今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。創業して 僅か15年で 年商が『100億円』を突破した企業です。
第48回は、業界初の『ブランド品買取専門店』を運営する「株式会社 エコリング」です。

【会社概要】
*「エコリング」は、家庭にあるブランド品・貴金属・不用品を買い取り、インターネットオークション、業者間取引、海外店舗で販売するリサイクルビジネスを行っている企業です。創業は2000年で、現在の店舗数は100店舗に達し、国内外のグループ売上高は150億円に迫り、今や『ブランドリサイクル業界』の「第4位」とまでなっています。「エコリング」の顧客の登録は「約30万人」で、年間の買取人数は3万人、オークションへの出品は 毎日1,000点にも及びます。
今では 「香港」出店を皮切りに中東の「ドバイ」、フランスなど 6か国に店舗を構え、「アジアNo.1企業」を目指しています。
【社長ヒストリー】
*ここに至るまで、社長の「桑田 一成氏」には、数々の『失敗』があり、その半生は"波乱万丈"といっても過言ではありません。兵庫県姫路出身の「桑田氏」は、桑田家の14代目で、桑田家は 代々 獣医者の家系でしたが、11代目で獣医者は途絶えていました。「桑田氏」の父親は 消費者金融を生業にしていて、幼少時は 非常に裕福でしたが、小学校の頃に父の会社が傾き、やがて 両親は離婚することになりました。
中学、高校を卒業し、大学は獣医者としての開業が比較的可能な「日本大学 獣医学科」に進みました。だが、卒業後は「郵政省」に入省するも30歳で退職。郵政民営化が叫ばれていて、将来に 不安を感じたことが、退職の理由でした。
そこからは、ぷらぷらしながら「システム開発」などに挑戦していました。しかし 結局、上手く行かず、お金も無くなり、極貧状態を過ごすことになるのです。何らかの収入を得なければいけないということで、自分の身の回りの物を売ることにしました。当時 ネットオークションができた頃で、身の回りの物をどんどん売ることが出来るも、やがて 売れる物がなくなってしまって、生活は困窮を極めました。借金まみれになり、借金取りから 毎日のように電話が掛かってきていたそうです。しかも それが、なぜか"闇金屋"でした。「桑田氏」は、元々 公務員で世間知らずで、消費者金融に行かずに"闇金屋"に行っていたのです。
そんな過程で、「自分自身が全く社会に必要とされていない。」そんな気持ちになり、自殺をも考えました。自分が死んだところで誰にも迷惑が掛からないと思っていたが、1人だけ迷惑が掛かる人がいました。それが、毎日 電話を掛けてくる「借金取り」です。何故か「あいつには迷惑かけるな」と思ったそうです。その場で、その借金取りに電話を掛けて事情を話し、「2ヶ月間 電話 連絡やめてくれ。その間、集中してお金を稼げるプログラミングをつくるから」と伝えたそうです。こうして 2ヶ月間、心血を注いでプログラムを創り上げました。そのプログラムを企業に売却し、得たお金が「2,200万円」でした。そのお金で借金取りにお金を返し、何だかんだで手元に「750万円」が残りました。この資金で創った会社が、エコリングでした。今では「不用品に命を吹き込む企業」とまで呼ばれ、リサイクル業界で注目を浴びる企業とまでなっています。しかし 元々は、そんなことを考えて創った企業ではなく、生きるために何となく立ち上げ企業でしかなかったのです。
人間 追い込まれたら、凄いパワーを発揮するんだと 思いました。。。
【リユース業界の現状】
*中古品市場の、市場規模は「約2兆円」で、物凄い勢いで成長している市場です。先に始まったコロナによる自粛で、"おうち時間"が増えたことを機に、自宅のお片付けが急増したのです。そこで、リユースの価値が再認識されて、昔の衣類や貴金属、趣味で集めた骨董など意外な品に高値がつき始めています。「エコリング」の店舗にも、袋一杯に古着を持ち込む人や、学生時代に使っていたVHSのデッキを持ち込む人などが殺到しるそうです。それに、メルカリの普及や、環境への意識の高まりと伴に、リユースへの意識の高まりで、中古品市場は 今後も伸び続ける市場と言われています。
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それでは、そんな"波瀾万丈"な「桑田 一成氏」が社長を務める、「株式会社 エコリング」の"イケてるC.I."の一部を紹介します。
【経営理念・ビジョン】
「価値を見いだす使命共同体」
私たちは、お客様からお売りいただく商品に、それぞれの価値を見いだし、買っていただけるお客様には、その見いだした価値をお伝えします。
