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株式会社コンカン

【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】「第71回:株式会社 アイスタイル」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。20代、30代女性の半数以上が毎月利用しているコスメサイトを運営している企業です。 第71回は、日本最大のコスメ・美容の総合サイト「@cosme(アットコスメ)」を運営している「株式会社 アイスタイル」です。




【会社概要】 「アイスタイル」は、東京都に本社を構え、美容系総合ポータルサイト「@cosme(アットコスメ)」の企画・運営を行っています。化粧品に関心のある女性は多いが、世の中に膨大な化粧品がある中で自分にとってピッタリの一品を探し出すのが大変です。そうした女性たちを助けようと、消費者同士の情報交換の場として1999年暮れにオープンしたコスメ情報ポータルサイトが「@cosme(アットコスメ)」です。 現在、「@cosme」には国内外2万8000ブランド、商品数25万点が登録されていて、月間ユーザーは約1,000万人に上ります。特に、購買意欲の高い20~30代の女性から根強い支持を得ています。 「アイスタイル」の売上は「309億5000万円(2021年)」となっていて、ここ最近も大幅な増収増益となっています。

【創業のきっかけ】 「アイスタイル」の創業は1999年に遡ります。創業者は、現社長の「吉松 徹郎氏」です。 この「吉松 徹郎氏」は男性です。その為、化粧品を使っているわけでも、詳しいわけでもありません。しかし 直感として、ITが世界を変える時代に、もっともポテンシャルをもつ商材の1つ。それが「化粧品」だと考えました。 「吉松 徹郎氏」は、「アイスタイル」を創業する前は、コンサルタント業界で働いていました。インターネットを使った様々なサービスが始まっていて、日経のトップでは、日々 書籍販売から始まった「Amazon」の特集が組まれた時代です。そんなニュースを見ながら、日本でのネット通販の将来性を検証したところ、ものすごい可能性を感じたそうです。 世間は「Amazon」に対して懐疑的でしたが、「吉松 徹郎氏」は日本に上陸したら、必ず成功すると思っていたそうです。何故なら、日本の書籍は再販制度で守られていて、メーカーである出版社が価格決定権をもっています。つまり 家電などの日用品と違って、書籍は小売店が勝手に安く売ることができません。その環境で「Amazon」もまた、値引き競争に巻き込まれずに商売ができるのです。硬直した業界だからこそ、ネット通販という新しい業態にチャンスがあると考えたのです。「Amazon」に刺激を受けた「吉松 徹郎氏」は、他にも書籍と似た商材はないかと探しました。丁度 その時に、「アイスタイル」の共同創業者である「山田 メユミ氏」が化粧品業界で働いていて、そこから化粧品へ辿り着きました。化粧品業界も書籍業界と同じく、1997年まで再販制度で守られていました。メーカーは価格競争よりも消費者へのイメージづくりにお金をかけるので、自然と売上に対する広告宣伝費が大きくなります。調べてみると 年間3,000億円という広告宣伝費と分かり、「マスメディアに支払っているこのお金が、いずれネットにシフトする。販売方法も、ネットを中心にした仕組みに変わっていくだろう。そこで発生するニーズに、大きなビジネスチャンスがある」と気がつきました。3,000億円の広告費の1%をとっただけで、30億円になります。これはどう考えても、億単位のビジネスになると分かったのです。 早速 「吉松 徹郎氏」は知人を介して「Amazon」にコンタクトを取り、「日本で化粧品を扱うなら、自分にやらせてくれないか」と掛け合いました。しかし、「Amazon」は当時日本に化粧品で進出する予定がありませんでした。「Amazon」がやらないなら、自分がやろう。そう思って、「アイスタイル」を立ち上げたのです。 しかし 簡単に上手くいくはずがありません。創業間もなくして、バブル崩壊以前には1億円なら用意するといっていたベンチャーキャピタルが、手のひらを返したように会社を整理するように勧めてきたのです。 資金調達ができると見越して人材を採用し、サーバー等の投資計画をしてこたものが、一気に給与の支払いが厳しくなるほど資金繰りが難しい状況に陥ってしまいました。 そんな中、ベンチャーキャピタルを必死で回る中で、コンサル時代の知人の紹介で個人投資家に会えることになりました。