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株式会社コンカン

【イケてる企業のC.I.を切る】「第5回:株式会社 資さん」

第5回は、北九州発祥の"ソウルフード"「資さんうどん」豊富なメニューと 「味よし、価格よし、元気よし」のお店として知られ、経営理念に「幸せを一杯に。」を掲げている「株式会社資さん」です。



創業 昭和51年(1976年・北九州市戸畑区土取町に一枝店が開店)・設立 は、昭和55年(1980年/有限会社さぬきや食品)で、現在の売上高は、 約72億円を上げる「ローカルうどんチェーン店」です。現在「資さんうどん」は、第二創業期に入り、新たな挑戦をされています。 *2015年に創業者の大西 章資氏が亡くなられ、後継者問題などから福岡銀行等が出資する「福岡キャピタルパートナーズ」が株式を取得した後、2018年に投資ファンド「ユニゾン・キャピタル」が全株式を取得し、さらなる広域展開を計画している。 では、「資さん」の「イケてるC.I.」の一部を紹介します。 【経営理念】 「幸せを一杯に。」 『いつの時代も、どんな場所でも「最高の一杯」をお届けし、一杯を通じて幸せを分かち合います。』 「資さんが目指すこと」 北九州を中心に、1976年創業の人気うどん店「資さんうどん」を展開している株式会社資さん。私たちは資さんの伝統をさらに進化させ、常に本物の美味しさへの挑戦を続けます。「この街に資さんがあってよかった!」と、すべての地域の方々に思っていただけるように、皆さまに元気とぬくもりをお届けします。

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【成長の理由分析】 まずC.I.について「福岡の三大うどんチェーン」の中で、ぐんを抜いて完成度が高く、言葉と全ての施策が一致している所が素晴らしいです。 それでは「資さんうどん」が成長している理由を、第一創業期と第二創業期あわせて"3つ"上げさせて頂きます。

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■1.「こだわりのだし」を創った創業者の想い!(ソールフード) *創業者の大西 章資氏は、奥さんと二人三脚で一号店をオープンさせ、「うどんは、だしが命。 作りたてでないと美味しくない」という"こだわり"から、だしを工場一括生産ではなく、各店舗で手作りしています。その「こだわり」と「ドミナント出店」で北九州で「ソウルフード」と呼ばれるまでの「ブランド」を一代で創り上げられました。 しかし 創業当時は、中々美味くいかず、これじゃ駄目だと、2年間 日本中のうどんを食べ続け、出汁に こだわった(鯖やうるめ、昆布、しいたけ)今の味を作りました。 *その他の魅力 〇1.トッピングの多さ(20種類ほど)。 〇2."ぼた餅"やカレー、丼もの、朝の定食などサイドメニューが充実。 *資さんは、言わば「うどんのファミレス」のような感じで「ここに行けば、何かがある」と思われています。

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■2.お客さまの声を起点とした経営!(顧客第一主義) *お客さまのニーズを重視し、お客さまの声をしっかり聞いて、それに対して真面目に回答しています。 だからこそ改善出来て、お客さまの方を向いた「DNA」が築かれたと思います。 〇1.「戸畑」という工業の街でやっていたので、パンチのある癖になる味にし、お客さまが北九州から離れても、また食べたくなる味にしている。 〇2.お客さまの意見を聞いている内に、100種類以上に広がったメニューを開発。 〇3.かつては、全店で24時間営業を行なっていたが、2016年3月から一部店舗で深夜営業を終了した。 *お客さまに対する責任感=資さんプライドがそうさせています。 〇1.資さんは、月に複数回来店するお客さまが、25%という強烈なコアファンに支えられている。 〇2.資さんファン(大きな財産)=商品+店舗(人/店員)。 〇3.店員→気持ち良い接客、心地の良い雰囲気作り。

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■3.第二創業期の経営陣の戦略と社員への想い!(C.I.開発) *現社長の「佐藤 崇史氏」は、多種多様な業界を経験された経営のプロ(ソニー、ボストン・コンサルティング・グループ、ファーストリテイリングなどを経験)として、まず取り組まれた事は、「創業者の想いが言葉になっていなかった」ため、人によって、行動にバラツキがでるとして、新たな「経営理念」を策定されました。 〇1.直接 お客さまの前に立つ「スタッフを主役」に再成長させる為に、「資さんうどん」の持つ価値を守り、育てていくことが先決。 〇2.社長自身も現場に立ち、スタッフから、「じゃま、遅い」と言われながら現場を知ることで、実際の改善に必要な部分を現場から学び、スタッフとの距離を縮めている。 〇4.現在 特に取り組んでいることは、社内の変革、特に人材育成。 *この理念の策定は「自分たちが目指すべき方向性」を明確に言語化したことで、意識統一が図れる「基盤」ができたことです。 *佐藤社長の経営の考え方:カリスマリーダー→チーム経営の時代へ。1人が考えて指示するのではなく、それぞれの"力"で成長し続ける。

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◎と言うことで… 成長し続ける理由は、まだまだありますが、カリスマ創業者が亡くなられ、その「スピリッツ」と商品や店舗などを含めた「ブランド」を引き継ぎながら進化させる為に、新経営陣が、自ら店頭に立ち、まずはC.I.の開発からスタートされ、社員の方々の気持ちを一つにされる努力をされています。 また、経営体制が変わったことにより、事業方針や組織運営も変革期を迎え、人事部門も整備されています。 しかし、すぐに人事責任者を置くことは難しい状況の中で、複数社で人事責任者を務め、組織変革期の制度改定や風土改革・人事部門の組成を支援される高橋氏(マイクロ人事部長)が参画されたことも大きく、これからの「資さんうどん」の動向が楽しみです。 しかし、今後 日本の人口減少による市場の縮小や、「うどん激戦区」の博多には、「牧のうどん」や「ウエスト」があり、如何に戦いながら共存して行くかが問われる所です。 次は、全国展開や海外進出が検討されていると思いますが…

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◎最後に、C.I.について一言いわせて頂くとしたら、C.I.の整備はされていますが、「企業理念」(不変の想い)と「経営理念」(経営指針)の違いが見え難いと思いました。 また WEBサイトの表現を、もう少し「ポリシー」(C.I.の表現化)を出された方が良いのになと感じています。

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