• 株式会社コンカン

【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】「第64回:株式会社 ミルボン」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。美容に関心の高い女性にファンの多いヘア化粧品メーカー企業です。

第64回は、ヘアデザイナー(美容師)を通じて美しい『生き方』を応援する事業を行っている「株式会社 ミルボン」です。





【企業概要】

*「ミルボン」は、東京都渋谷区に本社を構え、創業以来 顧客第1主義を掲げ、事業領域を理容室や美容室、サロンなどのサロン専売市場で毛髪化粧品事業を展開してきました。主力ブランドは、ヘアケア製品の「milbon(ミルボン)」「オージュア」や、ヘアカラー剤の「オルディーブ」などです。「ミルボン」は、一般のお店では買えないサロン専売だけを扱っているにも関わらず、髪にこだわりを持つ女性には 有名なブランドです。売上は「357億2,500万円」を超え、創業以来 増収増益を続けてきました。現在は、日本全国に営業所を構え、更には 日本発(初)の世界No.1のグローバルプロフェッショナルメーカーを目指して挑戦を続けています。


【企業ヒストリー】

*「ミルボン」は、サロン専売商品しか扱わない、且つ 大々的な広告を打たない為、一般的な知名度は決して高くはありません。しかし 美容師はじめとする、美容の専門家からは圧倒的な信頼を寄せられ、また 美容に関心の高い女性にもファンの多いヘア化粧品メーカーです。そんな現在の「ミルボン」の骨格を創ったのは、創業者の「鴻池 一郎氏」です。「鴻池 一郎氏」は高校時代、6歳上の兄が営むパーマ液販売卸の会社を手伝っていました。そんな特に懸命に働く美容師さんの手荒れが酷いことに心を痛めていました。

こんなこともあり「頑張っている美容師さんの役に立ちたい!」と美容業界で働くことを"志"しましたが、勤めた会社で 次々と トラブルや倒産の憂き目にあい、更に 家族ぐるみで親しくしていた知人の経営者が、倒産を苦に『一家無理心中』をしてしまうなど、苦しい時期を過ごしました。そんなこともあり、自分自身で 1961年美容代理店「ミルビー商会」を創業しました。日本一を目指して全国展開する為、付き合いのあった美容関連の2社と合併し、1965年2月「ミルボン」が誕生しました。

「何故、業務用ヘアケア専門のなのか?」これは 創業当時から女性の憧れの職業といえば CAで、「美容師は人を美しくして幸福感を与える素晴らしい仕事なのに CAよりも評価が低い。もっと評価されるべきだ」と考え、美容師の地位向上の為に貢献したいと思ったことが"きっかけ"です。


そんな過程で創業された「ミルボン」ですが、飛躍する"きっかけ"となったエピソードがあります。

「鴻池 一郎氏」は、当時から年間400以上の美容室を回っていたそうです。その中である美容師さんから「邪魔をしに来たんですか!」と、よく怒られていたそうです。「あなたの会社の営業も、忙しい時に来ては 商品説明して帰っていく。商品は使うし、買います。だから もっと役に立つ話を持ってきなさい」と言われていたそうです。

そんな ある日、会社に返品が山のように来ました。数日前に顧客であるオーナーとのやり取りで、「鴻池 一郎氏」は正論だけを主張していた為に 衝突してしまったのです。「もう来なくていい」と言われ、それで終わるのかと思っていたら、返品がどっと返ってきたのです。でも それによって「鴻池 一郎氏」は、「清濁を併せ呑む」という"言葉"の意味を本当の意味で理解しました。何でも正しいこと、清いことがいいことではなく、しかし 濁り過ぎてもいけないと。特に 日々、経営に携わっているオーナーにとっては、正論が絶対に正しいことなんてあり得ないのです。

そこから「ミルボン」の方針を今も続く「モノを売るな、コンセプトを売れ」に変えました。これは、「商品ではなく、本当に製品誕生の背景や美容師さんに役立つ情報を売ろう。」ということです。


