「凡人は模倣し、天才は盗む」という名言を ご存知ですか? 実は これは天才画家の「ピカソ」が残した名言です。凡人は誰かの模倣をするだけで終わるけど、天才は誰かのモノを自分に取り入れ、自分らしい形に出来るという意味です。 実は、天才画家と呼ばれていた「ピカソ」ですら、「盗む」ことを重要視して創作活動を行ってきたのです。しかし 今は「パクリ」という言葉があるように、「盗む」ことは 悪く思われがちです。では 現代で言う「凡人は 模倣し、天才は盗む」の本当の意味は何なのでしょうか? 今日は、このことについて書きます。
先ずは…
【「ジョブス」も盗む天才だった?】
*例えば 文章を書く際にも、誰かの文章を盗むことに罪悪感を感じるかも知れませんが、実は 天才と呼ばれた人達は みんな「盗む」天才だったのも事実です。Apple創業者である「スティーブ・ジョブス」も、その一人として有名でした。ジョブスは 誰かのアイディアを盗んで、アップルの製品に取り入れる天才だったそうです。
例えば「スマートフォン」を最初に作ったのは、アップルだと思っている人は多いかも知れませんが、実は そうではありません。最初に作ったのは「ノキア」という会社で、アップルは「ノキア」のアイディアを真似た上で、独自のデザイン性を加えて「iPhone」を作ったそうです。
そもそも「真似る」と「学ぶ」は、両方とも「まねぶ」という言葉が語源です。真似るは学ぶであり、真似ることは「自分らしさ」を掴むために必要不可欠なことだと思います。
結論…
【「凡人は模倣し天才は盗む」とは?】
*この言葉は「ピカソ」の言葉ですが、「模倣」なのか「盗み」なのかが、凡人と天才を分けるポイントということです。
「模倣」というのは、その人のコピーで、そこには『オリジナリティ』は 存在しません。天才は、この模倣という段階で終わらすことはありません。模倣したモノを組み合わせることで新たな価値観を生み出しているのです。そして それが「盗む」ということです。
◆模倣する(copy):表面的な部分だけを そっくりそのまま写す。他人とまったく同じことをする。
◆盗む(steal):他の優れた部分だけを盗み、自分の中で組み立て直す。
では…
【よい「盗み」とは何か?】
「良い盗みとは、一体 何なのでしょうか?」これについては、多くの意見がありますが、大きく以下の"3つ"を満たすことが、良い「盗み」と言われています。
■1.「複数の参照元から盗む!」
■2.「遠いところから盗む!」
■3.「自分の軸を持って盗む!」
■1.「複数の参照元から盗む!」
*例えば 文書を書く際には、たった 一人の文書を盗んだところで、オリジナリティのある文章は書けません。尊敬するブロガー10人の文章から、それぞれ 良い部分を盗み、それを自分のモノにすることで、自分らしい文章になります。絵画では模写という練習法があるそうです。これは、お手本を見ながら描いて、やり方を模倣することです。つまり 最初は 一つの模倣から入り、次第に多くの絵画を盗みながら、オリジナルティ化していくのです。10人分の模写が出来れば、その人の絵画が模写だとは誰も思わないはずです。
■2.「遠いところから盗む!」
*当然ですが、近いところから盗んでも、ほぼ 同じモノが完成します。例えば 絵画の場合だと、同じテーマの絵画から盗んだところで、段々 その絵画と同じようなモノになっていき、寧ろ オリジナルティは無くなります。大事なことは、遠くから盗むことです。ビジネスの世界でも「IT×農業」と言った、遠い分野を掛け合わせることで、新しいモノが出来上がります。絵画でも、遠いテーマのモノを盗むことで、今までに その分野には無かった、新しいモノが出来上がるのです。
■3.「自分の軸を持って盗む!」
*実は、これが最も大切なことです。自分の「意志」や、強い「拘り」がないと、表面的な模倣になってしまいます。例えば 絵画の場合でも、どんなに盗んだとしても、自分の「軸」は絶対に曲げてはいけません。寧ろ 他の絵画を盗みながら、自分の「拘り」をより際立たせていくことが大切なのです。自分の「軸」がなければ、至るところから表面的な模倣だけをしてしまうのです。
◎ここまで纏めましたが…
私 個人も、「盗む」ことに対する、捉え方が大きく変わりました。それと同時に「模倣」で終わることも絶対にやってはいけないと思いました。実は 私も仕事にて、徹底的に「模倣」だけに拘ってやっていた経験があります。この時は、何だか「心苦しさ」を感じていたことを、覚えています。改めて 大事なことは、「自分の頭で考え、他の優れた部分だけを盗み、自分の中で組み立て直すこと」だと思います。また 私はアイディアを出すことが"大の苦手"なので、「盗む」と言う視点を活かして行こうと思います。
また 別の切り口から言うと、今の時代にネットの発達により、幾らでも「模倣」することは可能になりました。つまり、そもそも「模倣」だけでは、生き残れない時代になっているのも事実だと思います。
〇最後に…
似た言葉である「守・破・離」(しゅはり)について書きます
【「守・破・離」とは?】
これは、茶道や武道でよく使われる言葉で、元々は「千利休」が残した茶道の心得と言われています。
●「守」とは、ひたすら師の教え・型を守り、基本に忠実であること。
●「破」とは、基本がしっかり身に付いた後、基本に独創性を加味すること。
●「離」とは、師から離れ、独自の流派を築く。
これこそ、茶道や武道だけでなく、すべての事柄に言える事だと思います。そして、最も簡単に「守」を実行するには、「盗む」ことです。確かに、人のを盗む事を嫌がる人がいますが、そういう人に限って、成長 速度が遅かったりする気がします。先ずは、プライドを捨て盗みながら、しっかり 基礎を身に付け、それからオリジナリティを出して行くことが大事なのだと思います。
分かり易く言うと…
●「基礎を築けていない人間は、オリジナリティも生み出せない」ということだと思います。長くなりましたが、以上です。
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