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【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る!"】「第6回:株式会社 大賀薬局」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。 創業100年以上の歴史があり、当時の医薬のあり方を変革させた企業が福岡にあります。

第6回は、本社を福岡市に構え、福岡市近郊を中心に106店舗の「調剤薬局」「ドラッグストア」「化粧品専門店」を展開している「株式会社 大賀薬局」です。


創業はなんと"明治35年"で、118年の歴史を持つ凄い企業なんです。

現在の社長である、「大賀崇浩氏」は5代目になります。

事業は「調剤薬局事業」「ドラッグストア事業」の"2本柱"で展開し、売上高は247億1,059万円(2019年9月)を誇ります。

特徴的なのは、従業員数が 約1,300人のうち薬剤師が約440名おり、社員に占める薬剤師の割合が全国でもトップクラスということです。 ーーー ◆【調剤薬局事業】 調剤薬局とは、薬剤師が調剤を行い販売 叉は 授与をする施設のことで、病院から貰った処方箋を基に、患者に薬の提供を行います。

「大賀薬局」では、この調剤薬局を87拠点(単独店71店、ドラッグストア併設店16店)展開し、福岡市 及び その近郊の店舗網は、全国大手薬局に劣らない店舗ネットワークとなっています。 ◆【ドラッグストア事業】 ドラッグストアとは、一般用医薬品を中心に健康・美容に関する商品や日用品などを販売する小売店です。

「大賀薬局」では福岡市内を中心にドラッグストア14店舗、調剤薬局併設店16店舗、化粧品正専門店5店舗、合計35店舗を展開しています。

福岡市内の繁華街である博多エリア、天神エリアに「ドミナント」展開していることが特徴です。

ーーー そして… 大賀薬局の"凄さ”は、その「歴史」です。 先ずは、この歴史について紹介します。

遡ること118年前の1902年に、現社長の曽祖父にあたる「大賀可壮氏」が14歳の若さで、身の回りのものを何でも扱う「大賀商店」を立ち上げたのが始まりです。 それから時が経ち1924年… 可壮氏は、 当時 開通したばかりの九州鉄道(現 西日本鉄道)の福岡駅を見て「商業の中心は天神町になる」と確信を持ち、その3年後の1927年に天神町に進出し、品目を「薬品」と「食料品」に絞ることで大繁盛します。

それから 日本は、太平洋戦争に突入しますが、4年後の1945年に終戦を迎えます。 しかし、可壮氏の一人息子であった陸軍少佐 大隊長の「大賀 栄一氏」は戦犯として遠い佛印(現 ベトナム)の地に残されていました。

まったく便りもなかった為、栄一氏の生還を、皆が諦めか掛けていました。 そんな中… 1946年5月頃、なんと何の前触れもなく復員して来たのです。

これで、「可壮氏」と息子の「栄一氏」の二本柱が揃うことになり、更には 栄一氏の妻「昌子氏」も家業に入り、更に繁盛しました。

1949年には… 西鉄街(現 天神コア)の入り口に「西鉄街店」をオープンし、「何でも揃う店、品切れのない店、新しい品を売る店」を作り、開店は7時半、閉店は深夜12時と当時では最先端の業態でした。

この西鉄街進出を機に法人組織とし、社名を「株式会社 大賀薬局」としたのです。

栄一氏は、店員教育にも力を注ぎ、商品知識は 勿論 礼儀作法、計数教育を徹底して行いました。

また、大賀薬局だけの教育ではなく、商店街全体の店員を対象とした店員学校をつくり、自ら校長となり教育に注力しました。

今でこそ 常識ですが、当時は まだ店員教育には、関心を持たれていない時代でした。 そんな軌道に乗り始めた中、悲劇が起きます。 栄一氏が末期の"癌"で倒れるのです。

それでも… 栄一氏は仕事に執念を燃やし続けたそうです。 これには、1つの大きな「夢」があったからです。

それが… ●「医薬分業」です。 これは、医師の診断を受けた際に、病院・診療所で薬を貰う代わりに“処方箋”を貰い、その処方箋に基づいて街の保険薬局で薬を調整(調剤)して貰う方式のことです。 これにより、提供する薬に対しての”監査機能”が付き、お客さんが安心して薬を貰えるだけでなく、当時は当たり前だった病院による高額販売を防ぐことができるのです。

