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【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】~「リライト編」~「第28回:久原本家グループ」

創業200年を見据え、地域に根ざした「本物」を追求し続けている企業があります。 第28回は、福岡を代表する総合食品メーカー(老舗醤油醸造)の久原本家グループです。


久原本家は、2021年に創業128年を迎え、めんたいこブランド「椒房庵(しょぼうあん)」、化学調味料・保存料無添加を主とした調味料ブランド「茅乃舎」、「キャベツのうまたれ」などの調味料を販売する「くばら」など複数のブランドを展開している、歴史ある企業です。現在は、グループ年商 約280億円、従業員 約1,200人を超える、福岡を代表する企業です。 東京・六本木のミッドタウンや、二子玉川の玉川SCなど、セレブ層が集まるエリアに展開した直営店には、この数年間コンスタントに行列ができるほどの人気ぶりとなり、全国でも有名となっています。

ーーー 【企業の歴史】 現社長の「河邉 哲司氏」は4代目社長にあたります。 元々は、河邉氏の曽祖父が久原村(現・久山町)で開いた久原醤油が始まりです。 曽祖父は、明治22年から30年まで、久原村の初代村長を務めました。福岡藩主の黒田家から広大な土地を与えられたこともあり、私財を全て投げうって学校や橋などを作ったそうです。しかし それ故、その後は すごく貧乏で、見かねた周りの人たちが募金してくださり、そのお金と借金をもとに、醤油蔵を開いたのが始まりです。明治26年のことです。 しかし 本人は、どちらかというと学者肌で、商売は上手く行きませんでした。続く2代目は戦前、博多港から朝鮮や満州へ、人や物がどんどん運ばれる時代の波に乗り、商売は一気に拡大しました。ところが終戦によって販路が断たれ、3代目として父が登板し、ここから苦しい時期に入りました。

河邉社長は、そんな老舗の4代目ですが、こんな状況で、本当は継ぎたくなかったそうです。 当時は、年商6,300万円、従業員6人の醤油屋でした。でも、親父が自分の代でつぶすわけにはいかないと言い張るれ、しぶしぶ働くことに。 仕事をしていくうちに、「永続」させることが最も大事と考えた河邉社長は、どうすべきか模索を続けた結果、醤油だけでなく、他社の商品(たれ)を作るOEM事業で少しずつ成長していきまた。しかし OEMは、しょせん“下請け”で、消費者は久原の商品という認識もなく、自社ブランドを作りたいという思いが募り、ここから成長が始まったのです。

そんなある日、福岡県内にある母親の実家で「茅葺き屋根」を葺き替えるということで見に行ったそうです。 河邉社長は、茅葺きの重厚な趣と職人の仕事ぶりにいたく感動しました。 「こんな近くに茅葺き職人がいると知り、ビリビリっと来ました。地元に戻ると、すぐに先祖のお墓に行き、「ご先祖さん、茅葺きのレストランを作りますから、よろしくお願いしますーと手を合わせたのが、茅乃舎のレストランの始まりです。 こんな茅葺きを見る機会は なかなかないし、皆さんに喜ばれると思ったそうです。

そして 2005年、職人の技と河邉社長の心意気を集結した「御料理 茅乃舎」が誕生したのです。

ーーー 話が長くなりましたが… それでは、そんな「久原本家グループ」の"イケてるC.I."の一部を紹介します。

【企業理念】 「モノ言わぬモノに モノ言わす モノづくり」 たとえ時間がかかっても、人の心と手間をかけた、本当に美味しいものを味わっていただきたい。そして皆様に感動していただけたら、これに勝る喜びはありません。永きにわたり感動を生み続ける会社を目指し、挑戦し続けたいと思います。

