今日は、concan代表が思う そして 厚生労働省も言っている 中小企業で『責任者一人』が、直接『部下』を"きちんと"管理できる人数は「10人前後」であるという話を書きます。 ~副題:その時「経営者」の対応で、その後が決まる!~
先ずは、「踊り場」の意味と由来について紹介します。
●踊り場とは?
階段の途中にある、やや広くなっているスペースのことですが、この「踊り場」は、明治時代から現れました。
江戸時代は、幕府のお触れで、「庶民は、三階建以上にしてはならない。」となっていました。
しかし、明治時代に成って、西洋より「近代建築」が入ってきて、日本にも高い建物が建つようになり、危険防止も含めて、広まっていきました。
また、名称の由来は、明治になり「鹿鳴館」で知られる"舞踏会"が開催されることが多くなり、ドレスをきた婦人達が、階段の途中で、「ヒラリ、ヒラリ」と方向を変えるのを見た当時の人々が、「まるで踊っているようだ!」と思ったことから「踊り場」と言われるようになったそうです。
それから、経済用語として使われる「踊り場」の意味は、景気が上昇する局面で、景気の回復が鈍り、「横ばいの状態」にあることを指しています。
今回は、こちらの意味の「踊り場」の話です。
●では、本題に入ります。
中小企業向けの「経営コンサルタントの間では、「大抵の中小企業は、社員数が10人前後で"踊り場"を迎える」とよく言われます。
階段を『グィっ』と上がって来たのに、次の階へ向かう前の"踊り場"で、社員が 10人くらいになると、何故か 『停滞』が起こり易くなります。"踊り場"を抜けると、会社の拡大スピードは、『グッと』上がるのに、ここで『コケる』と、現状維持から やがて衰退に向かってしまいます。どちらかと言えば 圧倒的に 後者の『コケる』会社の方が多いのが現実です。
この『10人前後で"踊り場"が来る』のには『3つ』くらいの理由があります。
【10人前後で"踊り場"が来る3つの理由!】
◆1.「経営者が、直接管理できる人数は7人~10人程度!」
〇社長が、トップダウンで マネジメントしている会社は、10人前後まで人が増えた後、8人に減り、また11人に増え、そして また9人に減るなど、こういう状態を繰り返します。
*厚生労働省より、10人以上の会社は、「就業規則」を作らなければならないと義務化されている。
◆2.「経営者以外の管理者が育っていない!」
〇経営者が管理者を兼務していて、後の社員が皆 一兵隊のような『人間関係』の中で、10人もいると「派閥問題」が、起こり易くなります。よくある派閥争いが、社長を巡る『創業組』と『新参組』の争いです。
*社長と一緒に苦楽を共にした『創業組』と、新しく入ってきた『新参組』が、同人数くらいになると、争いが起こる。
*よくある争いが、創業組が「あいつらは、気合が足りない」と言えば、新参組は「創業メンバーのやり方は、もう古い」のような話になる。
◆3.「創業者ルールの存在!」
〇『創業組』は、社長と苦楽を共にしていますので、「創業者ルール」を把握し、社長の言動や行動に理解を示しますが、『新参組』は、他社から移ってきた為、他のルールを知っていますので、創業ルールを中々 理解できません。
*この軋轢が原因で、転職してきた社員も 直ぐに辞める事態が頻発する。
では、次に…
【"踊り場"から抜け出て成長路線に乗る3つの方法!】
ただ 「会社規模」を拡大するだけが経営ではありませんので、自分の信じる道があれば、ずっと10人ぐらいの会社にしておくのも一つの手だと思います。
◆1.「経営者以外の管理者を1名 選び、英才教育する!」
〇人望があり、マネージメントが出来そうな社員を教育して、「社長の右腕」に育てます。
*『阿吽の呼吸』で、その社員が、社長と同じように動けるようなレベルでマネジメント出来るように育てて上げる。
*その為には、経営者の『思想』や『理論』を全て浸透させなければならない。
◆2.「社内ルールを整備し、透明化する!」
〇創業時のルールを見直し、例外や悪い習慣などを排除し透明化します。
*これまでの『悪い風習』を無くし、社内のルールを整備する為には、経営者の英断が必要。その為に 管理職を育て、社内のルールを作り オープンにする。
◆3.「企業理念、事業ビジョン、経営理念、行動指針などを浸透させる!」
〇企業の根幹となるC.I.(コーポレート アイデンティティ)を創り、これを社員に"きちんと"説明し、理解させ、『阿吽の呼吸』で動けるような「右腕社員」を育てる事が必要です。
*Fhilosophyを、業務にしっかり落とし込む。
◎と言うことで…
中小企業は、社員数が「10人前後」になると"踊り場"がやって来る その理由と、解決策について書いてきましたが、『企業の変革』は、漠然と「組織を変える」と考えるのではなく、今 目の前にいる社員の"成長"に『コミット』することだと思います。それこそが、『マネジメント』です。
だから、「別に、社員に嫌われることを恐れてはならないし、厳しい事を言わなければならない局面では、それを躊躇してはならない」ことが大切です。
それから 経営者は、まず 何事も率先してやり、社員に見せ、聞かせながら、社員と一緒になって やっていく事が必要だと思います。所謂 社員に寄り添いながらも、逆に 社員から「教えて貰う」こともあると思います。この『スタンス』が、一番大切な気がします。その上で、経営者は、社員に『仕事面』や『生き方』で 背中を見せられたらいいと感じます。すると、社員(人)は変わり、成長します。結果として「企業」は成長するのです。
●最後に、私が 好き言葉を書いて終わります。
帝国海軍の名将
連合艦隊司令長官『山本五十六』が残した言葉
●「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、誉めてやらねば、人は動かじ」。
長くなりましたが、以上です。
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