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【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】「第43回:株式会社 ロック・フィールド」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。先日 偶々、お客として行ってみて調べてみたくなった企業です。

第43回は、惣菜の製造 及び 販売事業で、なんと「約500億円」を稼いでいる「株式会社 ロック・フィールド」です。



【企業概要&ヒストリー】

実は この企業は 先日、博多駅の地下で 偶々 見つけた「RF1」というブランドを運営している会社です。行ってみて 驚いたことは、『野菜惣菜』だけを扱っているにも関わらず「店員さんと お客さんの数」、そして「新鮮な野菜の見せ方」です。見た瞬間に「絶対に凄い企業だ!」と思いました。しかも その場で「ロック・フィールド」と、Googleで検索してみると、なんと 売上「502億円」。惣菜の製造 及び 販売だけで、こんな企業があるのかと驚きました。

そんな「ロック・フィールド」は、本社を神戸市に構え、従業員は 1,500名を超える企業です。現在「RF1」を初めとする和・洋・アジアの惣菜ブランドを展開しています。北は、仙台 南は、鹿児島まで 主要都市の百貨店、駅ビルを中心に、一部 路面店にも展開していて、多くの百貨店の地下売り場で、最も目立つ一等地に出店しています。今では 東証1部に上場して、このコロナ禍でも、益々 成長をしている企業です。


創業者の「岩田 弘三氏」は、1940年に神戸市に生まれました。中学卒業後、定時制高校に通いながら「和」の高級日本料亭で修行しつつも、これからのライフスタイルが「洋」にシフトすることを予感し、1965年に欧風料理「レストランフック」を開業しました。前年の1964年に「東京オリンピック」が開催された年で、カラーテレビが各家庭に普及し、日本が国際化に向けて歩き出し、食生活が 大きく 変化し始めた時期でした。このような時代背景の中で、この洋食レストランは成功を収めて行きました。

そんな中、1970年にヨーロッパ・アメリカに約1ヶ月間、一人で外食産業の視察に出かけました。ところが そこで興味を持ったのは、レストランで食べるような料理をテイクアウトで売る業態でした。当時の日本には無かった業態だったのです。

帰国後、大丸神戸店の地下食料品売り場(デパ地下)の一角を借りることができ、同業態をやってみることに。ところが、そもそも 日本では「洋惣菜」をテイクアウトする習慣がなく、中々 商売は上手くいかず赤字の連続でした。この時点では、以前からの「レストランフック」の順調な売上が会社の存続を支えていました。


そんな中、時代が日本女性の就業率が 3割となり、「岩田 弘三氏」は「レストランの味を ご家庭に」というコンセプトの基、「洋惣菜」のテイクアウトに正面から取り組むことを決意します。 伊丹の建物を紹介され、2階をレストランにしながら 1階をセントラルキッチンに改造して、洋惣菜業としての基礎を固めていきました。これが、時代背景もあり順調に成功し、ついに1980年、首都圏への出店が実現しました。この時点に於いて、「ロック・フィールド」は約20店舗の会社に成長することが出来ました。


成長と伴に、品質を保ちつつ大量の洋惣菜を顧客に提供する為の「工場生産システム」の構築が必要となり、1980年には「神戸工場」を着工します。そんな中で、まさかの事態が起きます。なんと「神戸工場」の「水質汚濁事件」が摘発されたのです。「グルメ企業が汚水垂れ流し!」とマスコミで、大々的に取り上げられ、一気に消費者からの信用をなくすことになりました。しかし 「岩田 弘三氏」は、全く諦めていませんでした。寧ろ この失敗は、その後の会社経営に活かされ、徹底した衛生管理体制を構築し、競合他社を圧倒的に上回るレベルまで改善させ、寧ろ 「ロック・フィールド」のコアコンピタンス(得意分野)にまでしてしまったのです。


1991年には、サラダ専用工場として「静岡工場」が完成します。サラダを手がけることは「健康・安全・安心」を企業としてアピールする戦略と合致するのです。

バブル崩壊が始まった1990年代の不安定な時期に、次の時代の「食」の価値観を「美味しい」とか「三ツ星」ではなく、「健康」に据えるという発想は社会に対しても従業員に対しても大きくアピールする"コンセプト"展開でした。この発想は、現在の「ロック・フィールド」の理念・価値観となり、今では 風力発電、保育室の静岡ファクトリー内設置等への取り組みに繋がっています。

●「社名の由来」

*「岩田 弘三氏」の"岩田”を、岩=「rock」、田=「field」と訳したところから付けた社名。


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それでは、そんな「株式会社 ロック・フィールド」の"イケてるC.I."を紹介します。