ーーー 【若手なりの成長の理由分析】 *「モノ言わぬモノに モノ言わすモノづくり」の理念のもと、ものづくりの基本を愚直に貫いていることだと思います。地域に根ざし、「本物」を追求し続ける会社の姿勢が、アイデンティティとして、お客さまにも伝わっているのだと思います。 久原本家で言う「本物」とは、お客さまと時代の求めるものを感じ、そこで得た着想をもとに、作り手の顔と心が見える素材を使い、優れた技術で、信頼される品質の製品をつくる姿勢です、言うのは易し、やり続けることは難しいと思います。「数字」より「本物」という考え方、そして それをやり続けている姿勢が、本当にカッコイいと思います。

それでは 更に、自分なりに成長理由を仮説ですが「4つ」上げさせて頂きます。 ■1.「手間ひまかけた美味しさとスピード!」 *久原本家の商品開発の現場では、一般的な食品メーカーで重視される「コスト感覚」や「量産を前提とした供給体制」よりも、「価格が高くても、納得できる原材料を厳選する」「手間ひまかけて、もっと美味しいものを作る」という、“おいしさ至上主義”とも言えるスローガンが飛び交っています。「値段は、少々 高くても美味しいから買う。」そんなファン層をターゲットに、真摯なものづくりをしていて、こうしたシンプルな味への追求の場があることが強みだと思います。

*会社の規模が急速に拡大しているとはいえ、社長直轄のプロジェクトが多く、河邉社長に「こんなことがしたい」と、直接"想い"を伝えると、「やってみよう!」と即決することもあるほど意思決定がスピーディーで、転職で入られた方は、驚くとのこと。また、日常的に気づきや改善案等を社員が提案できる制度があり、経営トップとの距離の近さ、仕事のスピード感は、一般の大企業には中々ない同社の大きな強みとなっています。

ーーー ■2.「『儲かること』より『永く続くこと』という姿勢!」 *久原本家が、最も大切にしている価値基準は「永続」です。右に進むべきか、左に進むべきか、迷った時には必ず「儲かること」ではなく「永く続くこと」を考えて道を選ぶそうです。美味しいものを作って、久原本家を永続させていくこと。そして その根底にあるのは、「最初から売上を目指していては、その『使命』を見失ってしまう」という恐れです。 つまり… 「いかに お客さまに寄り添っていけるか。いかに 喜んでいただけるか。売上は、そこを突き詰めた結果として、ついてくるもの」という姿勢が徹底されているのです。

ーーー ◆3.「"幹"を据えたブランド展開!」 *久原本家には、ブランドビジネスを通して食文化を発信するという『使命』があります。 そのため幾つかのブランド展開をしていて… 〇茅乃舎=化学調味料・保存料無添加の調味料や食品を揃える日本初のブランド直営ショップ。 〇椒房庵=辛子明太子等の商品を揃える直営ショップ。 〇くばら=流通ブランドとして「キャベツのうまたれ」や「あごだしつゆ」など、あご(トビウオ)のだしの旨みを活かした商品開発展開。 などがあります。 市場をセグメントし、ターゲットにあった商品を開発しつつも、これら 全てのブランドに共通しているのは、「『日本の食文化』に根差した商品づくり」です。この"幹"があるからこそ、各ブランドの関係性が"バラバラ"にならず、結果的に相乗効果になっているのだと思います。

ーーー ◆4.「食のSPAと、絆づくりマーケティング!」 *上記3つの強みを支えているのが、完全なSPA企業(製造小売業)というビジネスモデルだと思います。久原本家のSPAとは、商品の企画から製造だけでなく、全国の直営店舗や通信販売による販売までを自社で一貫してコントロールしていることです。これにより、お客さまと強固な信頼関係=絆ができています。例えば、茅乃舎だと、店頭や通信販売を通じてお客さまの声をダイレクトに受け取ることができるため、新商品の開発や既存品の改良、サービスの向上をスピーディに行うことが可能になります。それにより、お客さまから「こういう商品が欲しかった」と思っていただけるような、「潜在的需要」を喚起するご提案ができるのです。マーケティングを含めた様々な機能を、内製化し、リアル店舗と通販を融合させている強みです。 事実、問屋や量販店への卸販売は少なく、メーカーでありながら、売り上げの大半を通販や直販といった、消費者とのダイレクトな取引が占めています。

