福岡に、「石油販売」から大きく業態変更しようとしている可能性を秘めた会社があります。
第17回は、「いつも今より新しい」をコンセプトに、創業94年を迎える福岡市(創業長崎)に本社を置く、堅実経営で知られ、60年間赤字なしの「増田石油 株式会社」です。
増田石油は、社名の通り、石油を販売(サービスステーション・LPGなど)する会社ですが、それ以外にもTSUTAYA・コメダ珈琲のフランチャイズ事業や、太陽光発電による電力販売事業、ビジネスホテルやフィットネス事業など多角経営で知られています。2018年の売上高は、241億円を誇る九州を代表する優良企業です。 では、増田石油の「イケてるC.I.」の一部を紹介します。 ーーー 【企業理念】 『わたしたちは、「生活創造企業」をめざし、多様な事業活動の展開をとおして地域社会に貢献します。』 わたしたちは、顧客第一をモットーに、常に市場の動向に目を向け、質の高い商品・サービスを提供します。 わたしたちは、人間性尊重の立場で、 一人ひとりの個性を重んじ、能力の開発と、ゆとりある生活の実現をめざします。 【コンセプト】 「いつも今より新しい」 可能性を信じ、未来を見つめています。 NEXT CHALLENGE 20世紀中頃より始まったモータリゼーションという時代の潮流の中で、増田石油株式会社は事業を拡大し、安全で安定的なエネルギーを供給してまいりました。 21世紀が到来した現在、私たちをとりまく社会的環境は大きく変化し、エネルギーの価値観や供給形態も大きく変化しようとしています。 増田石油株式会社を中核としたマスダグループは、今後のさらなる飛躍を目指し、さまざまなエネルギーの安定供給はもちろん、快適な暮らしを創造するさまざまな分野にチャレンジ。 高度化、多様化する社会のニーズにすばやく対応するサービスと地域に密着した事業活動を展開してまいります。 ーーー 【成長の理由分析】 まず、C.I.の整理がされていて、コーポレートサイトも"シンプル"でかなり見易いと思いました。 また石油会社から、多角経営を目指す事業内容に、きちんと落ちていて素晴らしいです。 特に、社風を表したコンセプト「いつも今より新しい」が素敵で、企業としての「真面目さ」「誠実さ」「堅実さ」が感じられます。 では、もう少し詳しく成長の理由を分析します。 仮説ですが、大きく2点です。 ■1点目は… 「モーターゼネレーションの波に乗り、社会インフラである石油を販売した点です。」 *様々な産業に必要な石油の販売を柱に、その利益を不動産に投資したり、LPGなど、その他のインフラ事業に広げた点です。 ■2点目は… 「永続を第一に、「安定と挑戦」の社風を活かし、石油販売以外の事業をおこなっている点です。」 *時代の変化に合わせ事業を整理し、様々な事業にトライ&エラーしなが、堅実経営で多角的に事業を拡大している点です。 ーーー ◎しかし、今後 人口減少や、エネルギー需要が低迷化する中で、現在 日本の石油産業は、大手石油元売り5社が、経営統合し3社になります。これは、勿論 ガソリン需要の低迷が主な原因です。 そこで、増田石油さんとしては、本当の意味で「石油会社」のイメージから「生活創造企業」へと、イメージチェンジする必要があると思います。 ーーー ◎C.I.について一言いわせて頂くとしたら… 採用戦略なども考慮すると、一部C.I.のリニューアルをお勧めします。「増田石油」と聞けば、一般生活者からすると、「石油会社」としか写らないと思います。 今後、大きく業態を変えられるのであれば、失礼ながら「社名変更」も視野に入れられる事をお勧めします。 *検討されていたら申し訳ありません。「社名」を変えるという事は、本当に大変な事だと思います。 また、企業理念に基づいた行動指針の先にある「行動規範」の記載が無かったので、もし作られていたら「評価制度」も含め拝見したいと思いました。 *concanの考えるC.I.は… ◆企業理念(不変の想い/存在意義=成し遂げたい想い)→◆コーポレートメッセージ(企業理念を短くしたもの)→◆事業ビジョン(売上・数値目標)→◆経営理念(左記を達成する為の指針&社員への約束)→◆行動指針(社員がとるべき行動)→◆行動規範(左記を達成する為の具体的な詳細行動) 参考までに照らし合わせて貰えるとありがたいです。
Comments