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【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!~リライト編〜】◆「第1回:株式会社 鳥貴族」

最終更新: 9月10日

記念すべき「第1回」は、関東・関西を中心に、焼き鳥居酒屋チェーンを展開している「株式会社 鳥貴族」です。 因みに社長の「大倉 忠司氏」は、ジャニーズグループの「関ジャニ∞ 大倉 忠義さん」のお父さんということでも知られています。



ーーー 鳥貴族は… 「焼き鳥で世の中を明るくする」という志のもと、「298円均一の感動」をコンセプトに「焼き鳥屋」を経営されています。

「鳥貴族」という社名の由来は2つです。 〇1.「お客さまを貴族扱いする(顧客を大切にしていく)」 〇2.「オシャレな名前にする(若者・女性客を増やす)」 から来ています。

売上は「358億円(2019年7月期)」、店舗数は"関東"と"関西"を中心に「641店舗」を構えています。この10年で、売上20倍という急成長をしており、5年前には上場を果たし、東証一部で株式が取引されている飲食業界のリーディングカンパニーです。 ■「鳥貴族 売上高推移」 〇2016年7月期:245億円 〇2017年7月期:293億円 〇2018年7月期:339億円 〇2019年7月期:358億円 (参照:コーポレートサイト)


ーーー 【企業の歴史】 現社長の「大倉 忠司氏」は、高校卒業後 調理師専門学校へと進学し、その後 ホテルの「一流レストラン」へ就職されています。 このレストランが教育に関してかなり厳しく、自分が人間として扱われていないような経験からかなり悔しい思いをされたそうです。 しかし 料理の技術は勿論のこと、この経験から学んだ… 〇自分自身への厳しさ 〇お客さまを大切にする という2つのことを「今」でも大事にされています。 因みに 鳥貴族といえば「お通し」が存在しないことが有名です。これは勝手に「お通し」を出すことが、このホテルの一流レストランで学んだ「お客さまを大切にする」に反しているという社長の考えからです。

「焼き鳥屋」の経営を始めた理由は、大倉社長の家の近くにある居酒屋で、偶々 焼き鳥屋の経営者と出会ったことです。この方が、焼き鳥屋のチェーン展開を企んでおり、大倉社長も誘われたことが焼き鳥屋を始めるきっかけとなったのです。この時を振り返り「焼き鳥屋をやりたかったというよりも、この経営者の夢に惚れたこと」が一番の理由だそうです。ここでNo.2として「経営」や「多店舗展開」を学ばれました。

そこからは、「7店舗」まで二人で居酒屋を展開するに至りましたが、次第に大倉社長自身も「自分だったらこうするのに。」といった欲が出始め、中々 意見が合わない場面が増えました。そして、このタイミングで大倉社長も独立されたのです。 それが… 「株式会社 鳥貴族」です。大倉社長が"25歳"の時です。

私は現在26歳です。成功する人は本当に腹の括り方が凄いと思いました。。。!


ーーー 【 居酒屋業界について 】 ●先ず「外食産業」という括りで見てみると… 一昨年の2018年は2017年に比べて売上高が102.3%、店舗数100.4%、客数100.8%、客単価101.5%と、その全てが少しずつ上回っており、売上高に関しては4年連続で前年を超える結果となっています。

●しかし 「居酒屋業界」で見ると… 売上98.5%、店舗数98.3%、客数98.8%、客単価99.6%と微減しており、売上、客数に至っては10年連続で前年を下回っている状況です。この背景には、「若年層のアルコール離れ」、「働き方改革による残業の減少」、「消費者の嗜好の多様化」などが挙げられます。

●更に「酒類市場」の観点から見てみると… 2001年ごろをピークに規模は減少傾向で、年代別に見た「飲酒習慣率」を見ても、50代が「42.5%」に対し、20代は「4.7%」とかなり低い傾向となっています。近年の若者の「アルコール離れ」は顕著となっており、居酒屋業界にとっても深刻な問題になっています。