その投資家との面談では、ボディーチェックをされて厳重なセキュリティーの元、個室でお昼過ぎから深夜まで12時間に渡る禅問答のような質問を受けます。 そして、何と「わかった」と一言残して、1億円の小切手を手渡されたのです。「吉松 徹郎氏」は 今でも「『アイスタイル』の成長は、この投資家との出会いであり、いつ倒産してもおかしくなかった。だから今でも頑張れる」と述べられています。 ーーー それでは ここで、「アイスタイル 株式会社」の、"イケてるC.I."の一部を紹介します。 【企業理念】 ●「Innovation First!」変わり続ける気持ちを持ち続け、お客様の「もっと」に応え続ける。 *アイスタイルは今までになかった新しい化粧品との出会いの場を創ること、 新しい化粧品との出会い方を提案し続けるために生まれ、今後もそうあり続けたいと思っています。 だからこそ常にお客様の「もっとこうだったらいいな」に応え続ける必要があります。 昨日の成功に満足することなく、新しい何かにチャレンジし続けなければ、お客様の「もっと」に応え続けることは不可能です。 その為には変わり続ける気持ちを持ち続けることが必要不可欠です。 私たちの目の前には無限の可能性があります。誰かが創った道を、誰かに誘導されて歩くのではなく、 自分たちで可能性があると信じる方向を決め、道を創り、仲間と一緒に歩いていきます。 ーーー 【若手なりの成長理由 分析】 ここからは、若手なりに「アイスタイル 株式会社」の成長理由を、仮説ですが "3つ"上げさせて頂きます。 先ず、結論からいうと… ◆1.「業界の常識を打破し、ネットとリアルを融合させた点!」 ◆2.「データを最多限に活かした戦略!」 ◆3.「化粧品は世界共通という利点を活かした海外展開!」 ◆4.「@cosme美容部員による20時間のライブイベント実施など、人気を出している点!」 の"4つ"です。それでは、1つずつ見ていきます。 ーーー ◆1.「業界の常識を打破し、ネットとリアルを融合させた点!」 *実は 化粧業界では、ネットで人気商品が小売店でも売れている訳ではありません。何故なら、化粧品業界では大手ブランドが力を持っていて、大手ブランドが売りたい商品が小売店に置かれているからです。このような業界独自の構造によって、小売店の品揃えは大手ブランドが中心になり、「@cosme」での生活者の評価と小売店の売上が連動しない状況が生まれていたのです。このような状況を打破する為に、「小売店の仕入れの構造の変革が重要」だと考え、「@cosme」では2007年に コスメセレクトショップ「@cosme STORE」1号店をオープンしました。お店に並ぶのは、「@cosme」のデータをもとにした生活者に支持されている商品たちです。こうしてつくられた実店舗は、多くの生活者の支持を受け、日本で最も売上規模が大きく、日本最大の化粧品小売チェーンとして成長を遂げています。それはつまり、「@cosme」のネットのデータを基に仮説を創り、それを実店舗に落とし込むことで、他社にはできないビジネスモデルを創り上げたのです。 ーーー ◆2.「データを最多限に活かした戦略!」 *「アイスタイル」の最大の武器は、ユーザーと数多くのコスメ商品データがひもづいた巨大なデータベースです。このデータベースはネット上のものだけではなく、リアル店舗での購買履歴データも含まれます。所謂 オムニチャネルで、店舗顧客にポイントカードを発行し、それをオンラインでも使える形にしてネットのユーザーIDと繋げています。このデータベースの特徴は、化粧品メーカーなどが自社の顧客データベースでは網羅できないデータを持っていることで、メーカーは「アイスタイル」のデータベースを活用して消費者にアクションを取ることができるのです。それは つまり、データベース自体を、メーカーに有料提供しているということです。 *実は従来からメーカーも流通・小売ベースでの情報は持っていましたが、必ずしも個人レベルまで細分化されたデータベースはありませんでした。「アイスタイル」は、それを個人レベルまで紐つけることでアンケートを送ったり、グループインタビューに呼んだりと、顧客一人一人に向けて直接アプローチができるようにしました。今までメーカーは小売データとして分析できるものは持っていましたが、顧客へのアクションができなかったのです。 ーーー ◆3.「化粧品は世界共通という利点を活かした海外展開!」 *グローバル化が進んだいま、「アイスタイル」もまた、海外を視野に入れて動いています。海外展開をする際に最も考えないといけないことが、国外の嗜好や文化に合わせる必要があることです。しかし 海外にそのまま持っていける商材というのは、3つあります。