「仕事」をする為には、先ずは 後回しにしてもかまわない些細な「仕事」と、本当に重要な「仕事」を分ける必要があります。先ず やるべきことは「重要 且つ 緊急」なタスクです。これらを真っ先に完了した後、改めて その他のタスクを精査することです。
◆2.「『時間を節約する』という考え方を捨てること!」
*時間を節約するのではなく、どうすれば 賢く時間を使えるかという視点を持つことが大切です。ここで活用できるのが、「タイムシフト」という手法です。これは 生産性の高い時間とリラックスする時間を交互に設けることです。1つの作業に集中して生産性を高める「シングルタスク」は、作業の合間にリラックスする時間を組み込むことで大きな効果を発揮します。座り「仕事」なら体を動かす、室内の「仕事」なら散歩する、時にはYouTubeを見るなど。このような時間を5~10分持つだけで十分にリラックスでき、その後の能率も上がります。
◆3.「そのタスクの目的を理解する!」
*そもそも 目的を理解しない限り、優先順位なんて付けられませんし、モチベーションだって上がりません。先ずは「何故 このタスクをやるのか?」をしっかり理解し、自分が納得することで、自然とマルチタスクで その「仕事」をこなすことはなくなります。単純ですが、これこそが 最も大切なことです。
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◎と言うことで…
この「シングルタスク」ですが、「仕事」以外の部分でも物凄く大切なスキルだと感じています。例えば、空いている時間に映画を見るとき。無意識に「スマホ」を確認してしまい、それだけで 様々な情報に触れてしまいます。結果、自然と"脳"がそこに対しての情報処理を要します。更に、メールを打つなどしてしまうと、どちらも効率が著しく低下してしまいます。その結果、「映画の何が面白かったのか?」まで深掘りできず、実は 映画にも、「仕事」に行かせる様々な"ヒント"が散りばめられてるにも関わらず、ただ 面白かったという印象で終わってしまいます。他にも 私たちの身の回りには、「仕事」に活かせる様々な情報に溢れています。しか「 情報爆発」により、全てを同時並行に進めてしまい、結果 全てが 中途半端になっているのかも知れません。
※「情報爆発」=マス・メディアの発達、とくにインターネットの普及により、人々の前に表出する情報は加速度的に増大していること。それにより 知る必要のない情報にまで触れてしまい、様々な問題が現れる状況です。
勿論 社会を構成する一員である人間は、多くの人と関わりながら生きています。「仕事」も 自分一人で進める訳にはいかないと思います。上司・同僚からの頻繁な電話やメール、急な用事を頼まれることもあります。
その上で 大事なことは…
●そのタスク一つ一つに自分の意思でしっかり優先順位を付けて、目の前のことを一個ずつ対応していくことが、最も効率が良く、学びも多いスタイルと理解することだと思います。
長くなりましたが、以上です。
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