そして、社員ひとりひとりが目的意識を持ち続け、その使命を全うする心を一つにした使命共同体です。
「エコロジーの輪を広めていく」
エコリングは、店舗で買い取った商品を店頭売りをせずインターネットオークション・業者間取引・海外店舗で販売する、新たなリユースビジネスを確立。
誰もが簡単に参画できるエコロジーを提案し続け、各個人を結びつける役割を担い、そのエコロジーの輪(リング)を広げていくという想いで事業を展開しています。そのエコロジーの輪(リング)を広げていくという想いをこめて社名をエコリングとしました。
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【若手なりの成長理由 分析】
ここからは、若手なりに「エコリング」の成長理由を、仮説ですが "3つ"挙げさせて頂きます。
それでは…
◆1.「買取に絞った点!」
*「エコリング」では、中古商品の買取を行って、その場で販売はしていません。通常、ブランドリサイクルショップというのは、売り場があって買い場があり、買い場と売り場を通常はくっつけます。しかし「エコリング」では、その場では買取しか行っていません。実は これは最初から計画した通りではなく、起業当時に お金がなく買取しかできませんでした。「いつか 店に商品を並べてやろう!」という野望はあったそうですが、結局 在庫を置けるようなお金の確保も出来ていなかったのです。しかし この結果、「商品が"バンバン"集まり、商品を高速回転させながら資金も回転していく。」そんな ビジネスモデルが確立されていきました。
*では、その買い取った商品は どこに販売しているのか? それは、インターネットオークション、業者間取引、海外店舗で販売するリサイクルビジネスを創出しています。因みに、B to C ではなく、業者間取引などのB to B になると、その時に市場状況によって、大きく販売価格が変わります。そのため、「エコリング」では、「市場エコノミスト」というポジションをつけ、しっかり 相場を見極めた上で、販売戦略を立てています。
このように、買い取ったものを その場で販売せずに、インターネットオークション、業者間取引を行い、"バンバン"在庫を回せるのが、強みになっています。
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◆2.「何でも買取り、多くの流通ルートを持っている点!」
*「エコリング」の特色としては「全部買う。」ということです。お客さまからは、「こんなの売られないだろう」という商品でも、全て買い取っています。例えば、ボロボロの化粧品やボロボロの古着なども全て買い取っています。ボロボロの化粧品でも、メイクさんとかがちょっと使いたいとか、需要があるのです。また ボロボロの古着も、服のままでは売れませんが、ボタンだけ外して、「ボタン1万個」、残りは「ウエスト」にして売ってます。
これが出来る理由が「エコリング」には、独自のメンテナンス技術があるからです。「エコリング」では、グループ会社として「エコリングリシャイン」を立ち上げ、そこで メンテナンスを行っています。買い取ったブランド品をクリーニングする会社で、研究を重ね、専用洗剤も開発し、新品のようになる独自のメンテナンス技術があります。自社でメンテナンスを行う事で 外注費を抑え、その分 買取金額に還元することで高額買取が可能となっています。
*「エコリング」は、国内だけでなく 海外展開に於いて 世界中に独自の流通ルートがあります。
「タイ」「ドバイ」「香港」「カンボジア」「フランス」とエコリングの支社があり、商品毎に一番高く売れる所で販売しています。
例えば、日本国内で「10万円」で販売できるなら「8万円」の買取価格となるところを、海外の流通ルートで「15万円」で販売できる場所があれば、買取価格が「10万円」になります。特に最近では、円高・円安などの為替の変動が激しく、為替により値段が変動する商品も多数あります。国内相場だけでは柔軟な対応が難しくても、海外との相場を把握する事で、どんな時でも世界中で一番 高く買取りが出来る相場を出す事が出来るのです。
中古品の買取り価格は、高く販売できるチャネルを沢山 持っている会社が、より高く買取り出来る事に繋がっています。「エコリング」は各国に支社を設立し、柔軟な動きと日々 変動する相場にも対応ができ、最適な買取り価格をご提示する事が可能なのです。
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◆3.「時代に適した『ビジネスモデル』を創った点!」
