現代に生きる私たちは、多くの情報が溢れ利便な生活を送れる一方で、沢山の情報に毎日さらされることにより、心が疲弊し易いのも事実です。また 以前と比べ、厳しく叱れることに慣れていない人が多い時代に於いて、誰かに叱責されたりすると、激しく動揺してしまう人がいます。しかし このようなことに、いちいち 深く考えて動揺していては心が持ちません。では 何ごとにも動じない心を持つには、どうすれば良いのでしょうか?今日は、このことについて、調べてみようと思います。
●まず…
【「フラストレーション耐性」とは?】
*ちょっとしたミスをして、誰かに叱責されたりすると、激しく動揺してしまう人がいます。一方で そんな時でも、あまり動揺せず冷静に対処できる人もいます。この精神的な動揺を抑える力のことを、心理学では「フラストレーション耐性」と言います。「フラストレーション」とは、直訳すると「欲求不満」のことです。
もう少し詳しく調べてみると、「『こうしたい、こうなりたい』という欲求がありながら、その欲求が満たされない時に起こる心理的な不満」のことです。「失敗なんてしたくない」「人に叱られたくない」という強い想いがあるのに、そんな思いに反して、失敗をしたり、誰かから叱られてしまったりする、このような時に生じる不満が「フラストレーション」です。そして その不満が背景となって「心の動揺」を生みだすのです。そんな状況に対して耐える力があり、冷静に対処できるタイプの人は、「フラストレーション耐性」が強い人と言えます。私の周りにも、叱られても、反省したら直ぐに忘れられる人がいます。考え過ぎる私からは、その様な人は羨ましく見えます。まさに「フラストレーション耐性」が強い人です。
●では…
【「フラストレーション耐性」が強い人の4つの共通点】
*「フラストレーション耐性」が強い人には、以下の"4つ"の共通点があることが分かっています。
先ず、結論から…
◆1.「楽天的に物事を考える!」
◆2.「物事に固執しない!」
◆3.「諦めが上手い!」
◆4.「気持ちの切り替えが早い!」
ここから一つずつ見て行きます。
ーーー
◆1.「楽天的に物事を考える!」
*物事に動揺しないタイプの人には、「楽天的である」という特徴があります。「失敗の後は良いことが起こる」と考える人とも言えます。
では、楽天的とはどういうことでしょうか? アメリカの映画女優「アン・バクスター」の"言葉"に「私は、失敗を怖れたことはない。何故なら、良いことは、失敗の後にやってくることを知っているから」という有名な"言葉"があります。悲観的な人は、一度 何かで失敗すると「また同じ失敗を繰り返すことになるのではないか?」という心配に襲われる場合が多くあります。何か悪いことが起こると「この先もずっと悪いことばかりが起こるに違いない」という気持ちになってしまいます。すると 精神的に、益々 激しく動揺してしまうのです。
*しかし 「楽天的な人」は、違います。「今回 失敗したから、次は成功する番だ」「悪いことを経験したから、今度は良いことが起こるだろう」このように考えることが出来るのです。まさに 先ほど述べた「アン・バクスター」の"言葉"にある考え方です。当たり前ですが、失敗ばかりの人生や悪いことばかりが起こる人生などあり得ないのです。失敗の後には、良いことがやってきます。「苦あれば楽あり」という諺もありますが、これも「悪いことのあとには、良いことがある」という意味です。そのように楽天的に考える習慣をもつことで、心が動揺しなくなるのです。
ーーー
◆2.「物事に固執しない!」
*これは「何がなんでも」と固執しないこととも言えます。「物事に固執する」という性格が強い人ほど、上手くいかない事態に直面すると、激しく心が動揺します。
例えば「何がなんでも仕事で成功したい」と固執している人は、仕事の業績が少しばかり低迷しただけで「何故なんだ? どうすればいいんだ?」と動揺してしまいます。実は恋愛でも、「どうしても、あの人と交際したい!私が幸せになれる相手は、あの人しかいない!」と強く固執している人は、相手から ちょっと冷たい態度を取られただけで「嫌われてしまった!」と、心を取り乱してしまうという実験結果もあります。
