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【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】「第29回:株式会社 ヴィレッジヴァンガードコーポレーション 」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。嫌いな人も多くいるであろう企業です!

第29回は、「遊べる本屋」を"キーワード"に、書籍、雑貨類、CD・DVDなどを融合的に販売している「株式会社 ヴィレッジヴァンガードコーポレーション」です。





【企業概要 】

株式会社 ヴィレッジヴァンガードコーポレーションは『愛知県』に本社を構え、全国に雑貨や本など、様々な商品を扱う店舗「ヴィレッジヴァンガード」を運営しています。店舗数は、358店舗(直営350店+FC8店)まで拡大し、売上は291億円(2020年期)となっています。特徴は「遊べる本屋」のコンセプトの基、ユニークな品揃えと、オリジナリティ溢れる店内の装飾です。独自のポジションを築き上げて来たことで、店内には「サブカルチャー」、「アコースティック」、「アンプラグド」、「アナログ」、「ネイチャー」、「アメリカンポップカルチャー」、「ノスタルジー」、「おしゃれ」などといった『言葉』を"キーワード"に、様々な商品が、宝探しをするかのように山積みに陳列されています。

個人的に例えるなら、雑貨業界の「ドン・キホーテさん」のようなイメージです。私も地元の熊本の大きなイオンの中に入っていた、「ヴィレッジヴァンガード」によく行っていたことを思い出します。


【ヒストリー】

今から約30年前に創業者であり現会長の「菊地 敬一氏」が、「自分が客だったら」という発想で愛知県名古屋市で開店したのが始まりです。開業にあたって参考にしたのは、「大和田 康司氏(俳優の大和田伸也と大和田獏の兄)」が名古屋市で経営していた書店、「ブックショップ大和田」です。 東京の出版社に勤務の大和田氏の後輩でもあった「菊地 敬一氏」は、「ヴィレッジヴァンガード」を始める以前に、出版社を脱サラして大和田氏の誘いで名古屋の「ブックショップ大和田」に入社し、働きながら陳列の仕方など『本屋』のノウハウを学び、1980年に2号店の店長を任されました。「自分で自由に好きなように経営していい」と言われた菊池氏は、木造りのカントリー調の外見の店に仕上げたり、車やアウトドアなど趣味性の高い本を数多く揃えたり、BGMにジャズを流したり、本だけではなく雑貨を置くなど、個性的な店づくりを行いました。

これが、後の「ヴィレッジヴァンガード」の経営で生かされることになったのです。夫婦で始めた「ヴィレッジヴァンガード1号店」は、中古の農業用の倉庫を利用したロフト風でした。ここに、ビリヤード台やジュークボックスやコミックや雑貨など置いていく中に、いつか 自由で開放的なロフト風の『本屋』をやりたいと思ったのです。

なお 店名の名前の由来は、ジャズ好きでもある菊池氏が、いつか『本屋』で"ジャズ"のライブをやるのが夢だったことから、ニューヨークにあるジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」の名から名付けられたそうです。


【雑貨業界について】

雑貨業界の市場規模は「約1兆円」と大きくはありませんが、意外なことに毎年「6.5%」ずつ成長している数少ない成長業界でもあります。

何故なら…

従来のインテリア雑貨は、勿論 近年では「アロマ関連商品」や「健康」「美容グッズ」などが人気を博しているからです。こうした根強い雑貨人気により堅調に推移していて、ショッピングセンターや商業ビル、百貨店、大型スーパーなどテナント誘致も多くなっています。

そんな人気に沸く雑貨業界ですが、一方で中小の企業や個人店も多く、参入障壁が低い業界でもあります。その結果、多くのプレーヤーがひしめき合う、競争が激化する傾向にあります。また、"トレンド"の移り変わりも早く、消費者のニーズを的確に捉えるのが難しい業界であることが特徴です。


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それでは、そんな「株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション」の"イケてるC.I."を紹介します。

