今日は、コロナ禍での「経営の舵取り」について考えてみます。
「コロナ禍」で事業を取り巻く環境が厳しい中、経営者は難しい"舵取り"を迫られています。そこで 今回は、「会社を潰してしまう経営者と、伸ばすことができる経営者」の違いについて紹介します。
まず、経営者として 一番 致命的なのは、「見えっ張りな人」です。その上で、会社を"ダメ"にする経営者には、大きく"4つ"の共通点があります。
それは…
◆1.「明るく」
◆2.「元気で」
◆3.「大ざっぱで」
◆4.「見えっ張り」というものです。
「明るく、元気で」の"2つ"だけを取り上げれば、悪いことではありません。明るく、元気でなければ、何かと"苦労"の多い中小企業の経営者は務まりませんし、社員も陰気で、覇気のない"トップ"の下では「モチベーション」が上がり難いはずです。しかし、「大ざっぱで、見えっ張り」なのはかなり『問題』です。
「大ざっぱな経営者」は、細部まで注意が行き届かず、細かい配慮もできず、経営が雑になりがちです。特に、"数字"に「大ざっぱ」な経営者は、ビジネスで求められる「モノ事を出来る限り具体化・数値化すること」が"苦手"です。
自社の『売り上げ』や『利益』の"数字"をかなり違って記憶している人もいます。また、『経理』をごまかされていても手遅れになるまで気づかないこともあり得ます。
それでも、「大ざっぱ」は、"数字"を見て考える訓練をすることである程度 矯正することが出来ます。『経理』や『財務担当者』に補佐して貰うことも可能です。財務の"数字"の扱いに、『財務担当者』よりも詳しくなる必要はないと思います。
経営者は、会社の業績に最も責任を負う立場なので、大事な"数字"は 何かを理解して、その大事な"数字"をきちんと把握していることが大切です。
一方で、「見えっ張りな人」は 経営者としては致命的です。少し経営が軌道に乗っただけで『本分』を忘れて 「外部団体」の肩書・地位を欲しがったり、社長室を"豪華"に飾ったり、会社の"金"で高級車を買ってプライベートでも乗り回したり、飲み歩いて散財したり、時には "借金"をしてでも『経営者仲間』や『取り巻き』に"いい格好"をしたがる経営者は、ほぼ 確実に会社を"ダメ"にしていると言います。
『メンタル』が強くなければ、会社を"伸ばす"経営者になれません。「大ざっぱで、見えっ張り」は"論外"として、「明るく、元気なこと」が、会社を生かす経営者の条件になるのかといえば、そうとも言い切れません。
経営者の『メンタル』は意外に弱く、普段は「明るく、元気な経営者」なのに、業績が悪化すると耐えられなくなり、経営意欲を失って 放り出したり、精神的に参ってしまい 経営が続けられなくなるケースも多く 見られます。
つまり、『メンタル』が強くなければ、会社を"伸ばす"経営者にはなれないのです。『メンタル』は、鍛えることが出来ます。『テクニック』以外で言うと、その最良の方法は、「論語」や「老子」などの中国の古典や、「聖書」や「仏教聖典」のような何千年もの間、多くの人が 正しいと信じて読み継がれてきた"本"を読むことに加え、「道徳者」(人格者)の"話"を聞いて学び続けることで、「生きる"根本"の信念」を身に付けることです。そうすると "強く"生きられます。
こうした"本"や「道徳者」(人格者)の"話"には、人が正しく生きていく上での『真理』が含まれていて、理解が 深まるに連れて「正しい信念」が身に付き、色々なことが起こっても 『精神的な安定』が得易くなります。
しかし、『メンタル』を鍛えて「正しい信念を持つ」だけでは不十分です。経営上の"工夫"も必要です。会社を"伸ばす"経営者になる為には、実行すべきことがあります。
景気には好況・不況の波があります。経営者は、景気の波に あらがうことは出来ず、波に対応した経営をしなければなりません。
それには…
◆1.「自己資本を厚くし、自分たちが自由に使える手元資金を多く持つこと」