*ここで大事なことは、「心が動揺すると、何をどうすればいいのか分からなくなって、冷静な判断力を失ってしまう」ということです。その為に、取り返しのつかないミスをして、更に 手痛い失敗を招くことにもなりかねません。また 本当は、まだまだ 相手から愛されるチャンスもあったのに、絶望的な気持ちにかられた為に、自ら身を引く行動にでる場合もあります。この様な状況に追い込まれない為には、「固執しない」ことが大事になります。「仕事で成功したい」「好きな人と結ばれたい」と願うのは良いことですが、「何がなんでも」「どうしても」という強い想いをもち、それに執着することは禁物ということです。それは、固執に繋がっていくのです。あくまで 強い想いを持ちながらも、頭は冷静になり余裕感を持っておこくことが大切ということです。
ーーー
◆3.「諦めが上手い!」
*よく「諦めるな」と言われます。勿論 辛いことがあると直ぐに諦めてしまっては、大きなことは何も成し遂げられません。しかし 一方で、どう頑張っても不可能なことがあるのも事実です。そのような時は、上手に諦めることも必要になります。どう考えても無理だと分かったのに、それでも頑張ろうとすれば 不満が溜まってしまうばかりです。更に言うと、ただの思考停止状態です。
*「諦めは心の養生」という諺もあります。これは「諦めなければならない時は、思い切って諦めてしまう方が、心の健康に良い。そのことを、いつまでも諦めないでいることは、心の健康に悪い」という意味です。心が健康であれば、また別のことにチャレンジする時に、「今度こそは、やってやるぞ!」という精神的なパワーが生まれます。しかし 心が不健康な状態になると、そのようなパワーがなくなり、立ち直る力を失ってしまうのです。
また、この「諦」という文字には、「真実を明らかにする」という意味があります。つまり、「これはもう、頑張っても不可能だ」という真実を明らかにすることが、「諦める」という"言葉"の本来の意味です。「頑張れば、どうにかなる」のか、それとも「頑張っても、どうにもならない」のかを正しく見極めることも、「動じない生き方」を実践するうえで大切になるということです。
ーーー
◆4.「気持ちの切り替えが早い!」
*上手くいかない時があった時、気持ちの切り替えが早い人は、心が動揺しても、そこから早く抜け出すことが出来ます。ここで大事なことは、「気持ちを切り替える為の自分なりの方法をもっている」ということです。落ち込みやイライラ、怒りといったネガティブな感情は、そのまま放置しておいても、前向きな気持ちに切り替わっていくことはありません。何か具体的なことをすると、マイナスの感情からプラスの感情へと切り替わっていくのです。例えば「親しい友人と会って楽しくおしゃべりをする」「旅行に出かけて気分転換する」「スポーツで思いっきり汗を流してリフレッシュする」「お風呂にゆっくり入ってリラックスする」など、何でもいいのです。
*ここで大切なのは、「自分にあった方法で、気持ちを切り替える」ことです。例えば
雑談が苦手な人が、無理に友人たちの前で明るく振る舞ったりすると、返って心が動揺し、落ち込みが激しくなる危険性もあります。ですから、気持ちの切り替え方法として、自分には どのようなことがあっているのかを、よく知っておくことも大切になります。
ーーー
◎と言うことで…
「何ごとにも動じない人の"4つ"の共通点」について書きましたが、大前提として、心の動揺の理由をしっかり言語化していくことが求められます。これは難しい事と思われますが、単純に 自分の気持ちを誰かに話したり、紙に書き出したりしてアウトプットをするということです。すると、事実が浮き彫りになり、自分を客観視することが出来ます。「自分はこういう時にストレスを感じるんだ」「こんなことを言われたら落ち込み易いんだ」と自分自身を分析することができ、改善策も見えてくることがあります。
ここで大事なことは、自分の気持ち(喜怒哀楽)を忘れないうちに、直ぐにどこかにメモすることです。後で振り返っても、人間は辛い気持ちは忘れる本能があります。だから 忘れないうちに、直ぐにメモすることです。そして 今の気持ちを他の人と共有したり、意見交換したりすることで世界観が広がり、自分の気持ちを切り替える"きっかけ"となるのです。
また、そもそも 何故 動揺してしまうのか考えてみると、他人の意見や周りの環境に心が揺さぶられてしまうからです。逆説になりますが、結局は 自分としっかり向き合い、自分を理解すると、いちいち周りの現象に動揺する必要もなくなります。
つまり…
●「"自分軸"を創り上げることで 全ての事実を受け入れることができ、その結果 いちいち 動揺しなくなる」とも言えるのです。長くなりましたが、以上です。
Comments