【企業理念】

「我々はヴィレッジヴァンガードという、いままで世の中になかった独創的な空間を顧客に提供し続ける。」

ワン・アンド・オンリーのこの空間が美しく、力強く進化することを我々は永遠に顧客から求められるであろう。

我々が立ち止まることは許されない。我々は期待されているのだ。


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それでは、若手なりに「ヴィレッジヴァンガード」の成長理由を分析させて頂きます。

「株式会社 ヴィレッジヴァンガードコーポレーション」の一番の成長理由は…

●「超ニッチ戦略を取った点!」です。

それは、「ステキな店・便利な店」と認められることを捨て、むしろ「"ゴチャゴチャ"していて入る気が起きない店であり続ける」ということです。

ヴィレッジヴァンガードへの入店率は「約5%」というデータがあります。つまり 95%は素通りということです。これは、他の雑貨店と比べると物凄い低い数字です。しかし その数字を受けて、ヴィレッジヴァンガードの戦略が決まりました。それは 「寧ろ 5%の方に思い切り満足して貰えるような店を目指そう。それによって95%の方に満足されなくても構わない」というものだったのです。

世の中では「アマゾン市場」が拡大し、リアル書店は"大型化"で生き残りを図っています。そのどちらでもない自分たちの「生き残る道」は、これしかないという考え方に至ったのです。つまり、綺麗に整理された万人受けする書店を目指すのではなく、寧ろ 真逆の「ごちゃごちゃして、普通の人が入る気がしない店」を目指したのです。そして 少数のお客さまでも、1人ひとりの「客単価」と「リピート率」を上げることで、成長することが出来ました。


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〇それでは、更に 若手なりに成長理由を仮説で『3つ』上げさせて頂きます。

◆1.「店舗主義体制を取っている点!」

*ヴィレッジヴァンガードは、どの店舗をいつ訪れても、オリジナリティ溢れる魅力的なアイテムが並んでいます。何故なら、ヴィレッジヴァンガードは、本部と店舗、それぞれに商品の発注権があります。そのため共通で置いてあるアイテムもあれば、その店舗にしかない商品もあります。各店舗ごとの客層・ニーズに合わせ、商品ラインナップ、店頭ポップも異なります。どの店舗を訪れても、全く違った“ヴィレッジヴァンガードらしさ”を感じることができます。

因みに、現場のスタッフが選ぶものは、自店の客層や好みを考慮したものもあれば、単純に「自分がいいと思ったから」というものまで、様々です。実は、ヴィレッジヴァンガードは基本的に公序良俗に反するものでなければ、"何でもあり"にしています。その"自由さ"が店舗ごとのオリジナリティや、“ヴィレッジヴァンガードらしさ”を生み出しているのだと思います。


*先に述べた通り、基本的に各店舗の店長に運営が任せられています。その為、店長たちは会社のマニュアルが殆ど無いが故に、スタッフをどう取りまとめるか、様々な事を考えなくてはいけません。そこで、店長は本部と「連絡ノート」というノートを作って「やりとり」されています。ここで「自分がどんな、お店を作り上げたいのか?」「どんな方向に進みたいのか?」など、店舗の『ビジョン』を創り上げていくことが求められています。これは、業務連絡というよりは、店長の「考え」や「気づいたこと」を毎日、つらつらと書きなぐっているようなものでもあり、スタッフが起こした日々の小さな『行動』を題材に、その行動の本質を解説し、自店に対する方向性を提示するのが主な目的です。そして、これが基に各店舗の『ビジョン』が作られていく仕組みになっています。


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◆2.「売れた、売れないだけで判断しない点!」

*ヴィレッジヴァンガードには目的買いのお客さまは非常に少ないです。その為、お客さまが求めるものを、検索し易いように並べることは他の会社に任せていると言ってもいいかも知れません。ヴィレッジヴァンガードの存在意義は、お客さまが普段、中々 手にしないであろう商品との出会いを演出することです。その演出する手段は犯罪でなければ何でも構わないのです。お客さまが、まだ気づいていないニーズに気づかせ、普段の生活の幅を少しでもいいから広げられる『行動』をトコトンやり抜く。そして、「モノを売るのではなく、そのモノにスタッフの"想い"を乗せて売場を創る」ことを、最も意識されています。