*「エコリング」では、全国の店舗のある地域を対象に、出張買取りを行っています。これは コロナ禍 以前から行っていたことですが、このコロナ禍でより需要が伸びています。勿論 鑑定士も日頃から店頭で買取りをしている熟練者が対応します。
出張買取りの鑑定士をご自宅に上げるの事に抵抗がある方も多くいますが、エコリングの出張買取りでは、玄関先の査定・買取りも可能です。実は 当たり前のように感じますが、今までなかったビジネスモデルなのです。何故なら、多くの「人件費」か掛かってしまうからです。この点、「エコリング」では販売店舗を持っていない分、鑑定士の確保にお金が回せるのです。
そもそも、使われていない 中古品市場は、ほぼ 市場に流通せず自宅に眠っていることが殆どです。何故なら、そもそも 中古品を運んでまで、中古買取屋に持っていくのも面倒な人が殆どなのです。出張買取りをすることで、中々 市場には流通しない商品と出会えることが出来るのです。
*「エコリング」には、鑑定士が「120人以上」在籍しています。膨大なブランド品の質と相場を見極め鑑定する技術は、経験と勘が求められる難しい仕事で職人的な世界です。鑑定を誤ると、多大な損をする可能性だってあります。そこで「エコリング」は、通常9年掛かると言われているところを、「1年半」で鑑定士へと育成するための鑑定教育を、徹底的にマニュアル化しました。同時に「桑田氏」が得意のプログラムで、鑑定をサポートする「IT技術」も開発しています。遠隔でベテラン鑑定士が新人をサポートするシステムや、10秒で“ニセモノ鑑定機”まで開発中なのです。
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◎と言うことで…
「エコリング」さんの凄い点は、海外にまで視野を広げ専門のエコノミストまで社内で採用されている点と、鑑定士を1年半で育て、「IT技術」まで入れ込むという、今までの常識に捉われなかった点だと思います。
他にも 社会問題への啓蒙活動として、「EcoRing」というサイトを立ち上げ、環境や発展途上国への興味を沸かせる数多くの記事を書かれています。よくある「質屋」みたいな、安く買って、高く売るという単純なビジネスではなく、飽くまで環境に配慮した企業としての存在価値を明確にされています。それは、日本で売れないものを ただ 海外に売りつけるという発想ではなく、貧しい国々への支援を目的に、輸出されているということです。時には、無料で貧しい国々に輸出されることもあります。この点が 素晴らしいと思いました。
また、若手なりに一言いわせて頂くとしたら…
インターネットオークションで販売するのと併せて、エコに配慮した中古商品だけを扱う「ECサイト」を創ったら面白いと思いました。中古品に限ると、ありそうで無いと思います。例えば 洋服なら、その製品がいつ、どこで、だれが どんな原料で製造されているのか等を表記してあげると、エコへの関心が高い人にとっては、この商品を買うことで、どんな より良いことがあるのかを、想像し易くなると思いました。
適当なことを言って、すみません。。。
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●それでは 最後に、C.I.について、若手なりに 一言いわせて頂くと…
パッとコーポレートサイトを見た時に、よくあるリサイクルショップに思われそうで、少し勿体ない気がしました。社長の想いとしては、この事業を通して「エコロジーの輪を広めていく」ことがある思いますが、上手く伝わっていないかもと感じてしまいました。「エコリング」という社名が、ひとり歩きしている感じです。飽くまで、「エコロジーの輪を広めていく」ことが目的であって、その為に事業があることをもう少し分かり易く表現するといいと思いました。
また そもそも、「経営理念」と「ビジョン」が同等の扱いをされていて、少し分かりづらさを感じます。コンカンでは、「ビジョン」は、事業を通して目指していく、企業のゴールイメージ(数値目標)。そして「経営理念」は、事業ビジョンを実現する為の経営方針(社員との約束) と、定義付けています。
出来れば、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。
*concanが考えるC.I.とは?
本当に、若手が生意気いって、申し訳ございません。
長くなりましたが、以上です。
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