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【代表の人物像&体験談!】「今の時代、適度な『朝令暮改』は必要だ!」~「上が決めたことだから」では、もう部下は付いてこない!~

今日は、concan代表が思う「変化の激しい現代社会に於ける『意志決定』と、その『変更指示』の伝え方」について書いてみます。

上からの指示がコロコロ変わるので、どう動いたらいいか困惑する。そんな不満は、誰もが持ったことがあると思います。

また、「コロナ」や「オリンピック開催」に於ける行政の長の判断についても、みなさん 色々 思うところがあると思います。そこで 今回は「意思決定」や、「方針の変更」の説明は、どのようになされるべきかについて考えてみます。

創業経営者の多くは「朝令暮改(ちょうれい ぼかい)を恐れるな」と言います。一方、大組織のマネジメントに苦しんだ経営者は、「決断は慎重にして『朝令暮改』は避けるべきだ」と言います。

*「朝令暮改」:朝に命令を出して、夕方 それを変えること。法令が出ても すぐ 後から改められて、あてにならないこと。


上司の中にも、昨日 言ったことと、今日 言っていることが違っても平気な人もいます。一定期間は、ある方針で任せてみて、変更する場合は じっくり考える慎重派の人もいます。

「意思決定」の選択肢が見えると、『2種類』の判断基準に照らして選ぶ「意思決定」に関する基本的な構造は、以下のようなものです。


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●まず 何らかの目標があり、それに従い、「外部環境」と「内部状況」を認識した上で、目標を実現する為に 複数の選択肢を作成します。その選択肢の中から、一つを選ぶのが、「意思決定」のプロセスです。


この際には、複数ある選択肢から、どれを選ぶかの「判断基準」を決める必要があります。これには、会社の「経営理念」との整合性をチェックするといった「原則レベル」の基準と、その時のビジネスの状況にフィットした「指標レベル」の基準の2種類があります。そして 最終的には、選択肢の中から、「原則にマッチ」し、かつ 「指標による基準」に、もっとも適合すると考えられるものが選択されます。

この「目標設定」と「内外認識」と選択肢や判断基準は、相互に影響し合い変化しますが、的確なタイミングを見計らって、適切に「意思決定」する必要があります。このとき、「朝令暮改」の肯定派の人たちは、以下のような主張をします。

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●「外部環境」も「内部状況」も 刻々と変化する時代です。新しい技術には、即応しなければならないし、「マネジメント方法」も変えなくてはならないのです。そのため、昨日までは 最良だった選択肢が劣位になることもある。判断基準すら変わっても おかしくはないのです。調達金利が上がれば、求める『ROI』も当然上げなければならないし、他業態から競合が参入してくれば、当面の利益を度外視してでも、マーケットシェアを死守することが、第一優先事項になるという事も起こり得るのです。

*「ROI」(Return On Investment):投資した費用に対し、どのくらいの利益が出たのかを測る為の指標。企業の利益を高める為に重要な指標として注目されている。


「朝令暮改」をいとわずに積極的に変化対応をすべきだという経営者は多くいます。

状況が変わったのに、前の基準にしたがって決定した選択肢を継続している事のほうがリスクです。


一方、「朝令暮改」の否定派は、場合によっては「朝令暮改」が必要なことも認めるが、組織としての『総合力』を発揮するには、組織の構成員全体の『やる気』を維持し、それぞれの行動の整合性の確保が必要であると考えています。それぞれが 持ち場で各自の目標の達成の為に努力をしています。その途中で これまでと異なる指示が出されれば、準備は無駄になり、行動の調整は つかなくなり、あてがわれた目標も 未達成となり、評価もまともに出来ないのです。これが続くと、真面目に準備をしようともしなくなり、どうせ変わるから、成果も出さなくなり、どうせ評価されないから、高いレベルの組織的な活動が失われてしまい、どうせ調整できないからというサイクルが生まれます。


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●どちらも正しいのですが、現在は 本当に激しい変化の時代になり、大企業でも素早い対応をせざるを得ない時代になっています。適度な「朝令暮改」は必要という見解が優勢になりつつあります。


「朝令暮改」は、現場を仕切る中間管理職にとっては、難しいと思いますが。しかし、経営者が「朝令暮改」の重要性を理解しても、現場では 大変な軋轢を生みます。特に、変更の指示を出す現場の管理職は社員から相当強い反発を受けてしまいます。「既に、大変な変更を、今 実施したのに、何故 それを変えなければならないのか。変更する為に、私が どれだけ無理を言って周囲の人に お願いしたか、あなたは 知っているのか」と。それでも、管理職は どうにか対応しなければならないのです。


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●よくある説得の方法は、以下の"3つ"だと言われています。