陸軍少佐だった栄一氏は、戦時下 様々な情報を持っており、アメリカでは当たり前だった最進的な医療の在り方を知っていたのです。 栄一氏は晩年 自らの死期を察知していたかのように、ベッドサイドで妻の昌子さんに、商売の理念、道義、計数管理のポイントなどを教えていたそうです。

昌子さんは、その"一言一句"を、ベッドの下に隠したノートに懸命に書き留め、その時のノートが社長就任後の昌子さんの支えとなっていくのです。

1964年 51歳の若さで栄一氏が死去、その2年後 可壮氏が大往生を成し遂げます。 46歳で社長となった昌子さんは、旦那であった栄一氏の"遺志”を受け継ぎ、「医薬分業」を推し進める為に「調剤薬局」の開局に情熱を注ぐのです。

その為 医療機関に幾度も足を運び、粘り強く「医薬分業」の夢を語り続けました。 しかし、利益の取れる薬剤事業を病院が簡単に手放す訳がありません。 昌子さんは何度も罵声を浴びせられ、名刺も何度も破られたそうです。 それでも、”奇跡”が起きるのです。 昌子さんの夢に賛同してくれる医療機関を見つけることができ「調剤薬局」を展開することができたのです。 50年代には6店舗の調剤薬局を開設し、日本での調剤薬局経営の基盤を築きました。

更に昌子さんに追い風が吹きます。 日本に於ける処方箋発行の仕組みが改訂されることになり、時代が昌子さんに追い付いたのです。 これで 栄一氏の夢であった「日本での医薬分業」を成し遂げました。 この頃には栄一氏の息子「研一氏(現会長)」も、経営に参加するようになります。 研一氏は薬局の在り方を模索しており、アメリカで日本には存在しなかった最新のドラッグストアの視察を行いました。

そこで、お客さまが自由に店内を歩き回り、商品を選べるという業態に魅力を感じた研一氏は、「ドラッグストア」という新たな挑戦に踏み出しました。

その第一歩として… 1985年に九州初の「ミニドラッグストア」、そして 1990年に大型のドラッグストアを開設し、今の姿になったのです。

私はこのような歴史を知った時に、大賀薬局の歴史は、日本の薬局の歴史だと感じました。 福岡の皆さんも、こんな素敵な会社があることを是非 知って欲しいと思いました。

そして 現5代目社長の「大賀 崇浩氏」の話される言葉からは「先代の教え」が、脈々と受け継がれていることを感じ、これこそが 一番の強みだと感じました。

ーーー ちょっと、話が長くなりましたが… それでは、「株式会社 大賀薬局」の”イケてるC.I."の一部を紹介します。

【Mission statement(使命宣言)】 「奉仕こそ我らの務め」

「奉仕の心」。 1902年の創業以来、受け継がれてきた当社の精神です。

常にお客様に寄り添い、お客様の言葉に耳を傾け、お客様のために尽くすことこそが私たちの使命です。

奉仕の心は代々受け継がれ、やがて、「奉仕こそ我らの務め」という私たちのミッションを表現することばが生まれました。

このことばは、70年以上に渡り大切に守り続けています。

奉仕とはすなわち、相手の立場になって物事を考え、自ら率先して行動を起こし、誠心誠意、人のために尽くすことです。

当社では、社員のための奉仕、お客様への奉仕、地域の皆様への奉仕の3つの奉仕を指します。

社員奉仕 当社で働くすべての方々が、お客様や地域の皆様へ 心から奉仕することにやりがいや喜びを感じる環境を作ることです。

顧客奉仕 常にお客様の目線で、お客様が求めることを考え、

真心をもって率先して行動を起こすことです。

地域奉仕 地域の皆様にとって有益であり、安心して健やかに 過ごすことができるための場所として存在し続けることです。

【Philosophy(経営理念)】 大賀薬局は、お客様の健康で美しく豊かな暮らしのお役に立つことを志とし、

社員一人ひとりが活き活きとその能力を発揮し、幸せな生活を創造できる会社を目指します。

ーーー 【若手なりの成長の理由分析】 「大賀薬局」の一番の成長理由は… *「既成概念にとらわれず、常に本気で新しいことに挑戦していること!」。

これに尽きると思います。 実は、大賀薬局は先ほど述べた医薬分業以外にも多くの新しい挑戦をしています。

〇九州初の、大規模ドラッグストア 〇福岡初の、地下鉄構内への調剤薬局 〇九州初の、コンビニとの複合店舗 〇福岡初の、24時間365時間の調剤薬局 〇コーヒー専門店とコラボした化粧品専門店 と、上げ続けると切りがありませんが。