*土着戦略として、料理教室や食文化を学べる ワークショップも開催しています。 それだけでなく、このコロナ禍において話題になった出来事があります。そして、これこそ本当の「絆づくりマーケティング」だと思います。 北海道で「緊急自体宣言」が発動された時に、過去に一度でも「茅乃舎」で購入されたことのある全てのお客さまに、サプライズで出汁や鍋の素などの詰め合わせを発送し、結果的に多くの人の感動を呼びました。 そして、このお見舞いの品を送る際には、メディアへの宣伝や、自社のホームページやSNSなどで告知をしていないそうです。ひっそりと、自分たちにできることを精一杯やる姿勢が本当に"素敵"です。 因みに、以下のような手紙が同封されていたそうです。 「今、できることをみんなで考えました。緊急事態宣言が発令され日々不安を抱えながらお過ごしのこととお察しいたします。この異例な状況の中、食品会社としてできることをみんなで考えました。ご家族が集まる食卓のひとときが、おいしく楽しい時間であることを願って心ばかりではございますが、久原本家グループの商品をお送りいたします。まだ寒さが楽しいかと思い、鍋の素や にゅうめんをお詰めしました。遠い九州の力ではありますが、一日も早く北海道に明るい春が訪れることを願っております。株式会社 久原本家グループ 従業員一同」

私も このことを知っただけで、久原本家のファンになってしまいました!

ーー ◎と言うことで… 失礼な表現ですが、特別なビジネスモデルなどの飛び道具がある訳でもなく、社員の方々が誇りをもった商品を開発から販売をされていることが全てだと思います。それは、「儲かること」より「永く続くこと」という言葉に表現されるように、お客さまに愚直に、そして 真摯に接することが、結果的に 一番の成長理由だと思います。この姿勢が採用に繋がっており、小売企業でありながら、20代社員の比率は 3割を超え、定着率の良さも久原本家の自慢となっています。 調べれば調べるほどに、これが経営の本質だと感じます。勿論 これこそが、本当に難しいことと思いますが…

また、今回の「新型コロナウイルス」により 飲食業は大ダメージを受けました。それでも、久原本家は「ネット通販機能」を使い、巣ごもり需要を狙った「鍋キット販売」など、多く取り組みも行いました。それにより、通販部門に於いては 売上増大となっています。ただ その根本にあるのは、久原本家が多くの「ロイヤルカスタマー」の心を掴んでいるからこそ成し遂げられた事だと思います。

ーーー ●最後に、C.I.について若手なりに一言いわせて頂こうと思いましたが… 何も言うことがありません!分かり易い言葉で表現されており、C.I.とお客さまからの見られ方が一致している点が素晴らしいと思います。このことを成し遂げるために、どのような採用・社員教育をされているのか気になりました。 敢えて一言いわせて頂くとしたら、現C.Iとは別に、外向きの言葉として、久原本家が創り上げたい「世界観」を一言で表現すると、より一般消費者から"共感"され易くなると思いました。 出来れば、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。 *concanが考えるC.I.とは? https://www.concan.co.jp/post/topics-ci

生意気言って、申し訳ございませんでした。 長くなりましたが、以上になります。

ーーー 【「失敗」から学ぶ リモート・アカデミー 「RE:ROAD」情報】 ■1.RE:ROADイメージ映像 https://youtu.be/fTM22jWkDec

■2.RE:ROAD紹介映像 https://youtu.be/ct1CXwVEZ80

■3.リ・ロード特設WEBサイト http://reroad-academy.com/

■4 .キックオフセッション申し込みページ https://www.reroad-academy.com/kickofsession ーーー

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