また、近年ではファミレスやラーメン店でのアルコール類の提供など他業種の居酒屋部門の参入が増えています。これによって、居酒屋の収益力の低下につながっているのです。更には働き方改革による残業の減少により、以前のような「仕事帰りにちょっと一杯」といった習慣も薄れ、「家飲み」が流行るなど消費者のライフスタイルの変化もみられます。 このように、居酒屋業界を取り巻く環境は、厳しいものとなっています。

それを見据えてか、鳥貴族では「海外展開」を打ち出しています。 2021年2月1日から持株会社体制に移行し「株式会社鳥貴族ホールディングス」と社名を変更する予定です。そして「株式会社鳥貴族JAPAN」という100%出資の子会社を設立し、米国をはじめとする海外への展開を行う予定です。

それでは、鳥貴族の「イケてるC.I.」の一部を紹介します。

ーーー 【企業理念】 「焼鳥で世の中を明るくする」という理念のもと、「298円均一(税抜)の感動」を コンセプトに焼鳥屋 鳥貴族を展開しています。低価格・高価値のサービスで、 お客様に感動と驚きを提供し、社会に貢献できる企業であり続けます。

【永遠の理念】 「鳥貴族のうぬぼれ」 たかが焼き鳥屋で世の中を変えたいのです 心を込めて焼いた焼き鳥 その焼き鳥をまごころを込めた笑顔でお客様に提供していきたい 焼き鳥を食べられたお客様の幸せそうな顔 帰りがけに「おいしかったよ」とあたたかい一言 「ありがとうございます」と感謝の気持ち お客様のその顔、その一言が、私たちの喜びなのです そんな心と心のふれあいで世の中を明るくしていきたい たかが焼き鳥屋 されど焼き鳥屋 そんなうぬぼれを 鳥貴族は永遠に持ち続けていきます

【永遠の使命】 「外食産業の社会的地位向上」 外食産業は日本が世界に向けて発信できる代表的な産業の一つとして成長しつつあります。 その一方、国内ではまだまだ優秀な人財の確保が遅れています。 鳥貴族では、業界全体の課題となっている労働環境の整備、コンプライアンスの徹底、社会貢献などに積極的に取り組むことで外食産業全体の底上げを行い社会的地位の向上に取り組みます。

【永遠の目的 】 「永遠の会社」 企業活動は、社会や従業員との関わりの中で永続することが大前提です。そのためには、絶え間ない「挑戦」を続けていかなければなりません。 お客様、株主様、取引業者様、従業員とその家族、鳥貴族の関わる全ての方々に「感謝」し、企業活動を通じて「奉仕」し続けることで、社会から必要とされ愛される永遠の会社を目指します。


ーーー ◆ここで自分なりに「鳥貴族 」を一言で表現すると… ●"関西"と"関東"を中心にメインターゲットを「20代~30代の若者(特に女性)」に絞り、焼き鳥を中心としたメニューを「298円均一」で提供している居酒屋です。 *従来の焼き鳥屋とは真逆のターゲット *"関西"と"関東"へのドミナント展開 *特化することで「旨い・安い」を実現し差別化(*後ほど説明)


ーーー 【若手なりの急成長の理由分析】

鳥貴族の成長理由を一言で表現すると… 間違いなく焼き鳥への「ブレない信念」です。理念やビジョンが整備され「企業の指針」が"ハッキリ"していて、社内外での「共通認識」として「意識統一」ができていることが一番の強みだと思います。この背景にあるのは、社長の焼き鳥への"愛"です。 社長の言葉に以下のようなものがあります。 例えば… 「今からラーメン屋をやったとしても、焼き鳥ほど愛情を持てないので、『焼き鳥愛』は伝えられても『ラーメン愛』は伝えられない。会社のトップが魂を込められないものでは、人の心は動かない。お金を儲けたい訳ではない。儲けるなら焼鳥屋でしか儲けたくない。」 この信念こそが、「鳥貴族」の強さの源泉だと思います。