そして 中でも、最近SNSでかなり話題になっているのが「薬剤戦士オーガマン」です。 これは、年間500億分の薬が廃棄されているという「残薬問題」を本気で解決しようと、社長のポケットマネーで創られた「ヒーロー」です。 社長自身が昔から「仮面ライダー」シリーズが大好きで"変身願望"があり、医薬のヒーローになったそうです。

とは言っても、当初は役員からの批判は凄く「何のために? 」「いくらかかるの? 」「いくら儲かるの?」とかなりの説明を求められたそうです。

それでも「ぜひやりたい」と説明したところ、「社長がそこまで言うなら…」と了承を得ることになりました。

しかし、結果的には… いくらのポケットマネーが出ているのかは分かりませんが、投資の「約40倍」の効果が出ているそうで、今では多くのメディアにも取り上げられており、様々な場面で「残薬問題」について問題提起をされています。

私も動画を拝見しましたが、一度 見ると忘れられません。 笑ってしまうほどクオリティが高く、かなりの本気度が伝わります!

社会性のある問題に敢えて少し"アホっぽい"演出を加えることで格式を下げ、薬という型苦しい問題に多くの人が興味を持ったのだと思います。 本気で取り組まれる姿とSNSという時代に合わせた啓蒙活動のやり方は凄いと思いました。

このように常に新しいことに挑戦されいている「大賀薬局」ですが、この根底にあるものは間違いなく100年以上にも受け継がれる先代の教えではないでしょうか。 栄一氏の教えに このような言葉があるそうです。 「一番でもダメ。三番でもダメ。二番になりなさい。」

これは、常に何かを目掛けて進み続けろという教えです。 先代から伝わるこの姿勢が、大賀薬局の一番の強みだと思います。

因みに、九州に於けるドラッグストアの売上高ランキングでは、「大賀薬局」は4位となっている為 今後の動向に目が離せません。

【九州に於けるドラッグストア業界売上高ランキング/2017年】 「会社名/本社所在地/売上高/」 ◆1位:コスモス薬品/福岡県/5,580億円 ◆2位:ドラッグストアモリ/福岡県/1,356億円 ◆3位:JR九州ドラッグイレブン/福岡県/512億円 ◆4位:大賀薬局/福岡県/236億円 ◆5位:サンキュードラッグ/福岡県/229億円 ◆6位:新生堂薬局/福岡県/199億円

ーーー それでは 更に、自分なりに成長理由を仮説ですが「3つ」上げさせて頂きます。

■1.「事業の柱が二つあること!」 *大賀薬局はの事業は、大きく「ドラッグストア」と「調剤薬局」の2つがあります。 「ドラッグストア」は、比較的 新しい業態で、日本でも「バカ当たり」した業態の一つと言われています。 市場規模は2018年度に7兆円を突破しコンビニに迫る規模になってきましたが、その分 多くの競合他社が現れています。

事実、社長自身も競合が増える中でドラッグストアの売上に苦しまれた経験があるそうです。 そんな時に救ってくれたのがコツコツやってきた「調剤薬局」です。

中小企業の場合は、1本に絞ることも戦略ですが、「ドラッグストア」と「調剤薬局」の場合は別事業とはいえ共通する部分も多く、複数の事業でも それが立体的・戦略的に絡み合っていると、両輪となり逆に安定した企業になるのだと思います。 また敢えて、事業を分離させることで、迅速な意思決定を作られているのだと思いました。

■2.「ドミナント戦略で地場で地位を築いたこと!」 *「大賀薬局」は、調剤薬局73店、ドラッグストア併設店16店、ドラッグストア15店、化粧品店4店の計108の店舗を構えていますが、そのほとんどが「福岡市」にあります。

地域密着のドミナント戦略を取ることで、オペレーションでの効率を上げるだけでなく、福岡市では愛される存在になることができます。

一方では、店舗に対して「権限委託」もすることで、お店毎の特徴ができ"差別化"のポイントとなっています。 また、大企業の場合は弱みとして「人材の空洞化」があり、労働力の確保が難しい中でも、大企業の使命として"増収増益"を求められ出店をし続けなければなりません。

