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【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】「第62回:萩原工業 株式会社」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。「フラットヤーン」と呼ばれる合成繊維を全国に広めた企業です。

第62回は、「日本でいちばん大切にしたい会社」にも選ばれている「萩原工業 株式会社」です。




【企業概要】

*「萩原工業 」は、岡山県倉敷市に本社を置く、「フラットヤーン」(合成樹脂繊維)を用いた製品の製造販売、及び「フラットヤーン」製造機械の販売を行っています。売上高は「296億円(2020年度)」、従業員「500名」ほどの会社です。ニッチトップのブルーオーシャン戦略を採っていて、コロナ禍でも成長している凄い企業です 。2018年の第8回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞に於いて、最高賞となる「経済産業大臣賞」に輝いています。これは「人を幸せにする経営」を行っている会社を顕彰する制度で、「正しいことを、正しく行っている企業」であるホワイト企業を表彰する賞です。

「萩原工業 」が製造する「フラットヤーン」とは、プラスチック原料をフィルム状にして、短冊状にカットし、それを引き伸ばすことにより強度を持たせた平らな糸のことです。実は「萩原工業」の「フラットヤーン」自体は表に出にくく、あまり知られていないのですが、生活の色々な場面で使われいます。例えば 糸を細かく裁断した形状の「バルチップ」という製品は、コンクリートに混ぜ込むことで、ひび割れ抑制や、耐久性を向上させる資材として世界中で使用されています。他にも、ハンディモップの糸や人工芝の糸など、様々な場面で「萩原工業」の「フラットヤーン」が使われています。


【企業ヒストリー】

*「萩原工業」の前身である「萩原商店」は1892年に創設されました。「萩原工業」の本社がある岡山県倉敷市は お米が育ち難い塩分を多く含んだ土壌であったため、綿や井草など繊維産業が栄えた町です。そのため「萩原商店」は、井草を用いたゴザの問屋として始まりました。ゴザは横糸が井草、縦糸が綿氏からなる織物ですが、「この縦糸をプラスチックで代替したら、品質が安定するのではないか?」という着想が「萩原工業」の主力である「フラットヤーン」の始まりです。1962年に「萩原工業」と社名を改め、「フラットヤーン」の製造・販売を目的に設立されました。国内の生産拠点は、1970年に笠岡工場(笠岡市)、1973年に本社工場(倉敷市)、1989年に里庄工場(里庄町)、1997年に賀陽工場(賀陽町)と、岡山県内に次々に工場を拡大させて行きました。海外では、1995年にインドネシア、2003年に中国青島、2005年に中国上海で生産・組立拠点を設けました。

2000年に東証2部に上場すると、2014年5月には、東証1部へ指定替えを行いました。更に、2018年には新たな展開として、コンクリート補強繊維「バルチップ」の海外販売代理店であったシンガポールのEPCを買収しました。他にも、合成樹脂を素材とした包装資材 及び 加工品を製造販売する「東洋平成ポリマー」(茨城県かすみがうら市)を買収し、子会社化しました。


そんな「萩原工業 」の特徴は…

◆1.「人を大切にする!」

*「萩原工業 」は、創業以来 どんなに業績が厳しくてもリストラをしないという経営を貫いています。社員と共に業績の浮き沈みを経験することで、経営陣と現場の信頼関係が強まり、業績悪化などの会社の危機を乗り越える"原動力"に繋がると考えているからです。

◆2.「社長の資質!」

*1991年以降、社員の誕生日には、必ず社長から直筆のメッセージカード 及び バームクーヘンが送られています。社長は、社員のことを知ろうと 各地の工場を積極的に訪問したり、社員との日々のコミュニケーションを大切にする とても 社員想いの人として有名です。そんな社長は、「社長らしくない社長」を目指しているそうです。社員の方々と積極的にコミュニケーションをとり、風通しのよい社風を作られています。