そんなこともあり、現在の「ミルボン」は 敢えて 大企業を目指さず、中堅企業を目指しています。これは「中くらい」という意味ではありません。ある一つの事業で 圧倒的に強い企業のことを言うのです。その裏には、大企業病にならなくて済み、組織としての健康体でいられるということがあります。組織というのはできた時が一番フレッシュで、時間と共に腐っていきます。だから 常に中から刺激していかないと、鮮度は保たれません。その為には やはり、一人ひとりが"意志"を持ち、美容室のオーナーに本気で未来ある人材を育む環境を創っています。


ここで…

【化粧品市場の歴史と市場規模について】紹介します。

*日本で化粧品メーカーが登場し始めたのは、明治時代からと言われています。文明開化の影響を受け、近代的な化粧品が普及するようになり業界は活気づきました。当時誕生し、今もなお残る化粧品メーカーは、「資生堂」、「桃屋順天館」、「ライオン」などが挙げられます。日本の高度経済成長とともに化粧品市場は飛躍的に拡大し、1970年代から1980年代になると、化粧品メーカーは季節ごとに旬の女優やタレントを起用し、テレビコマーシャルなどの販売促進に活用しました。1980年代後半から1990年代には、化粧品の機能や効果、成分など品質を重視する女性が増え始め、機能性化粧品の時代が幕開けしました。バブル経済が崩壊した後は、低価格志向が広がり、「資生堂」などは大衆向け商品の販売にも力を入れるようになりました。2000年代に入ると自然派化粧品が人気を博し普及期に入りましたが、化粧品に機能や効果を追い求める志向は衰えることなく、更に美白、保湿、アンチエイジング、オーガニックなど多様化した時代になりました。

近年は、異業種からの化粧品市場への参入が増え、ネット通販専業の新興化粧品メーカーも多数出現し、競争の激しい市場と言われています。


矢野経済研究所の調査によると、化粧品業界の市場規模は「2兆5,450億円」となっています。その中でも、「ミルボン」が置かれているヘアケア市場規模(毛髪業市場、植毛市場、発毛・育毛剤市場、ヘアケア剤市場の合計)は、「4,537億円」となっています。「ミルボン」は、このヘアケア市場の中で、最も売上のある企業となっています。


ーーー

それでは ここで、「株式会社 ミルボン」の、"イケてるC.I."の一部を紹介します。

【ブランドスローガン】

〇「美しさを拓く」Find Your Beauty


【ブランドステートメント】

「すべては、女性が美しく生きるために。私たちは一人ひとりの女性に、

自分らしさ、心の豊かさ、人生の彩りを価値にして届けます。

ヘアデザイナーと向き合い、ともに教え育み、

今を超えようと、磨き上げた結晶から、生れ落ちる美しさ。

それは、私たちだけが創れる確かな価値。

女性が美しい髪を自信に、新しい世界にはばたけるよう、

私たちは、今ここにない未来を創り続けます。」


【経営理念】

〇ミルボンは、ヘアデザイナーを通じて美しい生き方を応援する事業展開をします。美しい生き方は、美しい髪は人の心を豊かにします。豊かな心は文化を育みます。文化を大切にする社会は平和をもたらします。ミルボンはそう信じて事業展開を推進し、美容市場ひいては世界の国・地域に貢献します。


【行動指針】

〇「モノを売るな、コンセプトを売れ」


ーーー

【若手なりの成長理由 分析】

ここからは、若手なりに「株式会社 ミルボン」の成長理由を、仮説ですが "3つ"挙げさせて頂きます。

先ず、結論からいうと…

◆1.「ターゲットを絞り、自社の提供価値を明確にしている点!」

◆2.「『フィールドパーソンシステム』で、サロンに寄り添っている点!」

◆3.「『TAC製品開発システム』で、本物の"モノづくり"を行っている点!」

の"3つ"です。それでは、1つずつ見ていきます。


ーーー

◆1「ターゲットを絞り、自社の提供価値を明確にしている点!」

*先に述べた通り「ミルボン」の価値提供は、化粧品業界に於いて美容室・美容師のみをターゲット顧客としています。その美容室・美容師には、製品提供をはじめ、技術支援、経営支援、人材育成支援まで総合的なサービスの全てを社員が提供することにより、美容室の増収増益に貢献しています。