*ヴィレッジヴァンガードでよく上げられる例えがあります。それは、「土に農薬をばらまいて大量生産した野菜を市場に出すようなことはやめよう。一時的に野菜は売れるが、我々に求められていることではないので、直ぐにダメになるはずだ。また、土を一度 薬漬けにしてしまうと、元に戻すのは非常に難しい。お客さまを維持し続けることはそんなに甘くない。」というものです。

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◆3.「独創的な"POP"で世界観を演出している点!」

*ヴィレッジヴァンガードの特徴はの一つに「POP」があります。そのPOPを読んで、その商品を使っている時の情景が生まれたら成功と定義付けられています。ただ 機能やら、アーティスト情報やらを、つらつらと書くのではなく、『感覚』を"言葉"にしてます。

黄色地に緑色の縁取り、右下にロゴマークの入った専用の用紙に描かれた独特の文章で商品の『特徴』を端的に説明されています。このPOPは「商品を高く評価するもの」から「商品を敢えてディスるもの」まで様々なものがあり、非常に人気です。

これは、創業者の「菊地 敬一氏」が、POPが決め手になると考え、商品を如何に楽しく伝えるのかに注力してきた名残りが、今では『個性』となっています。これは、多少 ふざけていてもポイントをついて、商品の説明が"きちんと"されていればOKです。例えば、不味くて食べられないようアメリカのお菓子をお店に置いた時、半ばやけくそに「まずい!めちゃくちゃまずくて罰ゲーム用」と書いたら飛ぶように売れたという話もあります。


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◎と言うことで…

ヴィレッジヴァンガードについて調べましたが、ターゲットの「大胆な割り切り」が"凄い"です。これにより、例えば POPを作る際も、お客さまのイメージが頭に浮かび、その人の為だけの"言葉"を創ることが出来ると思います。ただ、ヴィレッジヴァンガードの難しいところは、仕入れをどれだけ各店舗に任せるかだと思います。店長の『個性』や『判断』を売り場に大きく反映させる販売戦略は、独創的な売り場を構築することは出来ますが、ただ、店長の『勘』や『経験』に頼った仕入れをすると間違いなく「過剰在庫」になると思います。これにより、どの店舗も品揃えが似通ってしまい、店の『個性』が薄れてしまうはずです。何故なら、仕入れは 自分が売りたい商品を大量に仕入れてしまうことがよくあるからです。実は、私も以前、仕入れの仕事を経験していましたが、自分が売りたい商品を対象に仕入れいて、結果的に過剰在庫にしてしまった経験があります。

実際に、去年からPOSシステムを導入され始めたということで、「データ」と「勘」を、如何に融合させて行くのかが、今後の"鍵"になると思いました。

ちょうど 以前、似た業態のドンキホーテさんを調べましたが、ドンキホーテさんは、各店舗に仕入れを任せつつも、必ず店舗に一人「在庫担当」をつけて、「仕入れ担当」と、敢えて意見のぶつかり合いが起きる環境を作られていました。


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●それでは 最後に、C.I.について、若手なりに一言いわせて頂くと…

C.I.の中に「独創的」という言葉があるように、まさにC.I.通りのお店を演出されていて分かり易いと思った一方で、もう少し その「独創的」を言語化する必要もある気がしました。言い換えると"らしさ"です。幾ら『店長』に運営を任せてるとは言え、『社長』の頭の中には、理想とするお店の"世界観"があると思います。その頭にある世界観をもう少し言語化しつつ、各店舗がその世界観を理解した上で運営できると、規模拡大もし易いと思いました。

また、ヴィレッジヴァンガードさんは、商品というよりも店舗自体で演出されている中で、コロナで中々

店舗に足を運ぶことが難しくなった今、このタイミングで 今一度、C.I. 更には「ビジネスモデル」からを見直す必要もある気がしました。


また 出来れば、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。

*concanが考えるC.I.とは?

https://www.concan.co.jp/post/topics-ci

本当に、若手が生意気言って、申し訳ございません。

長くなりましたが、以上です。

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