それが「酒」「たばこ」「化粧品」です。その為 世界中どこに行っても、空港の免税店の中心はこの3つなのです。例えば 食品は、国・地域によって嗜好が大きく異なります。海外に持って行くには“そのまま”ではなく、多少アレンジしなくてはいけません。一方、酒とたばこと化粧品は、既に商品がグローバル・スタンダードですから、非常に輸出しやすいのです。 *例えば 化粧品の場合は、中国に住む女性が、日本の化粧品メーカーの動画を見てポチっと購入ボタンを押す。インドネシアに住む女性が、どこの国のメーカーかも知らずに「素敵なブランド」と認知して買う。そういう国境を超えた購買行動が、ネット上ではいくらでも起こり得ます。つまり 化粧品市場のデータベースを共有し、ユーザーの声を活用するアイスタイルのビジネスモデルは、そのまま世界で通用するのです。 ーーー ◆4.「@cosme美容部員による20時間のライブイベント実施など、人気を出している点!」 *「@cosme」には国内外2万8000ブランド、商品数25万点が登録されていて、「沢山 ありすぎて何を買えばいいか迷ってしまう」という顧客の相談が、多くあります。その声に応える為に、「@cosme」ではリアルタイムでこたえる「ワタシ何買ったらいいの?教えて!美容部員さん」というライブイベントを、日々 実施しています。これは、化粧品検定1級やJBMA認定メイクアップ検定(EXPERT)などの資格を保有する「アイスタイル」の美容部員が、ユーザーそれぞれの悩みに最適な商品数25万点のなかから提案するものです。「アイスタイル」では、このようにシステムに頼るだけでなく、そして 他の大手企業が絶対にやりたくないようなことをやることで、差別化しているのです。 ーーー ◎と言うことで… 「アイスタイル」を調べましたが、戦略は去ることながら、何より「企業哲学」が明確なことが素敵です。「アイスタイル」は創業から20年経った今でも、生活者の声であるクチコミを扱うサイトとして"信頼"される企業であろうとしています。言うのは簡単ですが、実践することは難しいです。クチコミサイトでも 世間では常日頃より「クチコミサイトは信頼できるのか」という風潮があり、メディアとしての信頼性が問われています。本当に信頼できる情報を提供するには、公正で中立なプラットフォームでなくてはなりません。そのため、「アイスタイル」では、広告出稿に影響されない商品のランキングや、不正行為がないか24時間監視する組織の構築などに努めています。利益の観点から見ると費用の無駄かもしれませんが、これは「アイスタイル」の哲学なのです。 そして この「哲学」は、企業の戦略としてユーザーと繋がり続けることを意味しています。例えば ユーザーとの悩み相談です。ユーザーと繋がることは簡単ですが、繋がり続けることは難しいことです。何故なら、繋がり続けるには、ユーザーに選び続けて貰う必要があるからです。しかし 「アイスタイル」は、社員の顔を出し人気を出しながら安心して貰うことでユーザーと繋がり続けることで、他社への流出を防ぎ、差別化しているのです。 ーーー ◯それでは 最後に、C.I.について、若者なりに一言いわせて頂くと… *「アイスタイルさん」らしく、テクノロジーを掛け合わせて、化粧品業界をアップデートさせ続けるという想いが伝わりましたし、まさに 今の事業モデルがそのことを体現していると思いました。しかし 敢えて、一言 いわせて頂くとしたら、「『Innovation First!』変わり続ける気持ちを持ち続け、お客様の「もっと」に応え続ける。」という、「企業理念」だけでは直感的に「アイスタイルさん」のことを表現できていないと思いました。「アイスタイルさん」がされている事業は、あくまで化粧品業界のアップデートであり、そのためにInnovation(イノベーション)が必要というだと思います。だとしたら、先ずは 化粧品業界をどのような世界にしたいのかを、一言で表現した方が、もっと「アイスタイルさん」の個性が出るのではないかと思いました。 本当に、若者が生意気なことばかり言って、申し訳ございません。 出来れば、あくまで参考程度にですが、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を、一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。 *concanが考えるC.I.とは? https://www.concan.co.jp/post/topics-ci 長くなりましたが、以上です。

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