【存在意義】

「サラダの中に未来がある。」

いま改めて世界的に注目されている

日本の伝統食が受け継いできた知恵を、

もう一度「食育」という大きな観点からとらえ直して、

新しいサラダ文化を提案して行きます。

安全・安心を最優先に、

日本人をもっともっと健康で元気にしたいと願う

ロック・フィールド。私たちはサラダで未来をひらく、

ミライ・サラダ・カンパニーです。


【企業理念】

「私たちは、SOZAIへの情熱と自ら変革する行動力をもって、豊かなライフスタイルの創造に貢献します。」


【価値観】

「健康」「安心・安全」「美味しさ」「鮮度」「サービス」「環境」

私たちがお届けする「SOZAI」は、時代や社会のニーズに応えるとともに、次代を見据えて生み出される価値のあるそうざいです。

その価値の基本(価値観)は「健康」「安心・安全」「美味しさ」「鮮度」「サービス」「環境」です。

現状に安住することなく挑戦し、常により良いものを目指して進化を続けながら、人がイキイキと楽しく幸せに生きられる。

私たちは「SOZAI」を通じて、そんな暮らしの実現を目指します。


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【若手なりの成長理由 分析】

ここからは、若手なりに「株式会社 ロック・フィールド」の成長理由を、仮説ですが "3つ"上げさせて頂きます。

それでは…

◆1.「創業者『岩田 弘三氏』の常に時代を先読みする力!」

*先に述べた通り、創業者の「岩田 弘三氏(現会長)」は、レストラン業で成功してたにも関わらず、1972年に日本で いち早く「惣菜事業」を手掛けました。この要因として高齢化や単身世帯の増加、女性の社会進出を予測し、間違いなく この事業が求められる時代が来ると見ていたからです。事実 1970年代後半は、単独世帯が総世帯の内「約18%」、高齢者世帯が「約6%」でしたが、2015年には単独世帯、高齢者世帯は、それぞれ 総世帯の「約40%」を占めています。このように「岩田 弘三氏」の予測通り、単独世帯、特に高齢者世帯が大きく増加したのです。その他にも、ご存知の通り「女性の社会進出」の大幅な増加などあり、90年代後半から 大きく世の中が変わることになります。「岩田 弘三氏(現会長)」の凄いところは、1970年代に このことを予測し、日本で いち早く 惣菜事業に着手したことです。


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◆2.「時代の流れと伴に、衰退するものを強化した店!」

*実は、惣菜の市場規模は大きく、その分 競合他社も多く存在します。そのような中で、普通の惣菜・サラダを作っても年間「約500億円」近くまで売上を到達させることは出来ません。では、何が違ったのか?

一言でいうと、「惣菜が世の中に浸透することで失われたもの・退化されたものを再度 強化」したのです。

例えば、電話が発達することにより対話が強化される一方で、プライバシーが退化・衰退します。同様に、時計が発達することで効率化が強化される一方で、暇な時間が退化・衰退します。「岩田 弘三氏(現会長)」は、これを「RF1」に置き換え、「惣菜が浸透することで効率化が強化される一方で、食文化が退化する」と考えたのです。例えば、惣菜が浸透すればする程、一人での食事や惣菜のプラスチックパックに入ったままで食べる機会が増えていくのです。そこで 惣菜を販売する企業として、単純に惣菜を販売するのではなく、惣菜によって「家族の団らんを豊かにすること」「食事という時間を豊かにすること」を意識したのです。


*そのために、「店舗のデザイン」、「パッケージのデザイン」、「ロゴのデザイン」の統一や、家で使えるオシャレな皿のプレゼントなどを実施しました。今までの惣菜のイメージだった「不味くもなく、手軽」を、惣菜は「特別な時間を演出できる食材」というイメージになるように工夫したのです。惣菜を「家事の効率化」というフィルター・思考枠で見て貰うのと同時に、「家族の会話を引き出す」「食事することの価値」というフィルター・思考枠でも見て貰うことが差別化に繋がり消費者にとって魅力的に映ったのです。


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◆3.「『トヨタ生産方式』を惣菜ビジネスに導入している点!」

*「ロック・フィールド」では、仕入・企画・生産・物流・営業までを一貫して行うビジネスモデルを構築しています。生産者から お客さままでを繋ぐ ほぼ全ての工程を、自社で担っています。このビジネスモデルによって独自のノウハウを生み出し、新鮮で安心安全な商品をお客さまに お届けています。そんな「ロック・フィールド」では、「トヨタ」をベンチマークされています。幹部社員がトヨタでの短期研修を受けると伴に、2年かけてトヨタから人を向かえ「トヨタ生産方式」を惣菜ビジネスに導入しています。仕入・企画・生産・物流・営業までを、最も効率の良い方法で一貫して管理していることが特徴です。「トヨタ生産方式」を分かり易く言うと「自動化することで、不良を減らすこと」、そして「必要なモノを、必要な時に、必要な分だけ」という、2本の柱を軸にしている事です。