「ミルボン」は、化粧品業界の中でもシャンプーなどの「ヘアケア化粧品」に絞り、更には「サロン専売市場」にまで対象を絞っています。「ヘアケア化粧品」には、一般消費者がどこのお店でも購入できる「パブリック市場」と美容室でしか購入できない「サロン専売市場」があります。実は、ヘアケア商品市場の6割強を「パブリック市場」が占めています。それでも「ミルボン」が「パブリック市場」に手を出さないのは、「パブリック市場」と「サロン専売市場」は、"トレードオフ"の関係にあると考えているからです。優れたヘアケア商品やカラーリング剤など、自宅でプロ並みのヘアケアが可能な「パブリック市場」の商品ができれば、消費者は美容室を訪れる回数を減らすなどの影響が生じ、これは「サロン専売市場」の衰退に繋がり兼ねません。したがって、「パブリック市場」と「サロン専売市場」の両方で活動する企業は、「サロン専売市場」を拡大させようという意思を美容師と共有することが難しくなり、美容師からの支持を得にくくなります。「ミルボン」は、「サロン専売市

場」で展開する企業が「パブリック市場」との両天秤を掛けることは、企業イメージや戦略の一貫性を著しく損なうリスクがあると考えているのです。


*更に「ミルボン」は、全国に25万軒あると言われている美容室の中でも、時代の変化に即応する「成長意欲が高く、同社の方針や政策への共鳴度が高い美容室」をターゲットにしています。製品開発は、トップクラスの美容師が持つ美容技術を商品に落とし込み、使い方も含めて誰もが同じ効果を出せるように技術の標準化を目指して行われていて、美容師から高い支持を得ています。


ーーー

◆2.「『フィールドパーソンシステム』で、サロンに寄り添っている点!」

*「フィールドパーソンシステム」とは、商品の販売するだけではなく、美容室自体をコンサルティングして売上を伸ばす活動のことです。サロン1軒1軒を訪れて課題を発見し、解決策を提示しています。「モノを売るな、コンセプトを売れ」を行動指針に、単に商品を売る営業ではなく、教育を通じて商品に付随する美容技術や考え方・成功ノウハウ等、付加価値を提供することで美容室の繁栄に貢献しています。

実は、美容室の殆どが小規模経営で、上手く経営を行えているところが少ないのが現状です。

「ミルボン」はそういったお店にも寄り添い、一軒一軒異なる美容室の課題やオーナーの想いと向き合う中で、販売スキルを高める為の講習の実施、店内会議への参加、店舗の年間スケジュールや販促計画の立案、更には 美容室の経営計画づくりまで 幅広いサポートを行っています。因みに「ミルボン」の営業担当者は 年々 着実に増えています。つまり「ミルボン」と契約を結ぶ美容室が増えているのを物語っています。


ーーー

◆3.「『TAC製品開発システム』で、本物の"モノづくり"を行っている点!」

*「ミルボン」では商品の7~8割が、「TAC製品開発システム」という仕組みを使って開発されています。TAC(タック)とは「Target Authority Customer」の略で、「顧客代表制開発システム」のことです。分かり易く言うと、「お客さまに支持されている美容師の代表の方と一緒に製品を創る」ということです。メーカー側が売りたいものを作るのではなく、市場で 今 必要とされているものを最も理解している美容師と一緒に、商品を開発しているということです。


*この美容師を選出する際には、お客さまからとても人気があり、支持されているのは勿論のこと、突出した"技術"や"デザイン"を持って成功されている美容師に お願いしています。「ミルボン」の担当者が年間100軒ほどサロンを訪問する中で、その都度ヒアリング・調査をして、「TAC製品開発」に協力してくれる美容師を見つけています。この際に大事なことは「シャンプーを作るから この美容師にしよう」というモノ先行の考え方ではなく、「ミルボン」の各ブランドのターゲットとなる女性たちに「次の未来を見せる為に、必要な美容師さんは 誰だろう?」という視点で考えることです。つまり、ただ 人気の美容師を探すのではなく、ブランドのターゲットとなる女性の悩みや願望を解決してくれるような技術をもった美容師を探すということです。


