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株式会社コンカン

【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】「第50回:株式会社 セイバン」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。「ラ・ラ・ラ・ランドセルは~、テ・テ・テ・天使のはね~」のCMでお馴染みの企業です。

第50回は、日本の『ランドセル市場』の30%を占める「天使のはね」ランドセルを製造している「株式会社 セイバン」です。


「セイバン」は、兵庫県たつの市に本社を置き、ランドセル鞄の製造・販売をおこなう中小企業です。主力は、「天使のはね」ランドセルです。売上は約70億円、従業員数は190名で、ランドセルを軸に、成長してきた企業です。

「セイバン」の歴史は、1919年に「泉 亀吉氏」が財布や鞄などを販売する、「泉亀吉商店」を設立したことに始まります。当時、兵庫県西部では皮革の貿易が盛んであり、その中で、兵庫県南西部の港町の漁師らが、漁業の閑散期である冬場に作った皮革を利用して商品化したことが、事業のきっかけです。


1885年に官立の模範小学校であった学習院初等科が「背嚢(はいのう)」という、ランドセルの原型を通学かばんに指定したことから、ランドセルの普及が始まります。当初は、布製だったランドセルも、1887年に当時の皇太子が学習院初等科に入学されたことを祝い、内閣総理大臣であった「伊藤 博文」が皮革製の箱型のランドセルを特注し、献上したことが"きっかけ"と言われていて、ここから 革製ランドセルの歴史が始まります。セイバンも終戦翌年の1946年に、ランドセル工場を設立し、ランドセルの生産に注力を始めます。ランドセルの代表企業として成長しづけ、2000年代には、テレビCMを活用し、全国の子供たちと母親の心を鷲掴みすることになります。今でも指名買いされるブランド力を誇り、業界に於ける確固たる地位を確立さしています。1993年には、「世界一 軽いランドセル」としてギネスにも認定されています。

本社と工場は、一貫して兵庫県西播磨地方を基盤としていて、また 直販事業については、大阪に事務所を置くグループ会社の「スリーアイコーポレーション」で行っています。その一方で、大人用(ビジネス)のランドセルをドイツ国内限定で販売するなど、日本以外の国でも事業を展開していっています。


【「ランドセル市場」について】

*これは意外かも知れませんが、少子高齢化時代にありながら、ランドセル市場は確かにここ数年、盛り上がりを見せている市場の一つです。

市場規模でいうと「800億円」ほど。これは 毎年 約4%の数字で成長していて、少子化を上回るスピードで商品単価の上昇が進んだ結果です。この理由は、タンス預金を沢山抱えている祖父母が、孫にランドセルをプレゼントすることが、慣例となっているからです。セイバンは、そんな成長市場の中で、市場全体の「50%」のシェアを占めている凄い企業なのです。


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それでは、そんな成長市場を引っ張り続けている「株式会社 セイバン」の、"イケてるC.I."の一部を紹介します。

【スローガン】

●「Making quality with love」


【ミッション】

●「私たちは真心をこめた「愛情品質」を創造することで、世界中の子どもたちと そのご家族の笑顔にあふれた生活を実現します。」


【アクション】

●「誠意」

常にお客様の声に耳を傾け、誠実な品質づくりを行います。

●「熱意」

熱い願望を心に抱き、勇猛果敢に挑戦します。

●「創意」

常に創造的な仕事を、常にプロとしての自覚を持って改善します。

●「合意」

志を同じくする仲間との紳を大切にし、一人ひとりの想いと努力を総合力へと結集します。

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【若手なりの成長理由 分析】

ここからは、若手なりに「セイバン」の成長理由を、仮説ですが "3つ"挙げさせて頂きます。

先ず、結論から…

◆1. 「"ランドセル"だけに注力したことと、社長の存在」

◆2.「業界の常識に囚われない発想!」

◆3.「リスク最小限での、新規事業の立ち上げ!」

の"3つ"です。一つずつ見ていきます。


先ず…

◆1.「"ランドセル"だけに注力したことと、その伝統を受け継ぐ社長の存在!」

*「セイバン」は、創業後、一貫してランドセルの製造を行ってきました。今では、ランドセルの最大手メーカーであり 2016年時点では国内シェアの「約30%」を占めています。また 新たに、最も軽く感じる垂直角を維持できるクッション形状「せみね」を開発したり、肩ベルトの一部に形状保持プレートを内蔵しフィット感をより向上させた「ひねぴた」など、とにかく ランドセルの開発だけに注力してきました。その中でも"ヒット商品"が、「天使のはね」です。「天使のはね」とは、元々は 肩ベルトの付け根に羽根の形をした樹脂を内包させてベルトを立ち上げることにより、背負ったときにランドセル本体の重心を上げることで、人気を博しました。


*そして 現社長の「泉 貴章氏」は、創業者の4代目に当たります。「泉氏」は大阪大学卒業後、サントリーに就職し商品企画に携わります。そこで 新商品のヒットでやりがいを感じる一方、当時は研究開発のことしか知らず、「経営を学びたい」と思い、20006年から早稲田大学のビジネススクールに入学しました。入学当時はサントリーでキャリアアップしたいと考えていて、家業を継ぐつもりはなかったそうです。しかし この頃、肝臓がんを発症し、闘病中だった父から「後を継いでくれないか」と言われました。迷ったあげく、最終的にはMBAの学びが背中を押し、後を継ぐ決意をしてサントリーを退職し、2010年10月に取締役として「セイバン」に入社しました。