*例えば、原材料については、産地も含めて商品企画の段階で、詳細の仕様を決定しており、それ以外のものは使わないことで、味のレベルの維持と均一化を図っています。農産物については、契約栽培と市場からの調達の比率は、「5:5」と決まっています。農家とは 契約栽培でも、全量を買い取る契約はしておらず、需要の変動に対応させ、消費者の嗜好の変化、メニューの改廃により変化対応するためです。


*研究開発については、店頭と全く同じ冷蔵・非冷の販売ケースが設けられており、照明や温度なども含めて、実際の店舗をシミュレーションした条件の下で、商品の"見栄え"や"味"の経時変化を観察、検証しています。

そもそも 普通の料理は、家に持ち帰って食べるのではなく、出来立てを食べるのが最も美味しいのが常識ですが、惣菜の場合は店頭で購入し、家に持ち帰えるため、食べるまでに時間が掛かり、更に 電子レンジなどで再加熱することが多く、味が変化する性質があります。その変化を最小限に抑えると伴に、「冷めた時も美味しい」、「暖めなおしても美味しい」という点での、味作りに特に工夫をこらしています。


*また 商品企画を行う際は、「企画部隊」がレストランに食べに行ったり、雑誌を見たりしながら、話題になりそうな料理などを参考に、「商品アイデア」を考え、そのアイデアを「開発部隊」に渡します。次に「開発部隊」が素材の産地や分量を決めて開発レシピを作り、内部での評価、審査を行います。商品化を行う前に、商品を実際の店頭の環境を模した社内のショーケースに於いて、料理が時間が経つと どのように色や味などが変化するかをチェックを行います。このテストで合格したら発表会を行い、「企画部隊」から「販売部隊」に説明を行います。次に それを「販売部隊」が試食し、売れるかどうかを判断し、却下や修正などを経て、何度も 両部門を行き来しながら商品化が決定します。


このように、徹底的に「生産方式」を見える化することで、社員さんにとっては この方式に乗っていさえすれば何をやっても良いので、思い切りの良い行動に移せるのです。


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◎と言うことで…

「ロック・フィールドさん」を分析しましたが、「岩田 弘三氏」の"先見性"と"鋭さ"が全てだと思いました。特に、時代が進むことで 衰退するものがあり、そこを敢えて強化するという発想はとても、参考になりました。どんなに時代が変化しても、人間が本能で求めることは「変わらない」ということだと思います。ただ 忘れてはならないことは、惣菜事業である以上「美味しい」と言うことが絶対ということです。実際に「RF1」の惣菜を食べましたが、驚くほど 美味しいです。値段もそこそこしますが、その価格に見合う商品であることは間違いなく、それが 惣菜事業で「約500億円」を達成できる理由だと思います。どんなに素晴らしいビジネスモデルよりも、商品が素晴らしいということが「RF1」の一番の強みだと思いました。


そんな「ロック・フィールドさん」が今、最も力を入れられているのが「ネット通販」です。「RF1」と言えば、デパ地下で美味しそうに盛り付けされた惣菜ですが、ネット通販では真逆の冷凍の商品を中心に扱ってます。ただ リアル店舗もネット通販も「ロック・フィールド」の考える、日本の食文化としての惣菜を通して楽しい食卓を提供したいという「想い」が共通しています。その上で ネット通販だから出来る表現、お届けする箱の工夫など、実店舗では出来ないクリエイティブな取り組みが、お客さまに支持されているのだと思いました。


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●それでは 最後に、C.I.について、若手なりに一言いわせて頂くと…

ただ「惣菜」を売るのではなく、今 改めて世界的に注目されている日本の伝統食を世界に発信したいという"想い"が伝わり素敵だと思いました。「惣菜」を「SOZAI」と言う英語表記にされていますが、これも 世界に日本の「惣菜」を知って貰うために、敢えて 英語表記にされているのだと思います。このC.I.から創業者である「岩田 弘三氏」の器が垣間見え、スケール感を感じました。また「行動指針」まではコーポレートサイトなどに掲載されいていませんが、私がお店に行った時に、社員さんが迷いなく働かれていて、恐らく「行動指針」まで、C.I.を落とされている気がしました。

「岩田 弘三氏」自身も、C.I.には 強い拘りがあり、それを基にビジネスモデルに落とされているということで、改めて このブレない姿勢が、惣菜事業に特化しながら、ここまで成長できた理由だと感じました。


一部、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.の考え方に違いがありましたので、一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。

*concanが考えるC.I.とは?

https://www.concan.co.jp/post/topics-ci

本当に、若手が生意気言って、申し訳ございません。

長くなりましたが、以上です。

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