*実際に「TAC製品開発システム」で商品を開発する際は、美容師の成功技術や成功ノウハウだけでなく、考え方や哲学までも分析し、明確にしてから商品化を進めていくようにしています。「ミルボン」の製品開発で大事にしているのが「感性と科学の融合」という"言葉"です。美容師の持つ感覚を科学で分析して、水分量がどうなっているか、髪の表面はどうなっているかなど、定量的な分析をして 摺り合わせ 製品化しています。だから 美容師との摺り合わせは 一度だけではなく、何度も何度も行います。こうして「ミルボン」では、一流の美容師が認めた商品を開発しているのです。

この商品への拘りこそが、「ミルボン」の強みになっています。


ーーー

◎と言うことで…

*ここまで「ミルボンさん」について調べてきましたが、「ミルボンさん」の強さは経営に於ける「選択と集中」だと思いました。「選択と集中」を行うことにより製品コンセプトを明確化し、製品レベルを圧倒的に高め、美容室に特化することで競合が参入し難い状態にしているのだと思います。

今後の「ミルボンさん」が見据えるものは、海外進出し世界の国・地域に貢献することです。特に東南アジアは、急速な経済発展による可処分所得の増加で、今後は美容関係に お金を使うことが当たり前になります。そこに「ミルボンさん」が進出することで、スローガンである「美しさを拓く」を、世界で実現されようとしています。この際にも「ミルボンさん」は、ターゲットを変えることはしません。あくまで 日本から海外に「商圏」を変えただけで、「ミルボンさん」の強みを そのまま残しているのです。


そんな「ミルボンさん」は、コロナ禍で新しい取り組みをされています。

それは…

〇「美容室専売品をオンラインで購入できるEC事業」です。

美容室専売品である「ミルボンさん」の商品はこれまで美容室でしか購入できず、継続率の面で課題がありました。EC環境を整えることでお客さまにとっては、店頭で担当の美容師から購入していた商品をネットで購入できるようになり、美容室の来店タイミングとは関係なく、欲しいタイミングで購入可能になります。また、購入履歴は全て美容室が管理する為、ヘアカットやヘアカラーなどでの次回来店の際に、的確なアフターフォローを受ける事が出来ます。美容室にとっては、サイト運営・受注・物流業務をすべて「ミルボン」が受託することで、負担なくEC販売に参入が可能になります。現状でも、メーカーが一般消費者に直接販売して、手数料を美容室に還元する仕組みのECは存在しています。しかし「ミルボンさん」が行うECは、お客さまが通っている美容室から購入する仕組みの為、手数料以外は全て美容室の売上になります。


ーーー

●それでは 最後に、C.I.について、若手なりに一言いわせて頂くと…

今のC.I.は、2016年に新しく制定されたものです。「ミルボンさん」では、その時々に合わせて、少しずつC.I.を変化させていっているという特徴があります。これは「ミルボンさん」のC.I.へ拘りの証だと思います。特に「経営理念」として、ヘアデザイナーを通じて美しい生き方を応援する事業展開することで、世の中がどう変化するかまで言語化されていて、目指すところが分かり易く表現されていると思いました。ただ 敢えて、若者なりに一言いわせて頂くとしたら、C.I.を変えることと同じ位、変えないことも大事だと感じました。「ミルボンさん」では、その時々で企業は変化し、それに伴いC.I.は変化するものと考えられています。ただ どんなに自社状況や市場が変化しようとも、創業者の想いや、創り上げたい世界観は決して変わるものではないと思います。そういった企業の"軸"となるものを、言語化することも大切だと思います。コンカンでは、そのことを「企業理念」と定義しています。出来れば、コンカンが提唱するC.I.も参考に、御社のC.I.と一度 照らし合わせて頂けると有

り難いです。

*concanが考えるC.I.とは?

https://www.concan.co.jp/post/topics-ci

本当に、若手が生意気ばかり言って、申し訳ございません。

長くなりましたが、以上です。

閲覧数:37回