また、社員教育も一貫されていて… 「トリキウエイ」という従業員さんの行動指針・行動規範がしっかりあり、店舗自体が事業を通した一つの「人間教育の場」になっています。 (*「トリキウエイ」:正しい人間、利他の精神、自己責任、プラス発想)

このブレない信念とビジネスモデルが一致していて、消費者からの見られ方も「焼き鳥といえば、鳥貴族」となっていることが全てだと思います。

それでは、上記に付随する形となりますが、さらに鳥貴族の成長理由を仮説で"3つ"挙げさせて頂きます。

ーーー ■1.【 「298円均一の感動」の追求 !】 鳥貴族では牛肉や豚肉、魚などを扱わず、焼き鳥に"特化"しています。 これにより… ◆1.「大量仕入れによる、仕入れ値の抑制やスタッフの手間を省くことで『安い』を実現。」 *298円均一を実現できる理由。 *他社に短期的には真似されても、長期的には真似できない

◆2.「メニューを少なくし、その分"食材"と"手作り"にこだわることで『旨い』を実現。」 *メニューは全部で60品程度しかなく、半年に1度10品程度入れ替え。これは他の居酒屋の半分程のメニュー数 *食材は全て国産。全て直提携先から仕入れることで「安心・安全」のイメージ *料理は全て手作りで、焼き鳥は店舗で1本1本串打ちをしている (鶏肉の特徴として牛肉、豚肉より鮮度劣化が早いことが挙げられる。この為、「総合居酒屋」の場合は、焼き鳥をセントラルキッチン(大量の料理を調理して提供する施設のこと)で加工するケースが大半だが、これだと串打ちから鳥を焼くまで丸1日掛かる上、店舗の冷蔵庫で保存する時間も長く鮮度を保てない。)

徹底的に無駄を省いている分、徹底的に焼き鳥にこだわっています。 その為、鳥貴族は「旨い・安い」を実現できるのです。 因みに、他 大手居酒屋チェーンも低価格の均一店舗を出店することはよくあります。しかし その殆どが上手く行っておらず、「低価格均一を短期的には真似できても、長期的に真似をすることは難しい」ということが分かります。


ーーー ■2.【 理念ベースの独自チェーン展開 】 鳥貴族では、直営店のほかに「カムレードチェーン展開(TCC)」を行っています。 (店舗数639店舗。うち直営393店舗、カムレードチェーン246店舗) 「カムレードチェーン」とは… 一般的なフランチャイズチェーンよりも強固なビジネスパートナーとしての関係性を確保することを目的としています。経営理念に共感し成長を共にすることに同意 頂いた加盟店オーナーをカムレード(Comrade=同志)と称し、相互に意見の交換・提案を行っている展開方法です。

これにより全ての「鳥貴族」に於ける味・品質・サービスの向上を図っています。 *新規に加盟店オーナーの募集を行っていない(既存の加盟店による店舗増設 又は、社員が独立して店舗を持つ場合のみフランチャイジーを認めている) *同志であるTCC加盟店に対するロイヤリティは必要最小限(鳥貴族のフランチャイザーは、比較的に給料が高いことが特徴) *各TCC加盟店もそれぞれ多店舗展開しており、経営ノウハウを蓄積


ーーー ■3.【 従来の居酒屋と真逆の顧客層をターゲットにしたこと! 】 従来の居酒屋といえば、「ターゲットの客層は中高年男性」「店舗入り口に赤提灯」「カウンターのみの小さな店」といったものでした。 しかし 鳥貴族は、「ターゲット客層は『若者・女性』」「入り口に赤提灯は無し」「テーブル席中心の大きな店」といった、従来とは真逆のイメージ展開を行なっています。 これにより、若者を一気に囲い込むことに成功しました。