そういう社長の姿勢もあり、社員の働くモチベーションは高く、年間「5,000件」を超える業務改善アイディアが社員から提案されており、「萩原工業」が提供する製品・サービスの競争力維持にも繋がっています。



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それでは ここで、地方 岡山県から成長を続けている「萩原工業 株式会社」の、"イケてるC.I."の一部を紹介します。

【スローガン】

◯「アミダセ、ハミダセ」

常識は便利だ。従っていればそこそこの成果は約束されるし、たとえ失敗しても、仕方ないと許してもらえる。

でも、世の中は常に変化する。「常識」だってそうだ。

今日の「常識」が、明日も「常識」だとは限らない。

当たり前をハミダセ。そして 新たな価値をアミダセ。

未来の「常識」を創るのは私たちだ。


【経営理念】

〇「萩原工業はフラットヤーン技術を大事にしながら常に変革し続け、世のため人のために役立つ会社であろう。」


【社是】

一、萩原工業は業界をリードする

一、萩原工業は信用に生命をかける

一、萩原工業は恩義を忘れない

一、萩原工業の社員は創意を尚び、自己の責任を果たすことに悦びを持つ


【健康理念】

〇萩原工業の経営理念である「萩原工業はフラットヤーン技術を大事にしながら常に変革し続け、世のため人のために役立つ会社であろう」を実現するためには、社員一人ひとりの心と身体の健康が不可欠と考え、社員がいきいきと働くことのできる職場づくりと社員の健康づくりに積極的に取り組むことを宣言します


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【若手なりの成長理由 分析】

ここからは、若手なりに「萩原工業 株式会社」の成長理由を、仮説ですが "3つ"上げさせて頂きます。

先ず、結論からいうと…

◆1.「ニッチトップのブルーオーシャン戦略!」

◆2.「競合を増やすリスクを、敢えて 選択した点!」

◆3.「海外進出に拘り続ける点!」

の"3つ"です。それでは、1つずつ見ていきます。


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◆1.「ニッチトップのブルーオーシャン戦略!」

*「萩原工業」は、コモディティ化した製品市場での価格競争を避け、新規参入者がないニッチ市場でトップシェアを維持することで 高収益を上げています。

*「コモディティ化」:マルクス経済学の用語で、所定のカテゴリ中の商品に於いて、製造会社や販売会社ごとの機能・品質などの属性と無関係に経済価値を同質化することを指します。


トップシェアを持つのは、人工芝用パイルヤーン、多機能化したブルーシート、土のう、カーペット基布などがあります。競争の激しい大きな市場ではなく、「萩原工業」が強みを発揮できるニッチ市場をターゲットとする「ブルーオーシャン戦略」を取っているのです。ユニークなものでは、Jリーグやプロ野球のグランドに採用されている高機能人工芝なども、実は「萩原工業」が製造しています。


*「萩原工業」のビジネスのスタンスは、「製品の機能を売るのではなく、本来の役割を提供すること」というのがあります。例えば、運送会社にとって重要なのは、粘着テープのコストよりも作業効率を高めて梱包作業時間を短縮することです。「萩原工業」がトップシェアを持つ「粘着テープクロス」は、テープの手切れが良い上、タテにもヨコにも用途に合った大きさにカットでき、作業効率が上がるものを提供しています。工事現場で使用されるシートは、軽量な材料を使用することで 作業効率を高め、工期の短縮化に貢献したりと、機能を売るのではなく、その目的を完遂する商品を製造することを忘れないようにしています。


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◆2.「競合を増やすリスクを、敢えて選択した点!」

*「萩原工業 」の強みとして、モノづくりに使う機械から 自社で創れるというのがあります。これは、勿論 良い商品を創ろうと思えば、自分たちでその機械から製造する方が理にかなっているからです。しかし モノを販売するだけでなく、モノをつくる機械自体も販売してしまうと競合を増やすことに繋がります。事実「何故 機械を売ってしまったのか? ライバル会社を増やすだけではないか?」と疑問に思った社員が沢山いたそうです。しかし、創業者の「萩原 賦一氏」は「フラットヤーン事業を世界へ広めることが大切だ。勝つ、負けるではなく、広めることで事業全体が拡大し、ニーズも拡大する」と考えたそうです。