先ずやったことが、「経営のスリム化」です。「セイバン」のランドセルは、10社ほどの卸問屋を通して販売しており、注文がきたら直ぐに出荷できるよう、山のような在庫を持って備えていました。そこで、トヨタの生産方式「ジャストインタイム」を参考にしました。リードタイム(受注から発送までの期間)の短縮や、在庫の削減など、「必要なものを、必要な時に、必要なだけ作る」ための手法を、ランドセル創りにも取り入れていったのです。そして 改善を重ね、14年は100日かかっていたリードタイムを、18年には5日に短縮できました。

「泉氏」は、他にも人事部を作るなどして、それまでは「町工場」であった企業を、「会社」に変えていきました。


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◆2.「業界の常識に囚われない発想!」

*「セイバン」は、2年ほど前から中国や韓国で現地ニーズに合わせたランドセルのテスト販売に取り組んでいます。更に、ここにきて海外での事業拡大を図るため、日本と同様に職人の技を重視し、物を長く大切に使う志向のある『ドイツ』での販売計画を進めています。もし ドイツでの販売が軌道に乗れば、後に ヨーロッパ全域に供給する予定です。これは、大人向け製品開発の第一歩であり、日本から世界へと事業の幅を広げる足がかりとする予定です。ランドセルという日本人にとって慣れ親しまれたカバンが、ヨーロッパ市場で受け入れられるかどうかを、ランドセル業界の多くの企業が注目しています。


*その他にも、2010年にA4サイズの教材に合わせたサイズ変更が好評を得るなど、使う子どもの目線に立ったランドセル創りを行ってきました。そんな中でも、1番の画期的な発想は、それまでは ランドセルといえば男子は黒、女子は赤が定番だったたものを、「セイバン」がデザインやカラーバリエーションにも力を入れ始めたのたのです。

今では ランドセルの技術を横展開し、ビジネスパーソン向けバッグブランドの「MONOLITH」を立ち上げました。このように、ランドセルを中心にしながらも、現状維持を行うのではなく、業界の常識に囚われないという発想が「セイバン」の強みとなっています。


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◆3.「リスク最小限での、新規事業の立ち上げ!」

*「セイバン」が新規事業を立ち上げる際に、工夫している点が"2つ"あります。

●1つ目は、「不足する人材の補い方」です。

通常、人材が不足する場合、社内外の人材を探索しますが、ここで 社外から高度人材を採用してしまうと、当然 それが固定費として重くのし掛かってきます。新規事業の成功確率は「1勝9敗」とも言われて、勝率が高いとは言い難いです。それなのに、その事業のために高価な高度人材を採用してしまうと、経営リスクが高まってしまいます。そこで、新規事業の「商品企画」や「デザイン」などの専門機能を外部のパートタイムにより補完することにしています。そうすることで、既存のかばんメーカーにも負けない"こだわり"を、セイバンの強みに融合させることに成功しているのです。そして セイバンが「パートタイム」で有能な人材を集められる理由が、常に 契約自体は結んでいて、必要な時に必要な人材を集められる体制を、常時 整えているからなのです。


●そして、2つ目は、「不足する生産体制の補い方」です。

「セイバン」では、初期段階での生産自体を外部に委託することにしています。つまり、新規事業の段階では、製造機械の開発を行わずに、現状 製造可能なメーカーにて少量生産をおこなっているのです。これは「セイバン」では、成功確率を高める工夫をしつつも、その成功確率の低さという現実にも向き合っていると言えます。「小さく始めて、大きく育てる」ということです。新規事業にこそ、不足する資源を外部に求めるアウトソーシングやオープンイノベーションが適していて、失敗時のリスクも軽減できるメリットも存在しているのです。


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◎と言うことで…

「セイバン」の凄さは、組織の伝統を守りながら、柔軟性を持って改善し続けていく思いで"ドンドン"新しいことにチャレンジしていくバイタリティーだと思いました。

また、しっかり 経営の原則に沿って、無難なやり方をされていると感じます。「守り」と「攻め」のバランス力が極めて高いのだろうと思いました。


海外では、日本のランドセルが、一般の鞄として定着しつつあるとのことで、この結果次第では、海外での需要が爆発する可能性だってあると思います。今後のセイバンさんの活躍が楽しみです。


後、私なりに「こういうランドセルがあったらいいなー」と思うものを考えてみました。

それは…

●「電動ファン搭載・ランドセル」です。

最近よく、工事作業服に電動ファンが搭載されていますが、同じようにランドセルにも搭載してくれると需要がありそうと思いました。子どもは、本当に汗かきな上に、よく走り回ります。しかも、このコロナ禍に於いて、常にマスクも着用しているはずです。小学生が帰宅後の背中は、Tシャツが絞れるほど、汗が"ビショビショ"な時もあると思います。

是非 そんな子供でも快適に使える「電動ファン搭載・ランドセル」があるといいと思いました。

適当なことを言って、すみません。。。


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●それでは 最後に、C.I.について、若手なりに一言いわせて頂くと…

率直に、失礼な言い方となってしまいますが、「セイバンさん」らしさがあまり感じられないと思ってしまいました。何故なら 他の企業に転用できてしまうからです。「セイバンさん」はランドセルに拘り、ここからもランドセルを通して、世の中に貢献したいと考えられているはずです。少なくとも社長のインタービューを拝見する限り そう感じました。もっと、「セイバンさん」らしく、ランドセルに拘って、創り上げたい世界観を言語化すると良いと思いました。勿論「セイバンさん」は老舗企業で、血の通った伝統あるC.I.という事も理解していますが。

勝手に自分なりに考えてみると…

「ランドセルとして ただ機能するだけでなく、世代を超えた思い出となる象徴として、世界中の子どもたちと そのご家族の笑顔を実現する。」


出来れば、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。

*concanが考えるC.I.とは?

本当に、若手が生意気いって、申し訳ございません。

長くなりましたが、以上です。

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