今日は、concan代表が思う「上司と部下の関係と、『想像力』」について考えてみたいと思います。
『経営者』や『役職者』といったリーダーが職場で発する"言葉"は、「いい意味」でも「悪い意味」でも社員に"影響"を与えます。
例えば、あまり深く考えずにいいがちな「頑張れよ」。
リーダーが成績が良くない『部下』に対して"ハッパ"を掛けるつもりで「頑張れよ」と言っても、『部下』からは「はい、頑張ります」という答えが返ってくるだけで、その『場しのぎ』の無意味なやり取りで終わります。そして、それでは 結果が出に難いので、上司に対する『信頼』や『尊敬』が失われがちです。この場合は「頑張れよ」で終わらせずに、「何を、どのくらい、どう頑張ればいいのか」を具体的に、アドバイスする必要があります。そうすれば、少なくとも「何をすれば『評価』され易いか」が分かり、リーダーに対する『信頼度』も上がります。それで期待されるような結果が出れば、本人も「やる気」が高まり、リーダに対する『信頼度』や『尊敬』が増すことになります。このように、リーダーには具体的にアドバイスする『能力』が求められますが、その為には、普段から数字で考えるなど、「具体的に物事を見る"クセ"」が必要です。
また、『信頼されるリーダー』の"言葉"には、「本物の重み」があります。中小企業経営者に多い「社員は家族だ」という"言葉"があります。中小企業の場合、『経営者』と『社員』の距離が近く、一人一人の顔が見えるので、「成長して貰いたい、幸せになって貰いたい」という気持ちが強くなるからです。
しかし、その『経営者』の気持ちが『社員』に正しく伝わっているとは限りません。「家族と同じような愛情を持って接している」「どんな場合でも社員をサポートする」という気持ちを込めて「家族」と言っていることを説明しなければ、「家族なのだから『早出・残業』をいとわず働け」という風に受け取られるかも知れません。
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もう一つ、注意しなければならないことは、社員の側が「家族」と表現されることを"喜ぶ"かどうかです。「家族」という"言葉"の受け止め方は、「社員の育った環境」によって異なります。「家族」を信頼していて「家族」が好きという人であれば、経営者から「家族」と言われることは、おそらく 嬉しいと思います。逆に「家族」にマイナスの感情を持っている人は、歓迎しないかも知れません。勿論、「家族」と「会社」は違うので「家族と呼ぶな」という考えの人もいると思います。『信頼度』の低い社長から「家族」と呼ばれても嫌に感じる人もいると思います。
相手の状況が、それぞれ違うため、リーダーは「家族」に限らず、自分が発した『言葉』が相手にどう伝わるのかを「想像する力」が必要です。誤解を生まないように真意を"きちっと"伝えなければなりません。それでも「家族」と言いたいのなら、口先だけで終わらせず、『態度』や『行動』で示さなければなりません。具体的に「家族同様に接する、大切にする」などです。"言葉"だけでなく、『態度』や『実績』で示す必要があります。「家族」という"言葉"をいって『ブラックな職場を正当化』することなどは"論外"です。
『信頼』を育てる一番の方法は、「言ったことを守る」。当然のことながら「法令違反を強いる言葉、ハラスメント」に繋がるような"言葉"は発するべきではありませんが、そこまで 至らなくても、相手を傷つけそうな"言葉"には慎重になるべきだと思います。身体的な『特徴』をからかうような"言葉"は 勿論、あまり相手のプライベートに踏み込み過ぎる話も避けるべきときもあります。そこは、按配ですが プライベートに関しては『さじ加減』が難しく、アドバイスの内容によっては、「家族構成」や「これまでのキャリアなど、プライベート」を考慮する必要もあります。こうした"ケース"では、受け取る側の感覚が「よりどころ」になりますが、要は、相手に対して「真摯に関心を持ち、相手の為にアドバイスする」ことが不可欠だと思います。それでも 相手を傷つけたり、不快な思いをさせることもありますから、相手の立場に立った『アドバイス』や『発言』が必要だと思います。
要は、日頃から「どんな付き合い方」をしているかで、部下との『関係』や『発言』に対する感情が決まります。
私は、「相手の"視点"や"立場"に立てる人が幸せになれる人」と思っていますが、自己中心的な人は どうしても自分の感覚でしか相手を見れていませんし、そういう『発言』をしがちです。難しいことですが、相手の『視点』や『立場』に立てるかどうかが大切だと思います。
そういう人は、自分を客観視することも出来ます。
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一方、社員から見て、相手が「信頼できるリーダー」なら少し踏み込んで言って貰った方が有難く感じると思います。「信頼できないリーダー」に踏み込んだことを言われると「放っといてくれ」と思うし、パワハラと受け取られかねません。
頑張っていないリーダーに「頑張れよ」と言われれば、心の中で「お前こそ頑張れよ」と反発されます。
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◎と言うことで…
「信頼されるリーダーと敬遠されるリーダーが発する"言葉"の違い」について考えてきましたが、『信頼』される一番の方法は、「言ったことを守る」しかありません。
信頼の「信」は『人の"言葉"』と書くように、言ったことを守るリーダーは『信頼』されるし、口先だけのリーダーは『信頼されません』。小さなことでも、大きなことでも言ったことは守ることが当たり前です。
更に、『P.F.ドラッカー』(ユダヤ系オーストリア人 経営学者)が言うように、リーダーは、『信頼』に加えて『尊敬』される存在であるべきです。ドラッカーは『尊敬』されるリーダーは「何が正しいか」を考えると述べています。
何が正しいか―その「判断基準」を身に付ける為には、彼曰わく、何千年もの間、人々が本質的に正しいと認めてきた「論語」や「仏教」の本などを読むことが必要だと言っています。勿論「聖書」でもよいと。
要は、『本質的』に正しいと思うことを学び、身に付けない限り、人から真に尊敬されることは無いと言うことです。
「生き方」を身に付けた人の"言葉"には、本物の「重み」があると思います。
〇それでは、最後に「世界を変えてきたリーダーたちの、心を揺さぶる名言」を"5つ"紹介します。
◆ 「できるか、できんか、オレにはわかんねぇけど、オレはやりてぇよ」
(本田技研工業株式会社創業者 本田宗一郎)
◆「何をやるのかを決めるのは簡単。何をやらないかを決めるのが難しい」
(Dell創業者 マイケル・デル)
◆ 「上からの統制なんて、必要ないんです。職種や役職に関係なく、ユーザーのニーズにこたえられる能力がある人間が主導権をとる。ルールはこれだけ」
(元LINE株式会社社長、現C Channel 森川亮)
◆「リーダーのスピードが、部下のスピードになる」
(女性起業家 メアリー・ケイ・アッシュ)
◆「行動は言葉よりずっと影響力がある」
(経営コンサルタント スティーブン・コヴィー)
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