【意志決定の変更伝え方"3選"!】

◆1.「上が決めたことだから仕方がないでしょ。」

典型的な"安易"な説得のパターンです。

「私に聞くな、私だって困っているんだ。社長が決めたのだ。文句があるなら社長に言え!」

こういう説得が価値を持つ会社もあります。過去、社長の行ってきた「意思決定」が成功し、変更の経緯は分からないが、社長には考えがあり、言われた通りやっていれば成功するだろうと社員が心から思える会社です。しかし、そのような『神通力』が いつも通じる訳はありません。社長の言った通りにやって成功しないことが 一度でもあれば、そういった信用は確実に失われてしまいます。

◆2.「特定の現象に理由を紐づける。」

変更の理由となったものの中から、目立つ事情の一つをピックアップし、その事によって変更が必要となったという理由づけをする方法です。

例えば、「コロナで状況が変わった、DX推進に 全社的に取り組むことになった、事業の選択と集中の方針が固められた……。」

ロジカルな整合性はなくても、それらしい理由があれば、人は 取り敢えず納得し、社員として従わなければならない雰囲気にはなります。

ただ、殆どの場合、ここで 持ち出された理由は その場しのぎの『お題目』であり、本質的な理由ではないため、論理性を大事にする頭の良い部下からは 全く評価されずに信用を失ってしまいます。

◆3.「全体の構造を説明する」

「外部環境」と「内部状況」がどう変化し、それを会社は どのように認識しているかが重要です。それにしたがって、『選択肢の幅』、『判断基準の指標』、『最終的な意思決定』が それぞれ どう変化したのか。こうした「意思決定」の構造の全体像が、『社長メッセージ』として詳しく語られる会社で、かつ 中間管理職が それを読み込んで理解し、『現場の状況に落とし込んだ形で説明』できるならば、部下も納得がいくと思いますが。

ただ、その為には、まず 経営者自らが「意思決定」の構造に自覚的で、それに沿って明確な説明ができ、現場の管理職も『業界動向』や『自社の方向性』、『強み・弱み』などを構造的に把握していなければ出来ません。殆どの場合、そのような説明を試みても途中で"しどろもどろ"になって、部下から「意味が分かりません」と突っぱねられるケースが多いのが現実です。

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◎と言うことで…

「今の時代、適度な『朝令暮改』は必要だ!」と題して書いてきましたが、「意思決定」を変える為には 納得できる説明が不可欠です。

しかし、「意志決定」の変更理由を全体を理解し、説明することは大変難しいため、よほど 自信のある管理職でなければ、この方法を取ることは 中々 ないと思います。だいたいが、『お茶を濁す』が多いと思います。そもそも 話の全体を"はしょり"過ぎて説得力がない事が殆どです。

「社長が言ってるから」は、社員にとって 決定者(社長)への信頼いかんであり、社員の意思決定者への信頼が よほど大きくない限り、やはり 説得力はありません。結局、多くの場合、説明は理解されず、納得もされない事が多いと思います。


実は、コロナに関する対策について、国から出された指示にも同様のことが言えます。不確実な状況下にあって、とにかく 感染爆発の危険があるから、「国(政府)が決めたから とにかく 家にいて下さい」と、外出を控えたる事が続いています。

しかし、それだけでは 国民は、説得されなくなってきています。もう少し なんらかの理由が欲しいと思っています。

「飲食店でアルコールを出すと、飛び交う飛沫(ひまつ)量が増えるのが感染の大きな原因だから」という理由づけが行われ、飲食店は対応しています。ただ、アルコールを出すかどうかが感染の直接の原因でなく、副次的な原因ではある事は明らかで、説得力はありません。本来は、全国民に全体像を示して、ロジカルに説明すべきですが、国に とってみれば、それは 複雑すぎて、理解されないと思っているのか、あるいは、上手に説明する自信がないのかも知れません。中途半端に説明すると『議論百出』となり、持っていきたい対策に誘導することが難しくなるという懸念から、説明は行われないまま、ここまで来たのだと思います。


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この「ご都合主義」のように『まん延防止等重点措置』と『緊急事態宣言』を行ったり来たりし、決定された変更は 国民の多くから無視されるものとなっています。変化の激しい時代だから、「朝令暮改」は これからも 色々な企業で必要になると思います。その時に、社員に 説明しても理解されないからと勝手に思い込んで、まともに説明しないまま 変更を進めてしまう可能性が高いのです。むしろ、日本の一般的なコミュニケーションの「在り方」で、国のコロナ対策を批判しがちな私たちも、自分が当事者となれば、よほど 注意しておかなければ、同じような説明を選んでしまうと思います。私たちが 今回 コロナで図らずも経験したように、「とにかく従ってくれ」という「やり方」では、もう人は動いてくれません。経営者の「説明能力」、現場の管理職の「説明能力」、そのいずれもが必要であり、その為の情報提供の「在り方」、説明能力の向上の「トレーニング」、そして 更には、受け手の「情報リテラシーの向上」

(教育への投資)も含め、"なおざり"にしていては、今後の日本の先行きは危うくなるばかりだと思います。

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