これだと自動化やマニュアル化が必須で"人気"もなくなり、お客さんもただ買い物しに行くだけになってしまいます。

そこを突いて「大賀薬局」では、徹底的に社員教育を行い、1店舗1店舗にコミュニケーションの高い社員を配置することで大企業と差別化しています。 因みに、社長の目標に、「接遇力 日本一」があります。

これは同業界での日本一でなく、全ての業種を含めて日本一です。 接客も本気で極めることで、地場に愛される企業を目指されているのです。

■3.「徹底的な社員教育!」 *大賀薬局では新卒入社時から、なんと"最長5年"を掛けて徹底的な社員教育が行われています。

●1~2年目【新入社員研修(入社後2週間)】 臨床の専門的知識を加えながら病態、薬物治療の学び直しを行い、店舗業務に必要な知識を付けていく為の研修。 フォローアップ研修、OTC・検査値研修、工場見学研修。

●3年目 リーダー論やマネジメント、クレーム対応などをテーマとし、グループワークで議論し、考えを深める研修。

店長など役職者になるために必要な人間的成長を目指す研修。

●4~5年目 自らの業務において、疑問に感じた処方を解析したり、病態を深く調べたりする研修で、プレゼンテーション能力を高めることを重視した研修。

それ以外にも、「接遇研修」や「自由研修」など様々な講習が準備されており、全ての研修に於いて社内単位と社外認定単位が発行されます。 大賀薬局は、健康などに何かしらの問題やご不満がある方々が お越しになるはずです。 そのようなお客さま・患者さまをサポートし信頼いただく為には、知識・技術のみではなく全人格的なスキルが求められるのだと思います。

ーーー ◎と言うことで… 今迄 幾つかの企業分析をして来ましたが、企業の歴史の部分では最も"シビれ"ました!

なんだか固苦しいイメージのある薬局業界で、時代に合わせて 常に新しいことに挑戦し変わり続けている企業が身近にあることに驚きました!

そして 変わり続けられる理由は、変わることのない先代からの教えが"芯"にあるからこそだと思います。 特に、2代目社長の「栄一氏」の言葉を書き留めたノート、これこそが今でも大賀薬局の「道標」になっているのだと思います。

そして 薬局といえば、「新型コロナウイルス」の影響で在り方が"180度"変わっています。

厚労省は先月、今迄は対面での診察が義務だった医薬処方について、院内感染などを防ぐ為 初診でもオンライン診療を解禁し、オンラインでの診療や電話に基づき郵送による医薬品の処方を認めました。 (ただし、処方前に薬剤師が電話やビデオチャットなどで患者に服薬指導をする必要はある。)

現状では、あくまで非常時の対応とされていますが、アフターコロナ後もいつ、どこで地域レベルでの集団感染が起きてもおかしくない以上は、コロナ前の世界に戻ることはないはずです。

2011年より在宅医療を推し進めている大賀薬局だからこそ、オンラインを駆使した今後の対応が気になります!

また、ドラッグストア事業については、個人的な消費者目線で言わせて頂くと… ドラッグストアはどこも同じように見えるが故に、ただ近いお店に行くのが"本音"です。 大賀薬局についても同様で、差別化のポイントがあまり見受けられないことが気になりました。 M&Aが頻繁に行われパワー勝負になっている業界だからこそ、何かしらのフックが欲しいと思いました。

特にコロナ後 ネットでの商品購入が当たり前になると商圏が一気に広がる分、全ての企業が競合になります。 その為、例えばPB商品のブランド化を行うなど「大賀薬局と言えば××」と言ったものが必要になると思いました。

ーーー ◎更にC.I.について若手なりに一言いわせて頂くと… 想いの詰まった言葉が並んでおり”素敵”だと思いましたが、もう少し柔らかい言葉で表現をすると、20代の人でも簡単に理解ができる気がしました。

また、全ての言葉が社内向けになっており、「事業を通して成し遂げたい世界」が分からなかったことも気になりました。

先ずはこのミッション(使命)を明確化することで、社外への打ち出し方にも一貫性ができ、企業の「見せ方」と「見られ方」が一致することで、結果的に「企業ブランド」の強化に繋がると思いました。

特に差別化の難しい小売業界だからこそ、先ずC.I.の再整備を行い、ブランディングまで行うことをお勧めします。

勿論 長い歴史のある理念を変えることは簡単ではないと承知しておりますが。。。

*concanが考えるC.I.に是非 一度 照らし合わせて頂きたいです。 https://www.concan.co.jp/post/topics-ci

長くなりましたが、以上になります。

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