◆2.「自社の"強み"を生かして、変われる体制を普段から構築しておくこと」
◆3.「景気の波に耐えられる事業構造がつくること」
この"3つ"が必要です。
今も続く「コロナ禍」では、『飲食業界』や『旅行業界』と同じように『イベント業界』も需要が消滅し、生き残れるかどうかの"瀬戸際"まで追い込まれています。
そうした中で、「ピンチをチャンスに変える経営者と、ピンチで没落する経営者の明確な違い」の例として挙げられる会社があります。それは、イベント会社の「ワン・ステップ」で、イベントで使う『エア遊具』(ふあふあ/空気で膨らませた滑り台など)の技術を生かして「医療用テント」を創ったり、子どもたちが 他人との接触を避けて遊べるような「一人で遊べる遊具」を創ったりして会社を存続させました。これは、自社の"強み"を生かして、変化に対応した好例です。
会社を"伸ばす"経営者になる為には、「正しい"信念"」を持つことで自身の『メンタル』を鍛え、「事業構造」を考えた上で、自社の"強み"を生かして"ドンドン"環境の変化に対応して変われる"体質"を普段から持っておき、「自己資本」比率、手元流動性を高めに持ち、これらを常に意識し、実行していくことが必要です。
◎と言うことで…
concanが考える「会社を"潰す"経営者と、"伸ば"す経営者の違いとは?」と題して書いてきましたが、私も経営者の端くれとして"想う"ことは、経営者は、経営の前に まず 自分自身の「生き方」や「考え方」を学び、己の『軸』=『判断基準』
所謂 「自分のものさし」を持つことが"先決"だと思っています。それは、個人として「アイデンティティ」を確立することです。
これを 私は、『H.I.』(Human Identity)
「生き方論」と言っています。
それは…
「私は、どんな人間になりたいのか?」(人格)
「何をしたいのか?」(仕事) 「私に とっての幸せとは 何か?」(価値) 「なぜ ここにいるのか?」(存在)など、
「自分の生き方」を決めることです。
現代社会は、IT技術やテクノロジーの進歩によって、時代の変化のスピードが速く、情報が溢れています。
その中で、自分自身の『判断基準』 所謂 「自分のものさし」を持つことは非常に重要です。この『判断基準』の核になるのが「価値観」です。
「価値観」とは、『自分が大切に、大事にしたい考え方』です。人生の中で「充実している!」 「幸せだ!」と感じられる時は、自分の「価値観」が満たされている時です。
私たちは、日々の『思考』や『行動』に於いて、「選択」を繰り返しています。 そして この「選択」の"判断基準"となっているのが「価値観」です。自覚はなくとも、「人生」を形作っているのは 紛れもなく「価値観」であり、「自分らしさを最も"象徴"するもの」です。
自分の「価値観」に沿った「生き方」が出来ると、"やる気"が湧き水のように溢れ出し、傍から見れば 「苦痛」にしか見えないことも "苦"ではなくなり、むしろ "楽しい"、そんな境地に立つことが出来ます。
経営者は、自分自身の個人としての「アイデンティティ」を確立した上で、自社の企業としての"指針"、所謂『C.I.』(Corporate Idetity)を定めることも不可欠です。
私が考える『C.I.』とは、「企業のあるべき姿」と「進むべき道」を明確に言語化し、社内外での「共通認識」として「意識統一」を図る為の"言語化ツール"として捉えています。
この「C.I.」は、「企業の想いが、分かり易く表現され、一般生活者から"共感"を得るもの」でなければなりません。
この考え方を、私は「C.I.メソッド」と表現しています。
この言語化した『C.I.』があると、いつでも 原点に立ち返り(原点回帰)、進むべき方向を確かめる事ができます。
所謂 企業としての「判断基準」が出来るのです。
これが「"よりどころ"をデザインする。」です。
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