その通り、「フラットヤーン」市場は、そこから一気に活性化しました。しかも「フラットヤーン」で培った技術を活かし、他の色んな分野に後発で参入し、結果として事業の拡大に繋げて行きました。今では 合成樹脂事業で75%、機械事業で25%の売上を上げるまでになっており、創業者の思惑通りに推移しています。


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◆3.「海外進出に拘り続ける点!」

*現在の「新型コロナウイルス」の感染拡大で、「海外は危ない」・「国内事業に回帰すべき」という声が一般的になっています。しかし 「萩原工業」では、リスクがあっても海外に挑戦することを大切にしています。現在では、「萩原工業」は12ヶ国に拠点を持っていますが、海外に進出することで新たなニーズに気づくことが出来たのも事実です。例えば 今まであまり触れることがなかったアフリカの国々では、「萩原工業」がつくる検品機械などの商品の需要が沢山ありました。また、オーストラリアでは 灌漑(かんがい)用の池に敷く巨大なシートなど、日本では思いもよらないようなニーズがあります。

特に「萩原工業」では、若い社員には 海外に行って、新しいニーズを発見し、勉強させることを大切にしています。当然ですが、日本の市場は限られています。しかし 世界には、まだまだ 我々の知らないニーズが眠っているのです。因みに、2018年10月期の海外売上高「67億円」と、全売上の「25.7%」を構成するまでになっています。


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◎と言うことで…

*「萩原工業さん」を調べましたが、社長のどの記事を見ても、本気で社員さん想いの方で、ビジネスモデルがどうこうより、従業員一人一人が本気で会社の為に働いていると言うのが1番の強みだと感じました。これは、労働人口減少という構造的な課題を抱えている日本で、社員を大切にし、社員のモチベーションを高く維持できる会社は、自然と課題解決能力が高くなり、厳しい競争環境を生き残っていけるということだと思います。社員の雇用と生活を第一に考える「萩原工業さん」のような会社が全国で増えてほしいと、若手の自分ながら感じました。


また「萩原工業さん」から学んだことは、「ニッチ市場を狙いつつ、競合企業まで巻き込み、その市場自体を拡大していくことで、自然と売上も伸ばす」ということです。「萩原工業さん」に例えると、フラットヤーンの製造機械までも、どんな企業にも販売し、市場を拡大させることで、ニーズも拡大させました。この時代だと、どんな商品・サービスも 直ぐに真似させる中で、敢えて 全てオープンにする方が、自社にとっても"メリット"があると言うことだと思います。


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●それでは 最後に、C.I.について、若手なりに一言いわせて頂くと…

「萩原工業さん」では、「フラットヤーン技術を大事にしながら、常に変革し続け、世のため人のために役立つ会社であろう」という経営理念をとても大切にされています。そのため、月に2度の朝礼で唱和されているそうです。若手の私ながら生意気を言わせて頂くと、この理念の中に「フラットヤーン技術」という言葉が入っているのが凄いと思いました。

この理念を噛み砕いて表現すると…

●フラットヤーン技術という本業を大切にし、本業以外の事業に手を広げない

●フラットヤーン技術という強みを活かしつつ、健全な危機意識を持ちながら、本業の中で変化を取り入れ続ける。

●その結果、社会の役に立つ

という"言葉"に換言することが出来ます。経営理念から、「萩原工業さん」のビジネススタンスが表現されていると思いました。この分かり易さが、「萩原工業さん」の成長理由であり、更に言うと どの中小企業にも言えることだと思いました。


また 出来れば、コンカンが提唱するC.I.も参考に、御社のC.I.と一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。

*concanが考えるC.I.とは?

https://www.concan.co.jp/post/topics-ci

本当に、若手が生意気ばかり言って、申し訳ございません。

長くなりましたが、以上です。

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