また、若者の居酒屋離れと同時に「宅飲み」が流行った理由は、お酒に敏感な若者にとってはお店のアルコール料金が高いこと挙げられます。これは、「フードはリーズナブルに、お酒は中々の値段で提供し、お酒で利益を稼ぐというモデル」が一般的だからです。 ところが、鳥貴族ではアルコール料金も均一にしているため、若者の客離れは起きなかったのです。つまり、お酒まで均一料金にしているのは、「宅飲み」に対する外食の挑戦でもあるのです。

因みに、私も大学生の頃は、とにかく お酒の安い居酒屋を探していたことを思い出します! 福岡にあれば、間違いなく行っていました!


ーーー ◎と言うことで… 繰り返しになりますが、鳥貴族さんは「社名」や「理念」「ビジネスモデル」など、企業の全てに"整合性"があり、企業自体が一般消費者に分かり易いことが成長した理由だと思います。 そして 何より大倉社長の「焼き鳥」への愛こそが、「鳥貴族さん」の強さの"源泉"だと思いました!

実は、私も居酒屋が大好きなので、一度は「鳥貴族」に行って見たいと思います。


ーーー しかしながら… 居酒屋は「新型コロナウイルス」の影響を多大に受けてしまっている業界です。 鳥貴族さんも4月度の売上は、前年同月比で「約96%」減少となっています。低価格高回転という「ビジネスモデル」で成長してきた鳥貴族さんにとっては、今回のコロナによって、戦略の見直しが図られている時だと思いますが。

その上で… 今後 生き残る居酒屋は、以下の"4つ"を抑えている お店だと言われています。 ◆1.「劇場性」 *外食になれた日本人は、美味しい・安いは当たり前。 *お客さまの前で調理し"しずる感"を出す。 *「飲食」と「別業界」でコラボし、エンターテイメント性を出す。

◆2.「省人性」 *機械が出来ることは、機械に任せる。人にしかできないことに徹底的にこだわる。 *IT化・アウトソーシング化して、常に企業をスリムにしておく。

◆3.「拡散性」 *SNSを徹底的に制しファンを創る *口コミが広がるような話題性 *お店の「コンセプト」や「こだわり」を前面に押し出す。 *美人しかアルバイトにいないなど。

◆4.「本物性」 *美味しいというのは絶対になった。

こうやって見てみると… コロナの影響で外食する機会が減った中で、来店して貰う為の「"真"の価値」が今まで以上に求められると思います。 今後も「宅飲み」は、進むと思われますので、 その対策として「持ち帰り」や「出張焼き」など、鳥貴族さんが、それぞれの家庭に出張するなど、新たな展開も必要になると思います。 因みに 私は「キャンプ」が好きですが、キャンプ場への出張焼きを強く希望します!

また、SNSで約5万人フォロワーをお持ちなので、 SNSだけのオリジナル商品を作ってネット販売の強化や、SNSに作っている動画をあげる等、ちょっとした工夫だけでも面白いと思います !


ーーーーーー ◎更にC.I.について若手なりに一言いわせて頂くと… 「焼き鳥」を全面を押し出し、分かり易い言葉で表現されていて、素晴らしいと思いました。 そして、そのC.I.が綺麗事にならないように、全社員に「トリキウエイ」を核とした価値観の共有の為にかなりの時間と労力を使い研修をされていて、更には 店長やアルバイトにも高待遇を与えるなど、「言っている事」と「やっている事」が一致していることが本当に凄いと思いました!

ただ、最後に一言いわせて頂くと… 事業を通して「成し遂げる世界」がちょっと想像し難い事が気になりました。 「焼鳥で世の中を明るくする」とは、どういう状態なのか? その為に「何故 焼き鳥なのか?」を、もう少し明確化されると良いと思いました。 一度 コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を照らし合わせて頂けると有り難いです。

若者が生意気 言って、すみませんでした。 長くなりましたが、以上になります。

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